組織とキャンプとカレー作り・其の八
いつの間にか手にかいていた汗をスボンでぬぐう。
大きなため息を一息ついて、重たい手をなんとか持ち上げカバンをとる。
助かった。
何が、と自分に問いかけても答えは出ないが、どこか安堵して力の抜けている自分を奮わせて、バスを降りた。
バスを降りて少し歩くと、バーベキューや飯盒を火に掛けるようの焚き火等のいくつかの調理設備と海岸線近くの林を切り開いたような広いスペースがあった。おそらくここにテントを立てるのだろう。
そのスペースの正面には海水浴場であろう砂浜と海が広がっている。潮の匂いが鼻をくすぐる。
既に時刻はお昼の少し手前。海水浴に訪れた人の声の賑やかさが、ここまで届いている。
「ウコン、早速テントを張るぞ、手早く終わらせねば海で遊べん!」
「よしきた、そっち広げてくれ」
ウイキョウが目を輝かせながら、手早くテント張りに勤しんでいる。
やり取りだけ見れば、ウコンさんはまるで叔父さんとか親戚のお兄さんと言った感じだが。見た目は屈強な筋肉を持つ男が二人である。
「あれは、完全にどこかの大学の強化合宿とかだよねぇ」
「そうそう、こう体育会系の……」
まるで心を読んだかのようなコメントに思わず相づちを打ってしまったが、そっと視線を横にずらすと女性が1人黙々と木々の間にハンモックを張っていた。
手早い作業で、あっという間にハンモックは釣り下がり、女性はその上へとゆっくりと横たわる。
体育会系組と変わらない程の高身長の女性に、一応は見覚えがあった。
「えーと、ペッパーさん、でしたっけ?」
「んー? ん、あーそうそう、ちゃんと話すの始めてじゃんね。アタシはペッパー、よろしくね」
手をヒラヒラとさせながらそれだけ言うと、またそのまま寝転んでしまう。
そして、すぐにすやすやと眠りについてしまった。
「そいつはほっといてやれ、田中。もともと夜行性の奴が無理して早起きしてるからな、一度寝付いたら梃子でも起きんぞ」
てきぱきと手を動かしながらウイキョウがこちらに叫ぶ。
それなりに大きい、その声を聞いてもピクリともしないということは、言われた通りに起きないのだろう。
「それより、お前も手持ちぶさたなら手伝え。早くしないと日が暮れてしまう」
「っと、そうだな、すぐ手伝うよ」
荷物を置き、二人の作業している所に駆け寄る。
三人で行えば、かなり早く程なくして大型のテントを二つ、綺麗に張り終えることができた。
「そういや、ペッパーさん以外の女性陣と首領は?」
「首領はおそらくここから少しした所にここの管理者がいる。挨拶に向かってくれたのだろうな……あと、女性陣は」
そうウコンさんが言いかけたところで、後ろから騒がしい声が聞こえてくる。
「はーっはっはっは!! 男子諸君、待たせたなぁ!!」
先頭で声を高らかに、あげているのはベイリーさんであり、振り向けば既に水着を着て浮き輪を持ち、準備万端の状態でふんぞり返っていた。




