表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/433

 更なる強化に成功した僕は、化け物との戦いを続ける。

 傷は与えられるものの、それでも決定的なダメージは与えられなかった。

 もう体の中央に進むしかないと思った僕は傷口の中へ入り込んだ。

 そこで頑張って剣を振り続け化け物を倒すことに成功する。

 勝どきをあげて冒険者は帰るが、ギルド員である僕達はテントとかの撤収を始めた。

「ファッヒャッヒャ! 相棒の目当てはそれかよ、ウッヒャ―!」


「僕にとっては物凄く重要なんです! 生きて行くためにも必要なことなんです!」


 僕は大きな鍋に手を伸ばす。

 しかしそれはあまりにも軽かった。


「こ、これは!?」


 ハッとして中身を見るが、大鍋にこびりついた物しか残っていないようだ。

 他の鍋に手を伸ばしても全部同じ状態になっている。

 思いのほか冒険者達に盛況だったのだろう。

 これでは僕の食費が浮かないじゃないか。


「でもこの程度で僕は諦めたりしませんよ!」


 僕は戦いよりも気合を入れて、鍋にへばりついた食材をスプーンでこそぎ取る。

 それはもちろん僕の口の中へ運んでいった。


「うん、やっぱり美味い! 僕は満足ですよ!」


 中々大変だけどこれも栄養のためである。


「クー、あとそれだけなんだけど」


「ダケダぞー!」


 ファラさんとミアさんが催促してくる。


「もうちょっと待ってください、あとちょっとだけ! ちょっとだけですから!」


 僕はもう面倒だからと、鍋をかぶったままそれに答えた。


「あっそ、じゃあそれ持って帰って来るのよ」


「はい、もうちょっとしたら直ぐに!」


 そのまま夢中になって舐めているのだけど。


「オゥイ、何時までやってんだよ相棒ぅ、とっくに全員帰って行ったぜぇ、アッヒャッヒャ!」


「えええっ!?」


 僕が鍋から頭を出した時、ここには誰も居なくなっていた。

 町の方向を見ると、遠くにほんのりと馬車が見えている。

 あれがたぶんファラさん達が乗ったものだろう。

 ここに居たら化け物の死肉を貪ろうと魔物が集まるのは必須。


「待ってえええええええええ!」


「アッヒャッヒャ!」


 もう能力の無くなった僕は、鍋を持って必死に走り出した。

 ゆっくりと走る馬車を追いかけ続け十分、やっとファラさんが気付き止めてくれたようだ。

 馬車に乗り込んだ時には全ての体力を使い果たしてぶっ倒れてしまった。

 なんか全然休んでない気がする。


「ヒャッハー! 追いついたなぁ相棒ぅ、優しい姉ちゃんに感謝することだ。フッヒャー!」


「……ちょっと黙っていてください、本当に意識が飛びそう……」


「ハァン、分かったよぅ、じゃあちょっとばかり黙っていてやるぜぃ。アッヒャッヒャ!」


 何だかラックの声が遠のいてゆく。

 僕はそのまま馬車に揺られ、ギルドへと戻ったのだった。


「何時まで寝てるのよ? ほら着いたわよ」


「ヨメ、オキろ―!」


「……ハッ!?」


 僕は二人の声で目を覚ました。

 何故か鍋を抱いているが、その中はピカピカになっている。


「ウゲフ……おはようございま~す……」


 手で顔を触ると、口の辺りがベタベタになっていた。

 寝ながら食べていたようだ。


「挨拶はいいわ、それ全部降ろしといて」


 それというのは馬車に積んであった荷物のことだ。

 ずっと寝ていただけだし、その分働けというのだろう。


「わかりました、やっときま~す」


 僕は素直に従い、ギルド内に道具を運んでいくのだけど。


「……?」


 何か変だと思ったら、腰の剣がなくなっているようだ。

 たぶんミアさんにでも玩具にされているのだろう。

 今までなら腰に戻って来ていたのに、全てが終わって契約が解けたのかもしれない。


「よいしょっと」


 静かになると少しだけ寂しさを感じる。

 僕は静かに片付けを終え、ギルド内部へ入って行った。


「終わりましたよー」


 ギルド部の扉を開けると。


「ギャッハハハハ! フッヒャー!」


 無駄に聞き覚えのある声が聞こえて来る。


「あれ、契約解除したんじゃないんですか?」


 僕はラックに不思議そうに尋ねた。


「オゥ、来やがったな相棒よぅ、十三でおねしょこいてたって本当かぁ!? フッヒャー!」


 あれはそう、忘れもしない十三の頃。

 いやそれはどうでもいい!


「何故その話を……ハッ、ファラさん、言いふらしましたね!?」


 僕はファラさんを見る。


「そうよ、今後もまた同じ事がないとも限らないし、ギルド員の親しみを増やすためにも有ったことを伝えておいたわ」


 ファラさんに迷いはなさそうだ。

 確かに僕を知れば数字は上がるかもしれないが、仕事のためだとはいえ勝手に()()ことを広めないでほしい。 


「あああああ、また僕の悪評が広まってしまうううううう! いやそうじゃなくて、ああもうなんでもいいです。とにかく変なこと言いふらさないでください!」


 僕は頭を抱えたのだけど。


「ギャハハハハ! 諦めろ相棒、その姉ちゃんは全部ぶちまけた後だぜぇ、アッヒャッー!」


「グフゥッ……」


 僕はガックリして肩を落とす。

 ラックが言うにはもう洗いざらいぶちまけられた後らしい。

 周りの人達からは複雑な表情が見え、自分達もやってたというような表情や、可愛らしい物を見る目付きをしている人も見える。


「アッハッハ、まあ男なら誰もが通る道ですよ。女の子と一緒に生活していたんですから仕方ないでしょう」


 スラーさんは僕を慰めようとしているのだけど、一体何を聞かされたのだろう。

 気になるけど聞いてはいけない気がする。


「さてライズ・ライト君、現場では凄い活躍だったと皆から聞いていますよ。何故ギルド員である君がそんなに前に出ているんでしょうねぇ?」


 スラーさんの目がキランと光る。

 確かに冒険者のためにあるギルド員が魔物を倒したらダメなんだけど。


「ラックを使わなきゃ倒せなかったですし、普通の人だったら潰されてました! 僕のせいじゃありません!」


 僕はキチンと反論した。


「ふむ、確かに今回の敵は想定外の大きさと強さだったと聞きます。資料の提出も受けていますから、君の言い分も最もでしょう。今回は例外ということにしときましょう」


「やった!」


 どうやらスラーさんからお許しがでたようだ。

 僕はグッと拳を握り喜んだ。


「それでですね、今回は君が居てくれなければ多大な犠牲が出た事が予想されました。なので特別報奨(ボーナス)を出るように申請してあります。……? 喜ばないのですか}


 特別報奨……ボーナス!


「うおおおおおおおおおおおおおおおおお! やったあああああああああああああああああああああ!」


 僕は天を裂くような大声をあげたのだった。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ