69/135
第67話:分析と回避
炎龍は再び喉奥を膨らませ、空気を焦がすような轟音を響かせた。
だが、さっきのように真正面から受ければ、魔力の消耗は一気に限界を超える。
(防ぎ続けるだけじゃ、こっちが先に尽きる)
オレはラグナの視覚ユニットを拡張モードに切り替えた。
炎龍の巨体を走る筋肉の収縮、翼のわずかな角度変化、尾の振り。
その全てが、次の一撃の軌道とタイミングを告げている。
「——来る」
炎龍が首をひねり、側面から灼熱の奔流を吐き出す。
オレは瞬時にラグナの推進ユニットを起動、熱風をかすめながら滑り込むように回避した。
炎は背後の岩壁を直撃し、瞬く間に岩肌を熔解させ、赤黒い溶岩の流れを作る。
〈魔力消費率、安定〉
システムの報告に、わずかな安堵が走る。防御展開を最小限に抑えたことで、消耗は抑えられた。
「なら、攻める番だ」
炎龍の左翼が上がり、死角が生まれる。
その瞬間を逃さず、オレは地面を蹴り、ブーストで宙へと舞い上がった。
真下に見えるのは、炎龍の分厚い鱗に覆われた首元——ただし、その鱗の継ぎ目は、瞬間的にしか露出しない。
(そこだ……!)
ラグナのブレードに魔力を集中、蒼白い光が刃を包み込む。
次の小節で放つ一撃のため、オレは炎龍の眼前をかすめながら再び距離を取った。




