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夜空を切り裂く破壊光線と、それを掻い潜る戦闘機、そしてファイターマンの激しい攻防は、信濃町の惨状をさらに悪化させていた。
シャドウマンタの禍々しい咆哮と、戦闘機の爆音が混じり合い、地獄絵図にさらなる混沌をもたらす。
ファイターマンは、うなる
「くそっ、しつこい!心臓部を狙っているのに、うまくかわされる……」
瑠璃はコスモホークを巧みに操り、シャドウマンタの放つ破壊光線を回避しながら、ミサイルを連射する。
しかし、シャドウマンタは、その数を減らす気配を見せない。
「隊長!
シャドウマンタの数が多すぎます!
これではキリがない……」
川中の悲痛な叫びが、通信機越しに響く。山桐も歯噛みする。
航空自衛隊の戦闘機も奮戦しているが、シャドウマンタの数と凶暴さには限界が見え始めていた。
その時、宮坂の声が響いた。
「隊長!
隊長のコスモホークに、開発中の、特殊弾頭アトポーシスXを装填しましょう!」
「特殊弾頭アトポー…!]
山桐の顔に希望の光が灯った。
それは、WEF-Japanが極秘に開発した切り札だった。
「宮坂隊員、了解!
私のコスモホークを自動操縦で、こちらによこしてくれ」
「はい、もうそちらに向かってます。」
ふと、夜空を見ると、一騎のコスモホークが山桐のそばに降り立った。
「よし!」
山桐は開いた操縦室のドアに駆け込んだ。
「ん?こら!?」
山桐が後ろを振り返ると、毎朝新聞の小林記者も乗り込んでいた。
「降りなさい!、この戦闘機は一人乗りだし、訓練を受けてない君は無理だ」
「いやいや、隊長さん、取材させてくださいよ。」
もたもたしている場合じゃないと思った山桐はコスモホークを発信させた。
そして、山喜リハ隊員たちに告げた。
「コスモホーク!、
私のコスモホークは、特殊弾頭、発射シーケンスに入る」
「ラジャー」
しかし、その時、シャドウマンタが突進してきた。だが、山桐の操縦技術も一級だった。
「おっと!」
コスモホークをくるりとさかさまにし、シャドウマンタをかわしつつ、さらに上空に飛んだ。
小林の悲鳴とともに、山桐は叫んだ
「WEF-Japanはじめ、各国のWEF諸君。
再び私のコスモホークは、特殊弾頭、発射シーケンスに入る!
yみんな、上空に上がれ!」
「はい!」
瑠璃はコスモホークの操縦桿を握りしめ、ファイターマンに叫ぶ
「ファイターマン、上に高く上がって!」
ファイターマンは、瑠璃のコスモホークとともに、高く飛びながら聞く
「一体、何が始まるんですか?」
「ヒトクイや、ヒトデナシなどの宇宙生物から、細胞を取って研究した、細胞を消滅させる武器よ」
「えヒトクイが現れたのは今年の春ですよ、そんなに早くできるのですか!?」
「もちろん、まだ研究中よ。極秘秘密に京元参謀の指令で、勧められていたの。宮坂隊員も開発メンバーの一人だわ。」
「知らなかった……。ルリさんのスマフォのメールにはそのことに関する内容のものはなかったですが」
「何ぃ!だから読むなって!そもそも秘密厳守のため、私たちの端末でやりとりはしないわよ。それに、生物の殺処分兵器だし、、おいそれと口に出来ないわ」
「なんか……今まで一緒にいたのに……さみしいっす」
「あのねぇ……」
そうこうしているうちに、山桐隊長のコスモホークから、一本の細長いミサイルが発射された。
「みさいる、アトポーシスX発射」
それは、通常のミサイルとは異なり、淡い青白い光を放っていた。
シャドウマンタたちは、その異様な光景に戸惑ったかのように、一瞬動きを止める。
宇宙愚連隊の操縦士たちも、何が起こっているのか理解できない様子だ。
「なんだ、あれは!?」
特殊弾頭アトポーシスXは、シャドウマンタの群れの中心へと吸い寄せられるように進んでいく。
そして、目標に到達する寸前、それは閃光と共に爆発した。
凄まじい爆発音が響き渡り、夜空を白く染め上げる。
しかし、それは単なる爆発ではなかった。
爆発の中心から、無数の光の粒子が広がり、シャドウマンタたちを包み込んでいく。
シャドウマンタたちの、苦しげな雄たけびが響き渡る。
瑠璃が言ったように、特殊弾頭アトポーシスXに含まれていたのは、宇宙生物の肉体を分解し、無力化する効果を持っていた。
禍々しい光を放っていたシャドウマンタたちは、次々とその形を崩し、光の粒子となって夜空に消えていく。
まるで、夜空に浮かんでいた悪夢が、朝の光と共に消え去るかのように。
「やった…やったぞ!」
川中が歓喜の声を上げる。
航空自衛隊のパイロットたちも、信じられないといった表情で、消えゆくシャドウマンタを見つめていた。
ファイターマンも、その光景に静かに見入っていた。
信濃町の空に、静寂が戻りつつあった。
しかし、その静寂は、破壊された街の悲鳴と、失われた命の重さを際立たせるかのようだった。
瑠璃は、コスモホークの操縦桿をそっと離し、窓の外に広がる惨状を見つめた。
破壊された慶應義塾大学病院、炎上した街並み、そして、瓦礫の中に横たわる無数の命。
「…まだ、やるべきことは、たくさんある…」
彼女の決意は、夜空に消えていくシャドウマンタの残像と共に、さらに固く、強く、なっていた。
瑠璃はいつの間にか、WEF-Japanの隊員として、精神的にも成長していた。




