三度目の正直
ディザリアさんの魔法に巻き込まれて倒れた勇者様は、女神様の治療により復活した。
道を進んで円筒状の広場に着くと、グレムリンを発見する。
ハッとした僕は、ディザリアさんの口を押さえた。
その間に仲間が戦いを始めるが、空を飛ぶグレムリンと戦うのはキツイらしい。
だから女神様が竜巻を起こし、グレムリンを叩き落すのだが、なんか危険かもしれないと思っていた僕は逃げ出していた。
フリーになってしまったディザリアさんは、女神様に対抗して更にでっかい竜巻をつくり出した。
その為に勇者様は高く飛び上がり、地面に激突してしまう。
無事に天丼を終えて、女神様に治療して貰って復活した。
「ディザリアさん、魔法を使ってもいいですが、出来れば使う前に教えてください。多少俺の気持ちに余裕ができますから」
勇者様はディザリアさんを説得している。
「アーッハッハッハ! 私はパッションで生きていますから不可能ですわ! 私のために甘んじて身を捧げなさいな。アーッハッハッハ!」
でもやっぱり聞く気はないらしい。
「そうですか、これも愛のためなら仕方ないですね」
なぜそこで納得できるのか分からないけど、勇者様的にはありなのだろう。
グレムリンは魔法の巻き添えで倒れているし、もうここに居る理由はない。
邪悪妖精クイーンを捜さなければ、また魔物が増えてしまうだろう。
「はぁ、別の道に行きましょうか」
呆れたファラさんが声をかけ。
「うん、いこー!」
女神様が元気に返事をした。
また僕が地図を見て進んで行くのだけど、道は三方に分岐している。
一つは入り口に戻る道で、後二つが行っていない道だ。
「うーんとー、どっちにいくのー?」
先頭に居るシャイリーンさんが分岐路に立ち、僕に尋ねている。
地図を見ると、道が細かく分岐しているが、最終的には合流して広場に出るようだ。
たぶんさっきと同じような場所だろう。
「じゃあ右に行ってみましょうか」
で、道を進みだした僕達は、頻繁に出て来るゴブリンなんかよりディザリアさんに恐怖を覚え、稀に直撃して女神様に癒されている。
「このままでは僕達の命が危ういです。もういっそ縛ってしまいましょうか」
だから僕は、ディザリアさんを縛っておこうという結論に至った。
「まっ、それが妥当かしらね」
僕とファラさんはロープを持ってディザリアさんに迫る。
「クッ、いい様にはさせませんわよ!」
ディザリアさんも反撃しようとしているが、二人なら魔法を使われる前に捕らえるぐらいは余裕だろう。
だが縛りあげる前に。
「待ってください!」
勇者様は僕達の前に立ちはだかった。
愛する者のために必死になるのはいいが、時と場合を考えて欲しい。
「俺、ディザリアさんを護りたい。だから、縛るのなら俺にやらせてくれ!」
なんか思ったのとは違う答えが来てビックリしたけど。
「……ああ、はい」
目的は果たせるからと、僕は持っていたロープを手渡した。
「ごめんなさいディザリアさん、俺、ディザリアさんのことは好きだけど、他の仲間も大事なんだ! だから、大人しく縛られてください!」
勇者様は良い事を言ってる風だけど、その顔に信念は見られない。
「ちょっと、どこを触ってますか! あとで吹き飛ばしますわよ!」
嫌がるディザリアさんに。
「の、望むところです! むしろドーンと来てください!」
いやらしい手つきでロープを使い、ディザリアさんを縛りあげた。
「むううううううううう!」
妙に胸が強調された縛り方だけど、やはり勇者様の趣味なのだろうか?
まあこれで安心できると、僕はロープの端を持って移動し始める。
まれにディザリアさんに蹴られたりするけど、そのぐらいなら可愛いものだ。
地図を見ながら一つ一つ道を潰し、魔物を退治しながら進むと。
「あー、見えたよー」
先頭を歩いていたシャイリーンさんが、地図にあった広場を発見した。
「よし、行くぞ皆!」
勇者様が声をかけ。
「おー!」
女神様が元気に返事をしている。
なんか今にも走り出しそうだ。
「行くのはいいけど、岩陰や上にも注意しなさいよね」
そんな二人にファラさんが注意している。
「ああ、分かっているさ!」
でも勇者様は光輝く広場に目がいっている。
広場に入った瞬間上から襲撃されてしまうなんてこともあるし、一つに集中するのはあまりよくはない。
でもシャイリーンさんが先頭を歩く限り、滅多なことにはならないはずだ。
僕達も注意しながら進み、広場の入り口。
安全のために先に入ったシャイリーンさんが、足を止めて防御の構えをとった。
「すごく多いー、私が引きつけるねー」
そしてスキルを使い、多くの敵を自分に集中させている。
だがそれ以上に、入り口から様々な魔物達があふれ出て来た。
それは予測していた魔物全てで、統率された兵のように進軍してくる。
あれにのみ込まれたら少し不味い。
「チィッ、どう考えても逃げられない。これはやるしかない!」
勇者様はやる気を見せるが、どう考えても多勢に無勢だ。
「クー、何とかしなさい!」
ファラさんは懐からナイフを取り出し、向かって来る魔物の数を減らそうと投げつけている。
ゴブリンなんかは貫通して後ろの奴にも刺さるが、数が減った気がしない。
ナイフの数にも限界があるし、落ちた石を拾う暇もないだろう。
こんな時は。
「女神様、お願いします!」
僕は期待を込めてお願いした。
「うん、やるねー! ……お天気パワー! 晴れときどき、大竜巻ぃ!」
前にある広場の中に、巨大な竜巻が現れた。
軽い魔物は吹き飛ばされて、一時的に進行が止まっている。
もう出て来ていた魔物達は、勇者様とファラさんにより対応されているが、それでギリギリ一杯だろう。
……こうなったらまた最終兵器を出すしかない。
「ディザリアさん、出番です!」
僕はパタパタ暴れているディザリアさんの猿轡を外し、その口に自由を与えた。
「アーッハッハッハ! 最後には私に頼るんですのね。いいですわ、いいですわよ! さあ、全員全部全滅よおおおおおおお! |エニアコンタエニアゴン《九十九角形》・オメガアアアア……」
そして唱えだしたのは、最大範囲の極限威力である。
「不味い、予想以上に怒りが溜まりまくっています! 退避いいいいいいいい!」
「えー!?」
僕は女神様を抱き上げ後方に下がって行くが。
「ライトニングウウウウウウウ!」
この洞窟全てに行き渡るようなとんでもない規模の魔法は。
「俺の体がまた痺れえええええ!?」
勇者様を巻き込み。
「いったいわねッ!」
ファラさんも同様に。
「ぬああああああああ!?」
「いたーい!」
当然僕と女神様も巻き込まれ、洞窟の中に居た魔物の全てを巻き込んだ。
一切合切倒れ伏し、立っていたのは。
「アーッハッハッハ! アーッハッハッハッハ!」
「ディザリアー、やりすぎー」
ディザリアさんとシャイリーンさんの、たった二人だけだ。
今回は凄く役には立っているけど、痛いことこの上ないデス。
クー・ライズ・ライト (僕)
ウェイリー(女神様)
イサバラ・ミコト(女神が連れて来た勇者)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




