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国会が怒号と混乱に包まれ、小池首相の“アメリカ合衆国の一州化”発言が議場を揺るがした直後。国民中道党は、急きょ国会内の記者会見室に集まり、緊急会見を開いた。
会見室は、報道陣で埋め尽くされていた。フラッシュが乱れ飛び、テレビ局のクルーが慌ただしく機材を調整している。その空気は、まるで国家の命運が揺らいでいる瞬間そのものだった。
壇上に現れたのは、野党第一党国民中道党の党首、山名雄一郎。先ほどまで国会で怒鳴り合っていたとは思えないほど、顔色は蒼白だった。
マイクの前に立つと、山名は深く息を吸い、震える声で語り始めた。
「……皆様、ただいま国会で前代未聞の事態が発生しました。」
記者たちが一斉に身を乗り出す。
「総理大臣・小池早苗氏は、国会答弁の中で日本がアメリカ合衆国の一つの州となる可能性を“合理的な選択肢”と述べました。」
会見室がざわめく。山名は続ける。
「これは、国家の主権に関わる重大発言です。
しかも、中国で宇宙生物が暴れている最中に、国会でこのような発言が飛び出した。
我々は、総理の判断能力と国家観に重大な疑念を抱かざるを得ません。」
記者の一人が手を挙げる。毎朝新聞記者の小林だった
「総理は本気で日本をアメリカの州にするつもりだとお考えですか?」
山名は苦い表情で答えた。
「本気かどうかではありません。
“選択肢としてあり得る”と総理自身が述べたのです。
これは、もはや言い間違いでは済まされません。」
別の記者が続ける。
「野党として、どのような対応を取るおつもりですか?」
山名は、強い口調で言い切った。
「我々は、総理の発言の真意を徹底的に追及します。
必要であれば、内閣不信任案の提出も視野に入れています。」
会見室がざわつき、さらに別の記者が言う。
「内閣不信任案の提出なんて……。巨大与党に対して意味ないじゃないですか!?」
山名はそれには答えず続けた。
「中国で宇宙生物が暴れ、世界が混乱している今こそ、政府は冷静であるべきです。
しかし総理は、国家の根幹を揺るがす発言を平然と行った。
これは危機対応ではなく、暴走です。」
小林がさらに質問する。
「総理は“より強大な枠組みの中に身を置くべき”とも発言しましたが、これは軍事同盟の強化を意味するのでしょうか?」
山名は首を振った。
「その点も含めて、総理の意図は不明瞭です。
しかし、国会での発言はあまりに踏み込みすぎている。
我々は、総理が何を考えているのか、国民に明らかにさせなければなりません。」
最後に山名は、強い決意を込めて言った。
「我々野党は、国民の主権と国家の独立を守るため、全力で行動します。
総理の暴走を、絶対に見過ごすわけにはいきません。」
その言葉が響いた瞬間、会見室はフラッシュの嵐に包まれた。




