勇者様の実力
勇者様はリセルさんの受付で依頼を受けようとしている。
いきなり一番強いのを出せとか無茶を言うからちょっと説得し、レッドオークに落ち着いた。
僕達はその場所に向かうと、馬小屋のような場所に到着する。
結界とか作って周りを確認し、突入してみることに。
勇者様が扉を開けると、中にはレッドオークの姿が見えた。
「準備は出来た、行くぞおおおおおおお!」
と跳び出そうとする勇者様に。
「待ってください勇者様!」
僕は肩を掴んで引き止めた。
「なぜ引き止める、お前は俺の邪魔しかしないのか!?」
「そうじゃなくて、折角盾役のシャイリーンさんが居るんですから、先に行かせてもいいんじゃないですか?」
僕はシャイリーンさん見た。
もう女神様を肩からおろして準備バッチリである。
「私やれるよー?」
本人も腰から体を曲げて頷いている。
「それはダメだ、勇者は先陣を切ると決まっているからな。その方がカッコいいいし!」
勇者様は拳を握り全力で訴えている。
まあ確かにそんなイメージを持っているのが普通だろう。
それは置いといて、こんなやり取りを律儀に待ってくれているレッドオーク君には感謝しかない。
まあ武器を投げたりしたら攻撃手段が減るからやらないのかもしれないけど。
「……じゃあ任せます、頑張って来てください。でも注意してくださいね、相手もそこそこ強いですから。あの斧を投げてブーメランのようにしてきますからね」
「ああ、大丈夫だ!」
まあそれも一興かと、僕は勇者様を進ませた。
待たせてしまってごめんなさいレッドオーク君。
「今度こそ行くぞ、とりゃあああああああああ!」
勇者様は階段を駆け下り、レッドオークに向かって攻撃をしかけた。
「プギャア、プギィイイイ!」
「てえええい!」
ただ突進する馬鹿ではないようだ。
初めての戦闘だというのに、かたくなることも無く槍の性能をいかしている。
相手の攻撃範囲の外から槍を使い、一方的に攻撃を続けていた。
それに女神様から選ばれただけあって、そこそこ能力値は高いようだ。
「じゃあ僕達も行きましょうかシャイリーンさん、女神様は……待っててもいいですよ?」
「いくー!」
女神様は真っ先に階段をおりて行く。
一応邪魔にならない場所には居てくれるようだが、斧を投げられたりしたらちょっと心配だ。
「私、いくねー」
シャイリーンさんは、のんびりとした口調で階段をおりて行くが。
「……あ」
だがその重さで階段が破壊され、ゴロゴロと転がって行く。
奥にまで行きつくと、地下通路に続く格子をひん曲げてしまった。
まあシャイリーンさんにとっては特にどうとでもないダメージなのだろうけど、帰りに上げるのが大変そうだ
そのままゆっくり起き上がろうとしているが、レッドオークが放っておくはずもなかった。
「プギイイイイイイ!」
勇者様の攻撃を無視して、シャイリーンさんの頭上に斧を振り下ろす。
しかしそんな斧が効くのなら、この階段を壊したりしない。
鎧に傷すらつかず、斧の刃は欠けてしまっている。
「よいしょっとー」
普通に立ち上がったシャイリーンさんに危機感を覚えるレッドオークは、恐怖心で後退っていく。
「てえやあああああああ!」
背後から攻撃を続ける勇者様だが、絶対的な職業レベルが足りていない。
動きはよくても、使い慣れない槍ではダメージが少ないようだ。
で、僕はというと女神様の居る場所に避難して。
「頑張ってくださーい」
「がんばれー!」
二人で応援している。
というのも結界の力がこの地下にまで及ばない可能性が結構あるし、試して見なければ分からない。
一応吹き抜けの建物だから可能性はなくはないのだが、微妙だろうか?
「頑張れー」
「がんばってー!」
だから僕は応援している。
「おいお前達、遊んでないで手を貸してくれ! ……くうううう!」
勇者様はシャイリーンさんから逃げるレッドオークから逃げ惑っている。
「えっ、一人で大丈夫って言ってませんでしたっけ?」
「俺は先陣を切りたいと言っただけだし! はやくぅ!」
でも能力が使えるかは微妙だけど、試してみようかなぁ?
そう考えていると、僕より先に女神様が動いた。
「じゃあ支援するねー! いくよー、お天気パワー! 晴れときどき、大岩がふりまーす!」
女神様の力なのだろうか、ズ……ドオオオオオオオオオンと天井が爆発し、勇者様とレッドオークの真ん中に落ちた。
その勢いで床にも大穴が開いている。
小さな体でも実力は相当なものがありそうだ。
「……あ、危ないだろおおおおおおおおおお!?」
「プギャア! ギャアアアアアアア!?」
で、勇者様とレッドオークには怪我も無いが、腰を抜かしたように尻もちをついている。
僕もちょっと驚いたけど、真面に当てて来るディザリアさんより幾分かマシだ。
そして天井に穴が開いたことに寄り、少しばかりは成功率が高まった気がしないでもない。
「結界の内にいる仲間の値を集めよ、アディション・フィールド」
僕は能力を使い、天井の穴から百八十の数字が落ちて来る。
どうやら成功したみたいだ。
「またかああああああ!?」
「プギャギャアアアア!?」
でもタイミングが悪かったようで、レッドオークをつなげていた鎖を壊してしまった。
それでレッドオークが自由になってしまい、更に混乱度が増している。
とりあえず僕は落ちた数字を操り、勝てる能力をつくり出す。
速度は四十、力は百四十と、完全に相手の能力を上回った。
「そこそこ分かったし、じゃあやってみますね。てええええい!」
僕は拳を握って跳び出した。
振り下ろされるレッドオークの攻撃を躱し、思い切って拳を振るう。
大きな体は後に吹き飛び、丁度後ろに居たシャイリーンさんにぶつかってしまったから超ダメージを与えたようだ。
パタッと倒れて動かなくなった。
「……ハッ、俺の活躍は!?」
勇者様は止めを刺したかったのだろう。
「勇者様が今まで頑張ってくれたから瀕死だったんですよ、流石勇者様ですね」
変に絡まれると嫌だし、もちあげておくことにした。
「そうか、そうだな! 俺の実力に感謝しろよ!」
勇者様は喜んでいるが、大変なのはここからだ。
何故なら、地下にいるシャイリーンさん持ち上げなくてはならないのである。
僕達は必死こいて装備品を持ち上げて、二時間ぐらいかけて建物の地下から脱出した。
クー・ライズ・ライト (僕)
ウェイリー(女神様)
イサバラ・ミコト(女神が連れて来た勇者)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




