表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/60

第15話:俺は、この屋台で生き直すと決めた。

ある日、屋台の仕込みをしていた時。

「おまえさん、高級食材に頼りすぎじゃないかね?」

オヤジさん――先代の屋台の店主――がそんなことを言ってきた。

「ここは『屋台』なんだ。あまりお金のない人も来る場所だ。むしろ、そういう人たちの場所、と言ってもいい。もっと、安くて満足してくれる料理を目指してみてくれんか」

俺は、オヤジさんの言葉にうなだれた。俺は、もう、高級ホテルの総料理長ではない。屋台の料理人なのだ。屋台に来る客層を考えなければならなかった。それに悩み、克服できてないことを見透かされていた。

高級食材を使えば、確かに美味しい料理を提供するのは容易い。しかし、それでは、値段の面で、どうしても客を選んでしまう。それでは「この屋台」は成立しないのだ。

俺は、俺自身の「驕り」を恥じた。

「オヤジさん。すいませんでした。私は、まだ、『ホテルの総料理長』であったことを忘れられてなかったです」

オヤジさんは言った。

「いや、その気持ちを忘れる必要はない。ただ、その意識を『屋台の客』にも合わせられることはできるだろう、ということじゃ」

オヤジさんは笑った。

「お前さんの料理の腕は、屋台料理でも発揮できる。それを試しなさい」

オヤジさんの言葉は優しかった。

「ここで、この屋台で、もう一度、俺の料理をやる」

俺は、改めて、そう思うのだった。


次回予告:

ホテル時代のやり方が、ふと頭をよぎる。

だが、俺はもう屋台の店主。やり方を変えなければいけなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ