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地球に戻る途中の宇宙船コスモライナー。
今はゆっくり宇宙空間を進んでいる。いくらワープ航法を実現できたとしても、10万光年を一気に飛ぶことはパワーが足りないのだ。
こうして、休み休みワープを繰り返し、地球に戻るのである。
瑠璃はコスモライナーの中で、あてがわれた自分の部屋でくつろぎながら、充電中のスマートフォンに向かって語りかけた。
「ね、ファイターマン」
返答はない。
「ね!
ファイターマンってば!」
「わ、はいはい、なんでしょうか?
今、充電中なんですが……」
「充電中って、あなた、スマフォそのものじゃないでしょうに。」
ファイターマンは少し、不満そうな声で答えた。
「あんなに戦って働いたじゃないですか?」
「それはWEF-Japanの隊員も同じことよ。
ところで、ちょっと疑問があるの?」
ファイターマンは少し緊張して聞き返した。
「な、なんですか?」
瑠璃はベッドに腰かけて聞いた。
「ジャミラン星が前にタンバル星人を中心にした宇宙愚連隊に攻撃を受けた時には宇宙連邦が助けに来た、と百合さんは言っていたけど、それならなぜ、ウダンボ星人らによる住民のガマガエル化には無関心だったのかしら……。」
「あ、それは私も思いまして、今、問い合わせ中なのですが、たぶん私の推測では、宇宙連邦の監視網は、個別の星の住民が『変質』する現象は、その監視対象から外れていたためじゃないかなと思います。」
「え?」
「ジャミラン星の場合、住民がガマガエルへと姿を変えていくという現象は、連邦の監視システムにとっては『個別の星の住民の形態変化』と捉えられ、緊急性の低い、あるいは観測範囲外の事象として処理されてしまった可能性があります。」
瑠璃はあきれた表情をした。
「そんな……ガマガエルとして殺された人々は浮かばれないわ……。
それにそもそも侵略行為だわよね?」
スマフォの中で、ファイターマンは困ったように首をかしげ、腕を組んで言った。
「地球よりはるかに進んだ科学力を持っていたウダンボ星人がクロスボウという原始的な武器を使っているのが、単なる生きるための狩猟と捉えられたのかもしれません。」
瑠璃はため息をついた。
さらにファイターマンは続けた。
「もちろん、それは宇宙連邦のまだ完璧ではないということです。
実際、地球に来るのも遅れているし……」
瑠璃は肩を落としてつぶやいた。
「完璧ではない……、そうよねぇ、こんなスマートフォンの中でくつろぐような宇宙警官を一人だけ派遣するんだものねぇ。」
「ルリさん、何か言いましたか?」
「あ、いえ、なんでもないわ、ちょっと着替えるから電源切るわね。」
「え!
あ、そっちで呼んでおいて、あー」
瑠璃はスマフォの横にあるボタンを長押しして、電源を切った。




