で、結局どこへ行くの?
スラーさんに言われて勇者パーティーに合流することになった僕とシャイリーンさんは、ミコトさんと女神様の部屋を訪ねた。
また落ち込んでいるミコトさんは別に、女神様にはあっさりと了承された。
とにかく明日の朝待ち合わせに決めたのだが、時間が来ても二人の姿はない。
結局呼びに行くことになり、部屋の中で寝ていた女神様を起こし、まだブツブツ言ってたミコトさんをおだてて元に戻した。
僕は勇者様の職業を思い返す。
確かランスダンサーは、踊るように槍を振るう所を見て名付けられたらしい。
槍と付く物ならどんな物でも扱えて、当然あの花柄のついた物でも大丈夫だ。
好みによって二槍を使う者が居たりもするが、あくまでも槍があっての職業である。
だいたい中距離を支配する感じだろう。
僕としては何時も通り動けばいいはずだ。
それと女神様だけど。
「あ、女神様は何か職業にはつかないんですか? 色々便利な技とか覚えられますよ?」
「アタシ女神だし、だいじょうぶー!」
一応子供でも女神様だし、回復魔法とか使えるのかも?
「よし、腹もふくれたし早速冒険に出るぞ! 勇者としての初陣だ、伝説になりそうな所に行こう!」
勇者様は立ち上がり、リセルさんの居る受付に向かって行く。
何か依頼を受ける気なのだろう。
僕達三人もそれを追い掛けた。
「お嬢さん、俺に相応しい依頼を出してくれないか?」
勇者様はリセルさんに話しかけて仕事を受けようとしている。
「いらっしゃいませミコト様、どんなお依頼をお探しでしょうか? 討伐ですか? 採取ですか? それとも失せ物探しでしょうか?」
「勇者が挑むのは当然討伐だ! このギルドで一番強いやつを頼む!」
やっぱり調子に乗せ過ぎたらダメかもしれない。
初期値の職業で何を倒そうというのか。
変なものを受ける前に止めなければ。
「待ってください勇者様、もう昼も回ってしまいましたし、今日は軽いものにしましょうよ。槍の感覚だってまだつかめていないでしょう? 」
「大丈夫だ、俺は勇者だからな! 槍ぐらい軽く扱えるはずだ!」
まだ一回も戦ったこともないはずなのに、その自信はどこから出て来るんだろうか?
僕は勇者様の耳元に近づき。
「いいんですか、もしここで名のある魔物を倒してしまったら花柄の勇者として永遠に名前を刻まれますよ? 別の町で武器を買うまでコッソリ活躍したほうがいいんじゃないですか?」
この勇者様の弱点を呟いた。
「うぐぅ……わ、分かった、もうちょっと軽いものにしよう。じゃあこのレッドオークの討伐を受けようか」
勇者様が選んだのは、ザコというわけでもなく、名のあるというほどでも無い相手だ。
オークより強い種類で、赤く染まった鎧が特徴的だ。
レベルとしても二十ぐらいはあったはずである。
確か……。
名前 :レッドオーク
レベル:20
HP :185
MP :0
力 :120
速 :50
大 :220以下
危険度:4
技 :強斧の連撃。トマホークブーメラン。
連斧トマホークブーメラン。
備考:赤いヘルメットと鎧を着たオーク。
普通のオークよりも少し大きく、その力も強い。
動きは普通のオークと同じぐらい。
落ち着けば対処するのは簡単だが、その一撃には注意が必要だ。
距離をとろうとしても遠距離攻撃で追撃されるおそれもある。
背が高いので足元を狙うのも効果的だ。
と、こんな感じだったはずだ。
僕はリセルさんに頷き。
「かしこまりました」
受付を通してくれた。
駆け出し冒険者にはキツイ相手だけれど、シャイリーンさんが居ればそのぐらいの相手にダメージは受けない。
待ち受ければ僕の結界も使えるし、倒すのは容易だろう。
で、その依頼を受けた僕達は、魔物が出現すると言われた北東の廃墟へ向かった。
「え~っと、あそこでいいみたいですね」
シャイリーンさんの移動が大変だったけど、勇者様が豪華な馬車を用意してくれたのでそう時間はかかっていない。
そして到着したのが、林とも呼べない少しだけ木の生えた場所だった。
少し先にはボロボロの馬小屋が見える。
「それで記念すべき最初の得物はどこに居る?」
勇者様は袋から槍先を出し、そのまま使用するようだ。
下手するとすっぽ抜ける気がしないでもない。
また飛んで来ないように気をつけよう。
「う~ん、中にいるんじゃないのー?」
「たったかいだー!」
シャイリーンさんは女神様を肩に乗せ、体を傾けている。
言葉通り、あの場所にレッドオークが住み着いてしまったのだろう。
「じゃあちょっと僕の準備を整えますから待っていてくださいよ。いきなり突っ込んじゃあいけませんからね」
「大丈夫だ、俺であるなら一人でも倒せてしまうからな! さあ行くぞお前達!」
なんか僕が準備している間に先に行ってしまいそうだ。
「シャイリーンさん、お願いします」
僕はシャイリーンさんにお願いし。
「うんー」
勇者様の腕を掴ませた。
「ん、どうした? 俺と手をつなぎたい気持ちは分からなくはないが、それはあとに……う、動かない!?」
勇者様はそのまま歩こうとしていたが、圧倒的鉄の塊であるシャイリーンさんを動かすことはできない。
「じゃあちょっと待っててください、用事を済ませて来ますんで」
僕は小屋を囲むように結界を作りだした。
一応周囲や小屋の中を見て回ってきたのだけど、ワラや板で隙間を塞がれていて、中の様子はよくわからない。
一つだけ扉があるし、入るのならそこからだろう。
まあ外に出ているかもしれないのだけど……う~ん、どうだろう?
「ふう、終わりです。シャイリーンさん、離してあげてください」
「うんー」
いきなり手を離された勇者様は。
「どわあ!?」
バランスを崩して転びそうになったが、槍を杖にしてなんとか耐えきっている。
「と、とにかく、もう準備は出来た。行くぞお前達!」
『お~!』
気を取り直した勇者様が槍を掲げて小屋へ向かって行くと、僕達もそれに続いた。
「よし、開けるぞ」
勇者様が扉に手をかけ、力強く開いた。
内部に外の光が差し込み、現状があらわになる。
普通の建物とは違い、ここがおかしな作りをしていると分かった。
物も何もなく地下にまで下りれるようにドーンとした吹き抜けになっており、先には道を塞ぐように格子が作られている。
なんか見たことがある場所だ。
たぶんギルドの脱出口の先にあったものだろう。
で、レッドオークはというと、下りてみるまでもなく地下の中央部に姿が見えた。
双斧を持ち構え、僕達を見上げている。
「ピギャアアアアアアアアアア!」
そして僕達に襲い掛かろうとしたのだけど、足に繋げられた鎖がそれを許さなかった。
まさか勇者のために用意したものじゃないよなぁ?
……あー、スラーさんならやりそうな気がする。
クー・ライズ・ライト (僕)
ウェイリー(女神様)
イサバラ・ミコト(女神が連れて来た勇者)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




