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ここはアメリカ大統領執務室、通称オーバルオフィス。ドアを開けると、深みのあるマホガニー材で造られた、巨大な執務机「レゾリュート・デスク」が、目に飛び込んでくる。その表面は、磨き上げられ、デスクの背後には、アメリカ合衆国の国旗と大統領旗が、威厳をもって揺らめいている。部屋の壁は、落ち着いた色合いの木材で覆われ、その上部には、アメリカの歴史を彩る偉人たちの肖像画が、静かにこちらを見下ろしている。壁の一部には、重厚なカーテンが掛けられた大きな窓があり、そこからはワシントンD.C.の街並みが広がる。
部屋の中央には、アメリカの象徴である星条旗を模した、深紅のカーペットが敷き詰められている。トランポリン大統領は、このオーバルオフィスという名の椅子に座りながら、いらいらしていた。そこに、おどおどした秘書に連れられて一人の男が入ってきた。
その男は大金持ちで、スペースXYZというSNSの大企業の創始者であるスティーブ・マックスだった。彼は、無駄な装飾を一切排した、無骨で、それでいて研ぎ澄まされた肉体をしていた。しかし、それは鍛え上げられたアスリートのそれとは少し違うものだった。顔立ちは、彫りが深く、鋭い眼差しをしていた。髪は、短く刈り込まれ、黒髪で、服装は、極めてシンプルで、黒いTシャツに、ジーンズを履いていた。
マックスがトランポリンに挨拶をする。
「久しぶりです。大統領」
トランポリンはけげんそうな顔をして
「ん?誰だったか?」
かっては民間人として閣僚に抜擢されたことのあるマックスはいぶかったが、それを表情には出さず
「お忘れですか?マックスですよ。」
「あ、あぁ……、そうだったな」
取り繕うトランポリンにマックスは重ねて言う
「あの謎の巨人に粉砕された宇宙生物ですが……」
「何!あのかわいい私の、いや、アメリカのペットを宇宙生物だと!」
突然、激高するトランポリンに、マックスはのけぞりながら
「失礼しました。あのペットちゃんの……」
マックスが話している途中でトランポリンは顔をゆがめる。
「ううう、あのかわいいペットを……くそぉ、あの宇宙警官め……」
マックスはなだめるように
「心中、お察しいたします。
つきましてはあらためて、ペットを宇宙連邦に要望したらいかがでしょうか?」
トランポリンははっとした顔尾をして
「あらためてペットを……、そうかぁそうだな」
と、まるで、マックスの事など忘れてしまったかのように、突然、トランポリンは黙り込む。
「そこで、大統領、あの、大統領」
「ん?、あ、まだいたのか。何の用だ?」
「その、ペットちゃんの残骸ですが、私どもの会社で回収してもよろしいですか?」
「ん?、あぁ、好きにしろ。
そうかぁ、別のペット窩」
大統領執務室を、秘書とともに、出ていくマックスは、秘書に聞く。
「何だあの大統領は?なんだか別人みたいだな。
私の事など忘れていたようだ」
秘書はびくびくしながら答える。
「いや、別に、今までの大統領ですよ。」
「うぅーん、そうか……。
まぁ、いいや、あのペッ……いや、宇宙生物の残材を集める許可を頂いたので良しと至陽」
「は、はい、そうですね。」
「しかし、秘書の君は何をそんなんにおびえているのだね?」
「は、す、すみません」
マックスはどうも違和感を覚えながら帰っていった。




