61/66
61
そのころ、病院の外の喫煙所で、山桐と川中はタバコを吸っていた。遠くの壁によりかかっている佐内が睨んでいた。WEF-Japanでも喫煙者の立場は狭いようだ。
少し離れて、近田、本郷、瑠璃が花壇の脇のベンチで談笑している。隊員たちは皆、私服姿だった。
その時、川中のスマートフォンが着信を知らせ、川中は応答して電話を切った。
「隊長、小池首相が、憲法九条の改正、アメリカの51番目の州になることを撤回したそうです。
今、秘書官から電話がありました。」
山桐は顔をほころばせ
「ほぉ、そうか、それはよかった。」
sその時、山桐のスマフォに着信があった。発信者名を見るとWEF-Japan基地内で、今回の小池母娘の立体ホログラムによる対面の伝播を調整している宮坂からだった。
「どうした、宮坂君」
「隊長、おかしいです。電波が乱れてます。」
「なんだって?」
山桐は、特別室のある最上階の方を眺めた。
「え!?」
外にいたWEF-Japanのメンバーも、そのしぐさにつられ、上を向いた。
「えー!?」
そこには音もなく、シャドウマンタが数匹、浮いていた。
第6部 終わり




