花柄が迫って来る
スラーさんから言われて二人を武器屋に案内しようとするも、ミコトさんは離れていく。
なんか女神様が言うには、自信がないとこうなるらしい。
僕は励まし自信を取り戻させると、やっとのことで武器屋に向かう。
その途中でいきなり走り出す女神様を追い掛け、お菓子をおねだりされたりして何とか到着する。
しかしミコトさんはロリコンと間違われ、また騒動が起こるのだが、僕がなんとかその場を収めた。
「買って来たよー!」
僕達が色々している間に、女神様は花柄の槍と店の親父を連れて来た。
この人元冒険者で筋骨隆々な肉体をしている。
すでに怖い。
「お客さん、お嬢ちゃんの保護者ですかい? お支払いをお願いしますよ」
店長は買ったんだから金払えと言わんばかりの面構えである。
槍は買った印のように、可愛らしい赤いリボンで飾られていた。
「待ってください、俺はその槍を買うつもりは無くて! ウェイリーが勝手に言ってるだけなんです! さあ槍を返すんだ!」
「やだ! やだああああああああ!」
女神様は槍を持って店内を駆け回っている。
よっぽどあの槍が気に入ってるのだろう。
「おい待てえええ!」
ミコトさんが追い駆けようとしたが、店の親父さんからガッシリト肩を掴まれた。
「お客さん、さっきも言おうとしたんですが、店内で暴れられちゃあ困りますね。武器を買ってくれるってんで大目に見てたんですが、まさか冷やかしですかぁ?」
店の親父さんのコメカミの辺りに、ビキっと血管が浮き出ている。
「いや、あの、買います……」
ミコトさんは店の親父さんの押しに負け、お金を支払って花柄の槍を購入した。
「ようは済んだな、じゃあ帰れ」
親父さんは僕達を客だとは思っていないようだ。
追い払うように威圧感が増す。
「いや、でも俺別の……」
ミコトさんは別の槍を購入したそうだけど。
「帰れ!」
「あ、はい……」
親父さんの威圧感に負けてしまった。
まあ武器の購入は済んだし、柄があるというだけで特に問題はないだろう。
「女神様、その槍買ったから帰りましょうか」
「わ~い! かえる~!」
僕が呼びかけると女神様が元気よく走って来る。
「あっ!」
でもそれが悪かったのだろう、途中でスッ転びすっぽ抜けた槍が僕の方に向かって来ている。
「ぎゃあああ!?」
必至に避け無事だったのだが、親父さんの鼻先をピッと切り、店の内壁に突き刺さった。
「……俺に傷を、店に傷をつけやがって……槍持ってとっとと帰れ、この糞野郎共! もう二度と来るんじゃねぇ!」
親父さんは刺さった槍を引き抜き、僕達へ向かってぶん投げた。
槍は僕達の間を抜けてカランと転がっている。
『すいませんでしたああああああ!』
僕とミコトさんは即座に謝り、女神様を抱えて店を出る。
落ちた槍を拾って帰って行くのだが。
「当分あの店には行けませんね。まあ運が悪かったと諦めましょう」
僕は自信を無くしてビクビクしているミコトさんを慰めた。
「……ほ、他の店は?」
やはりまだ諦めていないようで、別の店を捜したいらしいけど。
「無いですよ」
僕は嘘をついて知らない振りを通した。
これは二人のためで、別に意地悪しているわけではない。
無駄な出費をしないようにとの心遣いなのである。
決して行くのが面倒だったからではないのだ。
「あの槍を使うのか……」
「かわいいから大丈夫!」
女神様は落ち込んでいるミコトさんを慰めている……のだろうけど、あんまり慰めにもなっていない。
これ以上ダメージを与えたら逃げ出して行きそうだ。
先に案内を済ませてしまおう。
「じゃあギルドの宿舎に向かいましょうか。少し……結構ボロボロですけど暮らすのには不便はないですよ。もちろん普通の宿が良いというならご自由にどうぞ」
「……これを使うのか……これを?」
ミコトさんは何かブツブツ言ってるけど、まあ気にしないで行こう。
という訳で二人を宿舎へと案内し、これで終わりだと思ったんだけど。
「ライズ・ライト君、あの二人のパーティーに入ってあげてくれませんか?」
ギルドへ帰った僕は、スラーさんからそんなことを言われてしまった。
「えっ、僕ギルドをクビですか!?」
もし首になったらどうすれば。
何ヶ月も給料を停止されたりしながら必至に働いてきたのに……。
ん? ギルドに居ない方がいいような気がしてきた。
「いえいえ、君はギルドに必要な人材ですから、一時的にということですよ。彼が真に勇者なのか、どの程度力があるのかを見極めてくれませんか? もし途方もない力があるというなら、ギルドとしても力を入れてバックアップしなければなりませんからね」
じつのところ、戦闘職業の能力値は分かっていても、当人の能力は五十として考えられている。
つまりミコトさん自体の力が千とかなら、ギルドにとっては途轍もない戦力になるのだろう。
彼が真に勇者だったなら、本気で魔王退治を決行するのかもしれない。
百眼の魔竜はもはや天災のようなものだけど、居ないなら居ないに越したことはない。
本当に退治できればいいのだけれど、今の所あの人はハズレだと思う。
「それじゃあ行って来ますけど、僕一人ですか? あんまり冒険者の戦闘には向いていませんよ」
僕の職業は測量士で、移動戦闘には不向きなのだ。
ある程度の大物とか狙い定めて陣を張るとかそんな感じの戦いが向いている。
「それが良いのではないですか。君が使えない分相手の力が測り易いですからね」
「なんか酷くないですか?」
「ハッハッハ、そんなことはありませんよ、今回は使い辛いということが適材だったというだけです。でもそうですね、もう一人選ぶとするなら、ストラバス君かダイヤモンド君でも連れて行きますか?」
ストラバス……アーリアさんと、この間組んだシャイリーンさんのことだ。
どちらも盾役だからダメージには貢献しないが、組むとしたら何方がいいんだろう?
「う~ん、シャイリーンさんに、声をかけてみます」
「ええ、気を付けて行って来てくださいね」
僕は防御能力が高いシャイリーンさんを選んだ。
まあ動きはちょっとばかりじゃなく相当遅いが、その分大量の魔物を引きつけることが出来るし安全に行動できるからだ。
「ああ、彼に適性がないとしても、君が勇者を育て上げてくれてもいいのですからね」
「考えておきまーす」
なんか無茶ぶりされている気がする。
僕はシャイリーンさんの下に行きに相談すると。
「うん、いいよー」
とあっさり了承され、僕達はあの二人に会いに行った。
クー・ライズ・ライト (僕)
ウェイリー(女神様)
イサバラ・ミコト(女神が連れて来た勇者)
ミア・ミスト・レイン(元賞金首)
アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)
グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)
コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)
ランズ・ライズ・ライト (父)
ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)
フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)
スラー・ミスト・レイン(僕の上司)
ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)
シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)
ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)
デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)
ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)
リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)
ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)
デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)
フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)




