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東京新宿区信濃町にある慶應義塾大学病院は、よく政府の要人が入院することで知られている。
明治初期の医学教育の礎を築いた福澤諭吉の精神を受け継ぎ、以来、日本の医療と教育の発展に貢献してきた歴史を持つ。
緑豊かな木々に囲まれた広大な敷地は、都会の喧騒を忘れさせる静寂に包まれていた。白亜の近代的な建物が連なり、その威容は訪れる者に安心感を与える。病院の周辺には、落ち着いた雰囲気の住宅街が広がり、古い寺院や緑豊かな公園も点在している。散歩する人々の穏やかな表情や、子供たちの楽しそうな声が、この地の平和な日常を物語っていた。
今も、日本の総理大臣小池さなえが特別室に入院していた。
タンバル成人ダマリナの毒素が体中に回り、体の石灰化が進んでいるのだ。
しかし、WEF-Japanがジャミラン星から持ち帰った薬剤を投与して集中的に治療しようというのだ。
しかも今夜は、ジャミラン星の妃となった百合と、立体ホログラムで対面するというお膳立てがあり、WEF-Japanが小池の特別病室にその装備の準備をしていた。小池がベッドから上半身を何とか起こし、WEF-Japanの面々にお礼を言った。
「この度は色々ありがとうございます。」
隊長の山桐が振り向いて受け答えようとすると、川中が真っ先に喋った。
「はい!
小池首相。
こんなこと、なんでもありません。
私たちが百合様を連れて帰って来られなかったので、せめてのお詫びでございます。」
小池は首を振った。
「いえいえ、百合の幸せをサポートしてくださったのですから、むしろお礼を言わないとなりませんわ。
しかも治療薬まで持ってきてくださって。」
川中は続けた。
「今回の立体ホログラムは微妙に風を当て、あたかも触れ合っているような感覚が味わえるのです。」
「どいて」
ホログラム設備の一部が置かれる場所に立って喋っていた川中を佐内がどんと押し、川中はふっとんだ
小池はぷっと噴き出した。
設置、準備が終わると、隊長の山桐が小池に言った。
「では、首相、ごゆっくり娘さんとの時間をお過ごしください。
私たちは出ておりますので。」
「あら、いいのよ、ここにいて。」
「いえいえ、私たちがいては邪魔ですから。さわやかな秋の夜風でも楽しんでおります。終わったらスマフォに連絡ください。」
小池は顔をなごませ「そうですか。
分かりました。」




