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第73話:逆襲の一撃

 炎龍が咆哮と共に首を振り下ろす。

 空気が裂け、牙が迫る瞬間——オレは敢えて真正面に立った。

 ラグナの防護膜が閃光のように展開し、衝撃を受け止めると同時に、その反動を利用して後方へと跳躍する。


 着地と同時に、全身の魔力配分を攻撃系統へと切り替える。

 ラグナの外装が淡く赤熱し、膨大な魔力が右腕部に収束していく。

 HUD上で、警告色に変わった魔力残量が点滅する。

 ——一撃だけだ。この隙を逃せば二度と訪れない。


 炎龍の体勢が一瞬崩れた。

 翼が地面に触れ、砂塵が舞い上がる。

 その巨体のわずかな沈み込み——そこが死角。


 「——ッ!」

 声にならぬ気合と共に踏み込み、収束させた魔力を一気に解放する。

 ラグナの右腕が轟音を伴って伸び、光刃が形を成した。

 刃は炎龍の鱗を裂き、内部の赤い輝きを露わにする。


 灼熱の血潮が迸り、地面を焼く匂いが立ち込めた。

 炎龍が怒りの咆哮を上げ、炎を噴き出すが、すでにオレは反対側の高台へと跳び退いていた。

 ラグナの防護膜が炎を受け流し、魔力ゲージがさらに大きく削られる。


 (持ってあと数分……それで十分だ)

 オレは、巨影と対峙しながら再び構えを取った。

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