組織とキャンプとカレー作り・其の四
轟く爆音、煙るスモーク、そしてそのなかで煌めくスポットライトに照らされながら、決めポーズを決めるウイキョウ。
煙がしまる目を擦ることもせずに、あまりに唐突な出来事にただ呆然とそれを見つめる。
「あれを、君にもやって貰おうと思う!」
にこやか、であろう首領のサムズアップ。
「いやいやいやいやいやいや……いやいやいやいや!!」
手を激しく横にふり、全力で否定する。
無理だ、絶対無理。恥ずかしいというか、昔をほじくられているというか……とにかくゾッとする感覚が背中を刺激し続けている。
というか、ウイキョウはあれに恥ずかしさとか……感じてないな、あのキラキラ輝いた顔は。
そもそも彼は中学生……こう言うのは大好物のはずだ。
「素晴らしい口上。また腕を上げたとみた」
「爆発までポージングがいい感じ決まってるわね。前より少し動きをあえて少なくして、強固さをアピールしたのかしら……?」
あ、駄目だ、他の人も夢中で評価してる。この流れは逃れないぞ!!
「あー、その、自分……すいません、突然だから全然思い浮かばないというか、出来れば次回までの宿題といいますか」
それでも、細やかな抵抗を試みる。なんとか逃れなければ、俺の心は多大なダメージを受けてしまう。
こう、中学二年生的なダメージを。
「ははは、こやつめ。安心したまえ、そこは分かっている。
今日言って『はい、出来ました』なんて……口上はそんなに甘くない!!」
あ、なんか不味い琴線に触れた気がするぞ。首領の言葉に周りから、同意の声が飛び交ってくる。
気迫に負けて、思わず小さくすみません……と謝ってしまった。
「そこら辺はバスのなかでしっかりと講義するとして」
「あ、はい……講義されるんですね」
「君の分の口上は、もう私が作ってきた!!」
あー、完成済みですか、そうですか。
どよめく周囲の面子。
ざわめきのなかに、「あの首領が……」「なんてうらやましい……っ!」なんて声が聞こえる辺り、他の人にとってはかなり光栄なことなのかもしれない。
周りを見渡せば、黒ずくめのまま全員が自分の番を待っているかのように、うずうずとしている。
その中心にいるのは、自分と首領であり。
この状況に一ミリの逃げ出す隙間が無いことは明らかだ。
「さぁ、張り切ってやっていくぞ!!」
首領が鬨の声をあげ、それはホール内に反響する。
それを皮切りに、我先にと皆々がローブを脱いでいくのだった。




