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これはもしや幸運なのでは?

 戦いが終わった後、ギルド員である僕は後片付けをしていた。

 夢中になって鍋を運び、こびりついた食料を食べている。

 しかし夢中になり過ぎて現場に置き去りにされてしまった。

 僕は鍋を持って追い掛け、やっと追いついた。

 ギルドに戻ると、腰にあったラックが無くなっている。

 もしかしたら契約が解除されたのかと思ったけど、そんなことは無かったらしい。

 でもそんな事はどうでもよく、僕はスラーさんからボーナスをもらったのだった。

「フッヒャー! よく分からねぇがやったなぁ相棒、俺っちも嬉しいぜ。んで俺っちの状況でも説明してやろうと思ったんだが……」


 ラックは何やら言おうとしているが。


「うおおおおおおおおおお!」


「それどころじゃないみたいだなぁ、アッヒャッヒャ!」


「いやああああああああああったあああああああああ!」


 僕にとってはどうでもいいことだった。


「ライズ・ライト君、それでですね……」


 スラーさんが何やら言おうとしているが。


「よっしゃあああああああああ!」


 僕の喜びは止まらなかった。


「聞いてくれないというなら、特別報奨は無しということで……」


「今直ぐ黙ります!」


 僕はスラーさんに従い、一瞬で喜ぶのをやめた。


「では本人から説明を受けてあげてください」


 スラーさんはラックに手を向けている。

 僕はそちらに顔を向けると。


「フヒハ―! じゃあ説明してやんぜぇ」


 ラックが喋りだした。


「つまりよぉ、相棒との契約が無くなったのは一定距離に魔王の使いが居なくなったってことなんだぜ! 俺っちも契約に縛られなくてハッピーじゃん。だからこのまま放っておいてほしいんだがなぁ」


 気を失わなくてもラックの契約が解除されるのは嬉しいことだ。


「でもそうはいかないんですよねぇ、世界中で退治されたとはいえ、魔王の使いが完全に駆除できた訳でもありませんから。だからこの剣は別の町へ送ることになりました。流れからわかると思いますが、別の町へ運んでほしいのですよねぇ」


 スラーさんは僕達に運搬を頼むようだ。


「はい、そのぐらいなら全然いいですよ! スラーさん旅費の申請をお願いします! ファラさんミアさん、いいですよね!?」


 僕は了承し、キッチリ申請を申し出る。

 後々出ないとか言われても困るからだ。


「旅費が出るのなら私はいいわよ。ミアも来るわよね?」


「ワタシ、イくー!」


 二人の了解を得て、僕は即座に旅費の書類にペンを奔らせた。

 ほとんどは終わらせることが出来たのだけど。


「そういえば目的地はどこに?」


 行く場所を聞いて無かったとスラーさんに尋ねた。


「目的地はプラ―トン運河町ですよ。川魚が美味しいと聞きますので食べてきたらどうでしょう」


 プラ―トン運河町とは、このローザリアからは北西方面の町だ。

 徒歩だと三日四日歩き詰めになるけど、別に不眠不休で行く訳でもない。

 ちゃんと距離を計算すれば町でも泊れるし、何も問題はないはずだ。


「え~っと、プラ―トン運河町っと。出来ました!」


 僕は安心して書類に書き込み、スラーさんに手渡したのだが。


「……ふむ、書き残しや不備もないようですね。いいでしょう。ラビス(ファラ)君、旅費を手渡しますから、無駄使いをさせないようにお願いしますね」


「はい、もちろんです」


 なぜか申請した僕ではなく、ファラさんにお金が手渡されてしまった。

 そんなに僕が信用できないというのだろうか。

 ただちょっとだけ食べ歩きをしようと思っていただけなのに。


「じゃあ準備しましょうか」


「ウに!」


 ファラさんの声に元気に返事をするミアさんと違い。


「は~い」


 ボーナスも帰って来てからにされた僕は、ちょっとだけテンションを下げて返事をした。


「ファッヒャ―! 元気出せよ相棒、俺っちがついてるぜぇ、アッヒャッヒャ!」


 ラックの煽るような声もあと三日でお別れだ。

 もう特に感慨もないし、不幸になりたくないから嬉しい限りである。

 それから色々と遠出の準備を進め、僕達三人はギルドから出発していく。

 今回は馬の使用も認められているから移動も楽なものだ。


「なんか、暇ですねぇ」


 僕達は北にあるミトラの町を軽く越え、西にある商業都市クロノスへ向かっていたのだけど。


「あまりにも何にもなくてビックリだわ。こんなこともあるのね」


 ファラさんはのんびりと馬を歩かせている。

 それもそのはず、今まで魔物にさえ会うことがなかったのだ。


「ネムーい……」


 ミアさんはファラさんに掴まって、馬の振動で眠さを覚え頭をフラフラさせている。


「アッヒャッヒャ! 不幸から解放されたんだぜぃ、今まで不幸だった分の幸運が舞い込んだって不思議じゃねぇだろうよ。俺っちのおかげだ、感謝しな。フッヒャー!」


 ラックの言葉によると、今まで僕が受けて来た不幸が幸運に換算されているらしい。


「でもそんな幸運は要らないので、出来れば金運に変えてください」


 僕はラックに頼んでみるも。


「俺っちが出来る訳がねぇだろう、ファーヒャー!」


 簡単に無理だと言われてしまった。

 まあ不幸よりは断然いいことだし、特に気にする必要はないだろう。

 そのままのんびりとした時間が長く続き、辺りには鳥の声が響いているだけだった。

 ……暇なのは不幸とは違うんだろうなぁ。


「おっ、クロノスの町が見えて来ましたよ」


 前方に町の入り口が見えて来る。

 商業都市というだけあって商売が盛んな町だ。

 一度は魔道具を見に行きたいと思っていたけど、こんな機会に訪れるとは思わなかった。


 惜しむらくは僕の手持ちが少ないことだろう。


「思ったより早く着いたわね。変に進むと野宿になるし、無理せずここで泊まりよね。じゃあ何か美味しい物でも食べて宿を捜しましょうか」


「ワタシ、ハラヘり! メシ、クう!」


 さっきまでウトウトしていたのに、ファラさんから食事の話がでるとミアさんは跳び起きた。

 そのまま町の中へ移動し。


「ウマイなー!」


「そうね、まあまあだわ」


「あ、これもう一つお願いします!」


 僕達三人は料亭で美味しく食事を食べたのだけど。


「おめでとうございます!」


 食事を終えた僕に店の人がそう言った。

 クー・ライズ・ライト (僕)

 グリス・ナイト・ジェミニ (双子の男の子)

 リューナ・ナイト・ジェミニ(双子の女の子)

 ミア・ミスト・レイン(元賞金首)

 アリーア・クロフォード・ストラバス(管理お姉さん)

 グリア・ノート・クリステル(お姉さんの相棒)

 コーディ・フル・フラグメント(獣使い見習い)

 ランズ・ライズ・ライト (父)

 ファラ・ステラ・ラビス(護衛の人)

 フェイ・ステラ・ラビス(ファラの父親)

 スラー・ミスト・レイン(僕の上司)

 ディザリア・エルス・プリースト(破壊教)

 シャイリーン・ブラック・ダイヤモンド(防御職の人)

 ナオ・ラヴ・キリュウ(リセルの弟でディザリアのチームメイト)

 デッドロック・ブラッドバイド(冒険者)

 ミカグラ・ツキコ(デッドロックさんの相棒)

 リセル・ラヴ・キリュウ (ローザリアのギルド受付)

 ディーラ・ストライウス (ミトラの町のギルド員女)

 デルメオ・ザック・デルタ(ミトラの町のギルド員男)

 フデ = インフェニティ―・ダーク・ロード・ウミノメ・キング・ジョージ四世ファイナルモード・ディスティニー(没落魔王)

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