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「ヒトデナシ」の粘液攻撃と、WEF-USAの無慈悲な攻撃に挟まれ、ファイターマンは絶体絶命のピンチに陥っていた。
ボディアーマーは傷つき、シールドはひび割れ、その巨体は徐々に追い詰められていく。
「くそっ…!
このままでは…!」
ファイターマンが歯を食いしばる。
その時、彼の耳に、微かな、しかし力強い声が届いた。
「ファイターマン!
諦めないで!ファイトよ」
それは、瑠璃の声だった。
彼女のコスモホークが、驚異的な機動で「ヒトデナシ」の攻撃を掻い潜り、ファイターマンの傍らに迫る。
瑠璃の、そんな危険極まりない運転に、本郷も佐内も息を飲む。
「瑠璃さん…!」
ファイターマンも戸惑う。
「今よ!
私の運転についてきて!」
瑠璃の声に呼応するように、コスモホークのエンジンが唸りを上げる。彼女の操縦は、もはや人間の限界を超えていた。
まるで、機体と一体化したかのように、滑らかで、しかし爆発的な加速を繰り返す。
「うおおおおおお!」
瑠璃は、コスモホークを「ヒトデナシ」の巨大な腕の間を縫うように、まるで紙一重で回避しながら、ファイターマンの周囲を旋回する。
その動きは、まるで熟練のダンサーが音楽に合わせて舞うかのようだ。
しかし、そのダンスは、死と隣り合わせの、極限の集中力によって成り立っていた。
「あれは…!神業だ!」
フランスのマカロン大統領は、モニターの前で息を呑む。
他のWEFのパイロットたちも、その超人的な運転に目を奪われていた。
瑠璃は、コスモホークの機銃を「ヒトデナシ」の弱点と思われる箇所に集中砲火を浴びせる。しかし、その皮膚は想像以上に硬く、効果は限定的だ。
「だめだわ!
このままじゃ…!」
焦りが瑠璃の心をよぎる。
その時、彼女の脳裏に、ある考えが閃いた。
「ファイターマン!
あなたの必殺技は、その腕についているランチャーからの光線よね。
「はい、そうです。ただ、硬い皮膚には効かないかもしれません」
「なら、私が道を作ります!あの怪物の体の真ん中にある口を狙って!」
瑠璃は、コスモホークを急降下させ、「ヒトデナシ」の巨大な腕の隙間に滑り込む。
そして、その巨体の真下で、急激な上昇旋回を開始した。
「うおおおおお!
コスモホークは、まるで巨大な鞭のようにしなり、その軌跡は「ヒトデナシ」の巨体を巧みに掻い潜る。
瑠璃は、自身の身体能力の限界を超え、コスモホークを操る。汗が滝のように流れ落ち、視界がかすむ。
しかし、彼女の瞳には、ファイターマンを勝利に導くという強い決意だけが宿っていた。
ヒトデナシは急上昇した瑠璃のコスモホークを追って伸びあがり、体の前が無防備になる。
今世!!
ファイターマン!」
ファイターマンは、瑠璃の超人的な運転によって生まれた、一瞬の隙間を見逃さなかった。
瑠璃の声を聴き、すかさずファイターマンは、拳をヒトデナシに突き出すと、前腕に装着されたアームランチャーから鮮烈な赤い殺傷ビームが発射された。
「これがお前の最期だ!
ヒトデナシ!」
ファイターマンのアームランチャーから放たれた赤い殺傷ビームは、ヒトデナシの体の中心部にある大きな口へと一直線に突き進む。
ヒトデナシは、一瞬、動きを止めた。
Franceの人々やWEFのパイロット経ち、モニターを見ているトランポリンやマカロン、世界の目は釘付けになる。やがて、ヒトデナシは、ゆっくりと、がれきの中に倒れていく。
ドガーン!
景色がかすむほどの土煙の中で、人々の喝さいが沸き起こる。
傷だらけのファイターマンは、やがて消えていく。
アメリカ大統領の、トランポリンは怒り狂う
「くぅ、またもあいつめ!」
第二部 終わり




