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錬金失敗で幼女になった元魔女、弱小クランで胃袋を掴むことにしました  作者: サエトミユウ


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20/24

第20話

 次に、ボストンバッグを持ってきて、パーラとプールが詰めた調味料やら食材やらを出して確認を始めた。

 醤油や味噌は樽であった。ケチャップとか中濃ソースとかウスターソースとかも作ったみたい。塩麹まであったんですけど。前世の記憶、なかったよね? なんで作り方を知ってるんだ。

 乾物もたくさんある。海の幸の乾物が多かった。どこから持ってきたんだろう……。

 茸もたくさんあったな。ちゃんとトリセツラベルが貼ってあるのが私らしい。こういうところ、私ってマメだよね。

 一番ありがたいのが麺類。パスタがあったよ! うどんも蕎麦も、中華麺も! 麺を打とうかと思ったんだけど、膨張剤入りの粉しか売ってないので厳しかった。麺もないのかな。パンしかないはずなんてないはずなので、リストに入れておく。

「あっ、すっげ、米があるんですけど」

 コレは私とパーラとプールの分ね。他の人の分はタラシさんに仕入れてもらおう。

 ……タラシさんに頼むものが多すぎるけど、手に入ったらホントお願いします。

「チーズも、自家製しかないか……」

 錬金で作ったらしい熟成チーズがある。あの大きなケーキ型のが。使いかけのカットされたチーズもあるしおろし金も入ってた。きっとコレをパーラとプールの目の前でおろしたんだろうなあ。

「あ、中華包丁が入ってる。牛刀もだ。……私、ホントに前世の記憶がなかったのかな?」

 絶対にコレ、記憶があって作ったんじゃないかな!?

 それともこの世界にもこういう包丁があるのかな!?


 これらは、毎回使うときに使うものを取りだして使い、またしまうようにしなくては。

 勝手に使われて空にされると、私はともかくパーラとプールが激怒する。マジで殺しかねないので、めんどくさいけどしかたがないのよ。


「えーと、ほしいもの追加。麺、米、海の幸、茸、チーズ……じゃわからないか、ミルクの加工食品、と……」

 うん。頑張ってねタラシさん!

 申し訳なくなってきたので、ご褒美頑張ります!


 私が食材研究をしている最中、オタクさんとインテリさんがやってきてオーブンについて質問する。

 思いついたまま話すと、オタクさんは考え込みながら、インテリさんはブツブツ言いながら引き返していく。

 ゴメンね二人とも。あと、パスタマシーンも作ってほしいです。できればミンサーも。


 ……と、研究していたらもう夕方になってしまった。

 日が経つのが早い!

 タラシさんが厨房に飛び込んできた。

「粉について、仕入れる当たりがついたぞサーシイ! 他にもいくつか種類があるから、全種類を仕入れてみることにした!」

「わぁ! ありがとうございます!」

 やったー!

「あと、追加分です。必須とまではいかないけど、わりと切実にほしいです」

 リストとサンプルを渡すとタラシさんが固まった。

「よろしくお願いします! ご褒美作りますから!」

「わ、わかった。……ちょっと時間をくれかいか? あと情報も」

「はーい!」

「……リーダーより人使いが荒い……」

 とかタラシさんがぼやいている気がしたけど、きっと気のせいだね!


 ――と、くるりとタラシさんが振り向く。

「サーシイって、料理屋を開いていたんだっけ?」

「え? ……たぶん? 夢じゃなければ」

 前世の記憶が夢だったりするオチもあるのよね。

 タラシさんが苦笑する。

「これって、そうとう本格的な料理だろ。この町の料理屋じゃ、こんなに材料は揃えないよ」

「え……」

 嘘でしょ?

 って顔をしたらしく、タラシさんが笑う。

「サーシイには当たり前なのか。……明日リーダーに、この町について詳しく聞くといいよ。俺も、今日は買い出し優先で全然案内できてなかったから、次は解説するね」

 そう言ってタラシさんは去っていった。

 他の料理屋さんの料理が、すごく気になる……!


 作り置きとして、ピーマン(ぽい野菜)の煮浸しや、蕪(ではないかもしれない根菜)の浅漬け、セロリのナムル、あとはお浸しやらポテサラっぽいのやらを作った。

「肉味噌も作りたいけどひき肉がない……」

 ミンサーがほしい! 入れてないってことはないんだよ。

「プール、記憶のあった私って、細かくした肉の料理だって作ってたでしょ? どうやって肉を細かくしてたの?」

 プールが目を開ける。

そしてシンクに飛び乗ると、伸びをした。

「なーん」

 肉を出せと言っている。

 なんとなく嫌な予感はするけれど、肉を出したよ。ちょっとだけにしておいた。


 ……と!

 やはりというか、プールがシャキーン!と爪を伸ばし、シャシャシャシャッと粉砕した!

「なーんなーん」

 褒めて褒めてって言ってる。

 たぶん、記憶にない私がいつもやらせていたのだろうね。手慣れている感じがする。

「爪を洗ったほうがよかったかな……」

 衛生的にどうなんだ。炒めるからオッケーとかいう感じか?

「なーん!」

 あ、プールが抗議したよ。これは魔力の爪なので衛生的なんだと言っています。

 というか私、プールの話がわかるのね。使い魔だからかな。


「そっかー。じゃあこれで肉味噌炒めを作ろうっと」

「なぁ~ん」

 ソレ大好物、ってプールが鳴いて私にすりよった。


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― 新着の感想 ―
ヌコ様こっわ・・・ソーン君だっけ?成仏するんやで・・・
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