結局どうするんでしょう?
女神から手紙が届き、僕は確認のためにフデに聞きに行った。
どうやら本物のようで、ギルドをあげて歓迎の準備を始める。
飾り付けを終えると、早速女神ウェイリーが勇者を連れて現れた。
勇者ミコトは職業を選ぶが、女神の邪魔により別の職業を選んでしまった。
「武器が無いと不便でしょう。ライズ・ライト君を案内役してあげてください」
「えっ、僕ですか?」
スラーさんは僕を案内に選んだようだ。
僕の肩を叩き耳元に顔を近づかせると。
「ライズ・ライト君、新人冒険者を案内するのも立派な仕事ですよ。上客ですので逃がすような真似はしないでくださいね?」
剣を渡した二人に聞こえないように呟いた。
やはりギルド第一なのだろう。
「分かりました!」
僕は頷き二人に近づいた。
「……剣が無きゃどうしろっていうんだ……」
「元気出してミコト、大丈夫だよ!」
しゃがみ込んで落ち込んだミコトさんを、小さな女神様が慰めている。
この人選は勇者としてどうなんだろうか?
「あのー、武器屋行かないんですか?」
何時までもこうして居られても迷惑なので、とりあえず声をかけてみたのだけど。
「…………」
ミコトさんは蹲ったままで壁際に行ってしまった。
「あのミコトさん?」
僕はもう一度接近を試みるのだけど、距離を開けるように逃げていく。
「ミコトはね、自信がない時は逃げちゃうんだよ!」
女神様はなぜか胸を張っている。
「ああそうなんですね……」
要は自信を持たせればいいのだろう。
僕はちょっと考えて、おだてる言葉を頭に浮かべた。
「え~っと、ミコトさんは女神様に選ばれた勇者なんですから、きっと他の武器でも活躍できますよ。自信を持ってください! ほら、勇者様が来て魔王が苦しんでますよ!」
僕はフデを指さし、倒れるように無言で指示を出す。
「えっ、ぎゃ……ぎゃあああああ! 勇者の力が体に刺さるううう! 勇者すげええええ、勇者すげえよおおおお!」
多少わざとらしいけど、フデは倒れるフリをしてくれた。
「そ、そうなのか……俺って凄いんだな。……剣が無くても頑張ってみようかな……」
ちょっと自信が戻ってきたのだろう。
「そうですよ、あなたは凄いんです!」
「ああお前はすごい、すごい勇者だ!」
僕とフデはミコトさんを持ち上げ、ギルドの皆からも拍手が沸き起こる。
「……そうか、俺凄いんだな! わかった、頑張るよ!」
やっとミコトさんは立ち直り、自信を取り戻したようだ。
「じゃあ武器屋に行ってみましょうか」
なんか大変な人だなと思いつつ、僕は武器屋の案内を申し出た。
「そうだな、例え槍であろうと俺は負けない! 世界を救う勇者だから!」
「わ~い! おでかけ~!」
そんな二人を連れて武器屋へと出発したのだけど。
「あ、お菓子!」
女神様は誘惑に勝てず駆けだした。
焼いたクッキーの匂いにでもつられたのだろう。
「女神様、勝手にどこか行ったら迷子になりますよ?」
「だってお菓子だもん」
僕が引き止めても戻って来てくれないようだ。
「俺が行って来る。ここで待っていてくれ」
そういったミコトさんが追い駆けると、即座に女神様を捕まえた。
そのまま脇に抱えられ、手足をパタパタさせて暴れている。
「お菓子いいいいいい!」
「分かった分かった、買ってやるから暴れるな」
ミコトさんはクッキーを買ってこちらに戻ってきた。
袋に入ったクッキーを貪っている姿はとても女神には見えない。
どちらにも多大に問題がありそうだ。
「待たせたな、じゃあ行こうか」
「そうですねー」
僕はミコトさんに返事をして武器屋への道を歩き出した。
といってもそう遠い場所じゃない。
この角を曲がると。
「到着で~す」
武器屋の看板が見えて来た。
道の通りにデンと構えるその店は、今の時間もそこそこ繁盛しているようだ。
冒険者達が武器を手に取り、その感触を確かめている。
僕達も中に入って槍のある場所へ向かった。
「じっくり見るのは初めてですけど、結構色々な物が置いてありますねぇ」
そこには色とりどりの槍がズラリと並んでいる。
柄の短い片手で持つようなものから、極太の柄をもった物とか色々あるようだ。
一億もお金もあるし、ここにあるどんな物でも買えるだろう。
あとは好みの物を選んでしまえばいい。
「そうだな、俺が選ぶとするなら……」
ミコトさんは槍を見定めている。
「アタシあれがいい!」
そんな中で、女神様が信託をくださったようだ。
可愛い花柄と蜂さんが描かれた槍を指さした。
「いや、俺は別の物が……」
「あれがいいのおおおお!」
女神様は、ミコトさんの脇に抱えらたまま大暴れしている。
しかしかたくなに拒否し続けるミコトさんだが。
「おいあいつ少女を脇に抱えて……まさか人攫いか!?」
「大変、助けなきゃ!」
っと、冒険者達が集まって来ていた。
「ち、違います、こいつは俺の……え~っとあの、女神なんで!」
ミコトさんは慌てて女神様をおろし、本当の事を言ってしまうから。
「その子がお前の女神だと? まさかロリコン……」
「変態はゆるさああああん!」
「天誅うううううううう!」
敵だと認識されたミコトさんは、冒険者の方々から襲い掛かられた。
スラーさんから頼まれているし、やっぱり助けたほうがいいのだろう。
「待ってください、その人は変態ではありません。ギルド員の僕が保証しますから安心してください! あの子は女神のような妹というだけですから!」
僕は攻撃を防ぐように立ちはだかったのだが。
「お、お前は……ド変態のクー・ライズ・ライト!」
なんか僕のことを誤解した冒険者が多いようだ。
他の人達も僕から距離をとっていく。
「誰がド変態ですか! 僕が何時変態行為をしましたか!」
確か少し前の剣の騒ぎの時に、僕が変態だと広まった記憶がある。
まさか今だに信じている人間が居たのか!?
「確かに、本物の変態のあなたが言うんだから、その人は変態じゃないのかもしれないわね」
「そうか、悪かったなお兄さん。俺達が間違っていた」
なんだか納得できないことを言われて冒険者達が退散していく。
「違いますからね! 僕は変態じゃないんですからね!」
僕は冒険者が居なくなるまで叫び続けた。
クー・ライズ・ライト (僕)
ウェイリー(女神様)
イサバラ・ミコト(女神が連れて来た勇者)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




