組織とキャンプとカレー作り・其の九
「ふっふっふっ、さぁ、ネットアイドルの水着姿、じっくり目に焼き付けるといいぞ!」
どや顔のベイリーさんは、からからと笑いながらこちらへと向かってくる。
そして、その後ろからおずおずとフェンリルさん、クローブちゃんが続いてやってきた。
「あぁ、えっと凄いですね」
反応に困り、とりあえず誉め言葉を口にだすとベイリーさんは、そうだろうそうだろうと、頷きながら腕組をする。
「まぁ、アタシのプロポーションなら当然そんな反応になるわよねー!!」
そこに関しての感想ではなかったのたが、もうそういう事にしとこう。
言わぬが仏いう言葉もあるのだ。
「なんかこれ、動きにくいんだけど……」
「こんな薄いの……はれんち」
後ろにいる二人は全く乗り気じゃないのか、上に着たジャケットで隠すように身を屈めている。
手でかばっているが、クローブちゃんはライトグリーンの水着が見え隠れしているし、フェンネルさんにいたってはほとんど手で隠せていない。……主に胸の部分が。
しかし、アイスブルーの水着は非常にフェンネルさんの雰囲気にあっている。
「ちょっと!! じろじろ見ないでよ!」
こちらの視線に気がついたのか、フェンネルさんがこちらをキッと睨んで怒鳴ってくる。
「まぁまぁ、減るもんじゃないんだから、さっ!」
「きゃあ!?」
そういいながら、ベイリーさんがフェンネルの腕をつかみ外す。
その勢いで何がとは言わないが大きく揺れる。
何がとは言わないが!!
「……田中?」
思わぬ眼福につい目が向いてしまうが、不意に近くで殺気を感じる。
掛けられた声の方を見れば、ジト目でこちらを睨んでいるクローブちゃんが目の前に立っていた。
「……むぅ」
「えっと……クローブちゃん?」
「知らなーい」
膨れっ面になったクローブちゃんは、スタスタと海の方へと向かってしまった。
「ばっ、バカァー!!」
そのあとを追うように、フェンネルさんが前を隠しながら駆け出していく。
どうやら、クローブに気をとられている間にたいぶベイリーさんに弄られたようだ。
「あちゃー、やり過ぎちゃったー」
てへぺろ、とでも言わんばかりの顔で頭をコツンと叩くベイリーさんと、呆れているウイキョウ。
「よくもまぁ、毎年のようにやるものだな……」
「だぁって、反応が一番可愛いんだもん。ペッパーは寝てるし、クローブちゃんは基本的に無抵抗だし……まぁ、クローブちゃんは今年はちょっとからかい甲斐が、ありそうだけど?」
そう言って、何故かこちらを見るベイリーさん。
思わず目を反らしてしまう。
「そんな事より男子もテント張りが終わったなら水着に着替えなさいな?」
そういうと、ベイリーさんは駆け出していってしまったフェンネルさんとクローブちゃんの向かった方向へと緩やかに向かっていってしまった。




