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超人ファイターマン  作者: 小泉たかし
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その後、隊員たちは2か月ほど日本国中をパトロールするが、何も事件は起きず、怪しい人物も見つからなかった。


瑠璃は若者の集う渋谷にいた。ワイヤレスイヤホンAirPodsをしながら、人込みを歩き回っている瑠璃の耳に、東峰からの着信があった。

「おい、瑠璃、最近、会ってないね。

今日は日曜日だよ。

忙しいの?」

「うん、ごめん、まだちょっとね?」

「ふーん、瑠璃って、本当に自衛隊なの?」

「そ、そうよ、当たり前じゃない。

こうして日曜日に出勤したら代休もらえるから、ちょっと待ってて」

「ふぅーん、わかった……」


東峰が通話を切ると、ファイターマンが瑠璃に話しかけてきた。

「あらら、かわいそうですねぇ。東峰君」

瑠璃は少しいらっとしてファイターマンに言う。

「何よ、そもそも宇宙連邦から変なメッセージを送ってくるからじゃないのよ。

まあったく、何も起きないし、平和そのもの。

私たち隊員は日本中のあちこちで遊んでいるみたいに見えるじゃないのよ!」

ファイターマンは言う。

「まあ、平和ならいいじゃないですか?」

「そもそも本当に極悪宇宙人、来ているの?」

「は、何を言うんですか?

本当です」

「ほんとおお?」

「本当ですよ」

「そもそもあなた私のスマホの中にいるのを他人に言わないでくれというのがおかしいじゃない?

あなたがその極悪宇宙人なんじゃないの?」

「怒りますよ!」

「ははは、ごめんごめん」

一人でしゃべって笑っているようにしか見えない瑠璃に、周りの人は奇妙なものを見るような目を向けている。

その視線に気づいた瑠璃は、

「あ、あぁ、ちょっと生成AIの調子が悪くて……へへ」

と、取り繕っていると、スマホが着信を告げた。


宮坂からの隊員グループLINEだった。

そこには、これからトランポリン大統領が緊急事態宣言を発令するらしい、とのこと。

瑠璃は早速、アメリカの衛星放送に切り替えた。

すると突然、ファイターマンの顔が邪魔してきた。

「一体、何が始まるんでしょうね」

「わっ!、ちょっと!

、邪魔よ!」


改めてアメリカの放送に切り替えると、トランポリン大統領が話し始めた。

「私の仲間のアメリカ国民の皆さん、今夜、私は皆さんに重要な発表をしたいと思います。

実は、宇宙連邦という、地球全体の平和を守る組織があり、そこから我が地球に対して平和条約を結ばないかという要請があるのです。

実は我々の国連には、国連地球防衛軍WEFという組織があり、国連議長とも話し合い、受けることにした」

それを受けていた小池さなえ首相は、左手の小指をさすりながらにこにこと聞いていた。


瑠璃は吃驚した。

「え!?

私たち日本支部には何の連絡もなかったわよ」

基地では山桐が口をあんぐりしていた。

しかし、次の言葉に小池首相や世界中の人々はびっくり仰天する。

「そして、このたび宇宙連邦から友好のしるしとして、かわいい動物が送られてくる。

ただ、その動物はかなり巨大で食欲も凄いのです。

さらに、エサは我々人間なのです。

そこで、私は考えた。

なまけ癖や、やる気のない者、何をやってもダメな者、そんな遺伝子を持つものだけを食べてもらうことにした。

もちろん、この動物に食べられる方々は、いわゆる『世界平和のための尊い犠牲』と呼び、敬うことにする」

それを聞いていたアメリカ国民は大パニックに陥る。

「なんだってー!」

「オーマイゴッゴ!」

巨大な彫刻のようなニューヨークの、マンハッタンの街並みで、人々はスマートフォンやタイムズスクエアの巨大なスクリーンを見て、驚愕していた。


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