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まるで、日本という国そのものが、いま大きな岐路に立たされているかのように。国会が怒号と混乱に包まれ、議場がほぼ崩壊しかけた直後。小池は、秘書官に囲まれながら議事堂の裏口へと急いだ。
そのまま、地下の小さな会議室へと入る。そこには、首相側近の数名がすでに待っていた。
「総理……あれは、さすがに言いすぎでは……」
側近の一人が恐る恐る口を開く。
小池首相は、椅子に腰を下ろし、ゆっくりと水を飲んだ。そして、静かに、しかし確信に満ちた声で言った。
「言いすぎ? いいえ、むしろ言わなければならなかった、なのよ。」
側近たちは息を呑む。
「中国で宇宙生物が暴れ、パリもニューヨークも壊滅寸前。
もはや“国家”という枠組みそのものが限界に来ている。
日本単独で生き残れると思う?」
誰も答えられない。小池は続けた。
「国民はまだ気づいていない。
でも、世界はもう“国家連合”の時代に入っている。
アメリカの一州になるという選択肢は、むしろ合理的なのよ。」
側近の一人が震える声で言う。
「しかし……宇宙からの侵略に対抗して国家連合はわかりますが、アメリカの一州になるのは唐突です。国民の反発は必至です。」
小池は、薄く笑った。
「反発? 混乱? いいじゃない。
混乱は“改革の前兆”よ。」
その笑みは、どこか冷たく、そして恐ろしいほど自信に満ちていた。




