14
日本の首相の、小池さなへは、閣僚会議の後、足をひきずりながら、首相官邸を歩いていた。
先日のアメリカでの宇宙生物や巨人の出現、WEFの登場など、世界が混乱している中で、対応に大わらわなのだ。もちろん、小池の周囲には、数名のSPが壁のように立ち塞がり、秘書官が緊密に付き従っている。
しかし、その一瞬、SPの視線がわずかに逸れたのを毎朝新聞の記者である小林は見逃さなかった。小林は、そのほんのわずかな隙間を狙って駆け寄った。
「首相、どうされたんですか?
その歩き方、何かおつらいのですか?」
「ご心配、ありがとうございます。
最近の激務で、少し疲れが溜まっているだけですわ。」
突然の記者からの呼びかけに、小池は一瞬、驚いたような顔をしたが、すぐににこやかな表情になり答えた。
しかし、SP達はどよめく。
「おい!君!困るよ」
しかし、小林はそんなSP達を無視してさらに声かける。
「大丈夫ですか?少しお休みになられては?」
「いえいえ、私は国民のために、働いて、働いて、働いて、働きまくるのがモットーですから。」
しかし、小林は、さらに踏み込んだ質問をした。
「ところで、先日のニューヨークに出現した化け物の件ですが、それを攻撃する部隊、いや、軍隊が既に存在していたことに驚きました。
WEFと、言うんですかね。?。
首相は、当然ご存知だったんですよね?
しかも、化け物を攻撃していた戦闘機の中に、さりげなく日本国旗がペイントされているのを見つけたのですが、あれは日本製ですか?
日本は、あのような、いわゆる武器を作っていたのですか?
そもそもWEFには自衛隊が参加しているのですか?
武器輸出を、勝手に決めたと思ったら、実はすでに、自衛隊の海外派遣も勝手に決めちゃったのですか?
化け物に向かっている戦闘機が自衛隊機になっているフェイク動画も出回ってますよ!」
と、矢継ぎ早の質問に小池首相の顔色が一変し、表情がこわばった。
「その件に関しては、近いうちにお話ししますと、報道機関を通じて連絡しているはずです。」
と、言い、小池はもたつく足取りでその場を離れようとする。
「ちょっと待ってください!首相!」
すると小林の周りをSPが取り囲む。
「ちょっと、どいてくれよ!」
小林とSPが、もみ合っているうちに、小池は執務室に逃げ込む。
そして、ため息をつき、つぶやく……
「ふぅ……、百合……」
と、遠くを見るような目をし、足をさする。
その小池の身体はダマリナの毒素で、石灰化が進んでいるのだ。当初は手の小指のぎこちなさ家兎思ったが、だんだんと足の動きが鈍くなってきた。リウマチ家兎思って、医療機関を受診したが、RA因子も正常だし、朝にこわばりがひどいというわけではなく、日中、動きが悪く、何より、白く、硬くなっているのである。




