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WEF-Japan作戦本部の、中央に配置された大きな円卓を囲み、隊員たちは、向かい合っていた。
隊長の山桐剛士は面々に聞く。
「小池首相の娘さんを救出に行く件だが……」
副隊長の川中龍斗はすかさず言う。
「隊長、会議をする必要がありますか?
実行に決まっているじゃないですか!」
山桐は
「副隊長、今まで実際に見るまでは宇宙人がいることを認めず、失礼だが、どちらかと言うと、WEF-Japanの活動に積極的ではなかったようだが、今回はどうした。」
川中は口から唾を飛ばして言う。
「何をおっしゃるんですか!
小池首相がですよ!
こうして直に頼んで来たのですよ。
行かないわけには!」
佐内由美恵は冷たい視線で言い返す。
「副隊長、あなたも行くんですよ。
わかってます?
何もしないで出世しようと思ってないでしょうね?」
川中は驚いて
「え?」
「え?じゃないわよ。」
佐内があきれる。
川中は当惑したまま
「いや、それはおかしいじゃないか。
幹部が行くのは……」
山桐は,、毅然として命令した。
「川中副隊長、隊員とともに同行してくれ。
そして、隊員たちの心の支えになってくれたまえ。」
川中はしぶしぶという表情で
「……わかりました。
では、隊長はどうされるのですか?」
山桐はため息をつきながら言う。
「私は皆の全体像を見守り、適切な指示を出すために宮坂隊員と、ここに残るが、副隊長が行けないのなら、私は行きますよ。」
「え?
そ、そうですか。
では」
川中は慌てて言う。すると、山桐は口端を上げて言う。
だが、小池首相には、印象がなくなるぞ」
「な、何をおっしゃるのですか!
別に私は小池首相に取り入るためにやっているわけではないですよ。
いやだなぁ、ははは。
大丈夫ですよ、そんな事とは関係なしに、出動します。
よ、はい。」
そこでタイミングを待っていたように近田が発言する。
「だけど、ほんまにワープ航法って、大丈夫や老化……」
宮坂は、きっぱりと言う。
「過去にWEF立ち上げ準備の際に冥王星までワープできましたし、先日、民間のスペースXYZ社がワープ航法で30光年先の宇宙まで行って帰ってきたという情報があります。」
ワープとは、簡単に言うと「空間を飛び越えて、一瞬で別の場所に移動する技術」である。宇宙はとても広大で、光の速さで移動しても、何年も、何十年もかかってしまう。
しかし、宇宙空間は、膨大な出力を利用すると、実はゴムシートのように伸び縮みしたり、折りたたんだりできるのである。ワープは、このゴムシートを折りたたんで、遠く離れた2点(出発地点と目的地)をくっつけてしまうような技術で、本来は遠い距離も、折りたたまれた空間を通れば一瞬で移動できるのである。
ただし、 ワープには膨大なエネルギーが必要だったり、空間を歪ませたり折りたたんだりするため、予期せぬ事故や危険が伴うことも考えられ、ほぼ実用レベルには開発は済んでいるが、一般には公表してない。
近田は不安だが、それを打ち消すように頭を振った。
「そうやったなぁ。
しかし、スペースXYZの目的は何やったんやろうな。」
宮坂は「現在、調査中です。
地球に戻ってた時に宇宙船の後ろに何か、コンテナらしき物が連結されていたという目撃があります。」
本郷はしかめっ面をして
「なんだか嫌な感じですね。
あの会社は先日のニューヨークで爆破された宇宙生物の破片を一生懸命回収していたと言うし……」
宮坂は、はっと思い出したような顔をして「あ、それについては先ほど、理由が判明しました。
どうやらあの宇宙生物の体にはレアメタル成分が溶け込んでいるようで、その回収が目的だったようです。」
メンバーは驚く。
「なんやて」「そんな!」
宮坂はすかさず「マックス氏がトランポリン大統領から独占的に許可を与えられたようです。」
佐内はため息をする。
「はぁ……なんでも商売ねぇ。」
本郷ははっとして
「まさか……30光年先の宇宙まで行ったというのは……」
その時、緊急放送が流れる。
「イタリアの上空に未確認飛行物体が多数出現!」




