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「トランポリン耐糖量、絶対おかしいわ。」
竜球が粉々になって、海に散ってから数日後、ヒトクイによって破壊された残骸が痛々しく残るニューヨークの町の中でかろうじて残っている国連本部の地下にあるWEF本部。
WEF本部長を兼ねる国連事務総長ポール・シモンズに、日本から来ているWEF-Japan隊長の山桐と隊員である佐内が直談判していた。
「ポール本部長、この佐内隊員単独で、トランポリン大統領を調査させてほしいのです。」
ポールは眉をひそめてわかっているくせに答える。
「何を調査するのだね?
トランポリン大統領の言動がおかしいというのかね?」
佐内はあきれたように言い返す。
「当り前じゃないですか?あきらかにトランポリン大統領の言動はおかしいでしょう?
それに、宇宙生物が宇宙連邦からの贈り物だなんて、そんな馬鹿な話がありますか。
あの竜球は、故郷に帰りたがっていたように見えました。」
山桐が佐内の言葉を補足する。
「佐内隊員の言う通りです。
トランポリン大統領の指示は、一貫して不可解なものばかりでした。
前の国連事務総長が、殺されていたころから完全におかしいです。
特にフランスや、北京の宇宙生物を攻撃せず、アメリカに連れてこいと言うのは、めちゃくちゃで、我々としても看過できません。」
ポールは腕を組み、深く考え込む。
「……確かに、トランポリン大統領の行動には、いくつか疑問点が残る。
しかし、アメリカ合衆国大統領という立場にある人物を、単独で調査するというのは、極めてデリケートな問題だ。
WEFとして、正式な手続きを踏む必要がある。」
佐内は食い下がる。
「正式な手続きを踏む時間はありません!
あの男は、我々が知らないところで、何か恐ろしい計画を進めている可能性があります。
このままでは、地球全体が危険に晒されるかもしれません。」
山桐も同意する。
「WEF-Japanの宮原隊員があらゆるデータを分析して、もしかしたら人間じゃないかもしれないと、言っているんです。」
ポールは驚く
「なんだって?」
宮原隊員の分析能力は、我々も認めるところです。
そして、抜群の運動能力と機敏さを備えているのが佐内隊員です。
どうか、この件について、彼女に任せていただけないでしょうか。
万が一、何か問題があれば、私が責任を取ります。」
ポールは、二人の真剣な表情を見て、しばらく沈黙した。そして、ゆっくりと口を開く。
「……分かった。
もちろん、私もトランポリン耐糖量がおかしいとは思っている。だが、条件がある。
君は単独で行動するが、常に我々と連絡を取り合い、一切の独断行動は許さない。
そして、もし何か危険な兆候が見られた場合は、直ちに撤退すること。
いいな?」
佐内は、満面の笑みで頷いた。
「ありがとうございます、ポール本部長!
必ず、トランポリン大統領の秘密を暴いてみせます!」
山桐も、安堵の表情を浮かべた。
「ありがとうございます。
佐内隊員、くれぐれも無理はするなよ。」
「はい、隊長!」
こうして、佐内隊員は、単独でアメリカ合衆国大統領、トランポリンの秘密に迫るべく、ニューヨークの街を後にした。




