表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カレー侵略始めました!?  作者: 葱野とろ
紅い正義を撃て
16/71

紅い正義を撃て・その十参

「悪の組織が関わっているかはともかく、あなたが本当に料理に対して真摯にやっていたのは分かりました……その、お店壊してごめんなさい」


 なるほど、先ほど謝ると言っていたのは、この事だったのか。


「んー、まぁお店は結局直ったし、新しいメニューもできたしあまり気にしてないよ?」

「後、グラス……」

「それはもう、忘れたことにしたんだ……」


 俺のコレクションは犠牲になったのだ……。


「あ、う、ごめんなさい……」

「あ、いやいや、一応まだグラスは残ってるし、買えないものじゃありませんから!」


 落ち込んだように俯いたので、慌ててフォローする


「確か、正義のヒーローだったんですよね? 立場的に、戦うの仕方ないと思いますし……そんな申し訳なく思わないでいいですよ」

「でも……」

「君は、俺が悪の組織に属していると言うのに、俺のカレーを認めてくれた。店が壊れたのなんて、それでチャラですよ」


 思えば、誰かに対して一対一で自分の料理を食べさせるのなんて初めてだった。

 そして、彼女が一言『うまい』と言ってくれた時、今まで感じたことのない程嬉しく思えた。

 自分の料理を認められる、今までの自分を認められたようなそんな感覚。

 それがなにより嬉しかった。


「なので、これからもあんな感じに元気に食べに来てください」


 もちろん、また壊されたら困りますけど、苦笑いしながら、彼女に答える。

 すると彼女は、少しだけぽかんとこちらを見つめた後、顔を伏せてしまった。

 気づかぬ内にマズイ事を言ってしまったのだろうかと、焦り声をかけようとした瞬間、彼女は顔をあげて笑顔を見せた。


「……分かったわ。これからも、食べに来るから、美味しい物食べさせてよね」


 先ほどとは違う、砕けた喋り方。しかし、それがなんとなく彼女らしいと感じた。


「それじゃあ、早速、私は今日の日替わりで!」


 横で俺たちのやり取りを見ていたゆきちゃんが、元気よく注文を言う。


「あ、じゃあ私はチキンタツタカレー!」


 それにつられるように、赤崎さんも注文をする


「私は、日替わりチキン相がけカレー」

「はいはい……いや、クローブちゃんは働いてね!?」

「ちぇっ……ばれた」


 楽しそうに話し合っている二人の少女を一瞥して、厨房に入る。

 波乱は確かにあるものの、やはり、自分の店を持てて良かった。

 そう思いながら、俺はエプロンを締め、カレー鍋の前に立つ。



 カレースタンド モダルカン。今日も、平常運転だ。



ここまで読んでいただきありがとうございます。

誤字、間違いがありましたらご指摘お願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ