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崩壊への足音

魔導人形編の最後に突入しました。


…魔導人形の騒動から数日がたった。


半壊した格納庫は議会の承認を得て、復旧工事に取り掛かり、カークやアウゼン博士は魔法による集中治療を受けて、順調に回復していた。


そんな中、ソル以下の魔導騎士の隊長達は、作戦会議室に団長から呼び出される。

会議室は魔法で映像が写し出される魔具を中心に椅子が並べられており、隊長達はそれぞれ椅子に腰をかけた。


遅れて入ってきた団長に、直立し敬礼をする隊長達…団長は敬礼を返し、隊長達に座るように指示を出した。


「遅れてすまない…本日は3日後に控えた警護任務について説明を行う。各隊員に伝達するために、よく君達は理解しておいてくれ」


団長が右手を天井にかざすと、部屋の中心に置いてある魔具が輝きだし、ベルマー王国周辺の地形が写し出された。


「事前に通達した通りに、今回は国をあげての催し物となる。ハイエルフを捕らえた事を周辺各国に伝える演説を陛下が行うのだ。当然だが、騎士団とは合同に警護にあたる…そこで我々の担当だが」


写し出された地図の王国の内部と、城壁から少し離れた所が円状に赤く光り始める。


「我々、魔導人形の有人部隊を分割する事になった。城壁の外側周辺と…王国内部に1部隊を配置。尚、南側は山脈があるため、警護は騎士団と合同で受け持つ事となった。まぁ…ディンゴや野獣くらいしか脅威が無いとは言えるがな」


ソル

「南側の他に城壁の外には騎士団は配置されるのですか?」


団長はソルの問いに首を振った。


「いや…騎士団は南側と内部のみ配置される。我々は外壁周辺を警護せよ、との命令だ。各国には陛下の演説を魔具によって写し出される…演説中に魔導人形を視界に入らせたくないのだろう。内部には最低限の1小隊のみを配置する」


サイフォン

「フン…大方、魔導院の差し金だろうよ…俺達は、とことん嫌われているようだな。ソル?」


ソル

「そうでもない…魔導人形はエルフとの戦争を前提にして作られたものだ。市街地で何かあった時に、敵を制圧するには機体が大きすぎる。とはいえ…1部隊のみの配置には、いささか疑問が残るが…」


団長は手に持った書類を机に置き、腕を組みながら隊長達に向きあい話した。


「内部の部隊は誰にまかせるかだが…私としてはサイフォンに任せようと思う。ソルは城壁の外の指揮を頼みたい」


名指しで指名されたサイフォンは、驚きを隠せなかったが、城壁の外で指揮を取るのはソルの方が適任だと理解し承諾する。

ソルも団長の提案をのんだ。


「尚、本日付けで小隊長に任命する事になったアリーシャ・ブレード1等魔導騎士とカーク・フロイド2等魔導騎士も本作戦に部隊長として参加する事も決まっている…カークにはアリーシャが説明しておいてくれ…警備任務の説明は以上だ。質問がなければ解散とする」


隊長達は椅子から立ち上がり、団長に敬礼をして解散していく…ソル達の後方で座っていたアリーシャも、団長に敬礼をしていた。


サイフォン

「しっかし…アリーシャはまだしも…なんで、あのバカが隊長に選ばれたのかが未だに理解できねぇ…人員不足にしてもだ」


椅子に座り直したサイフォンは、ウンザリしながらソルに話した。


ソル

「隊を指揮出来る人間は1人でも多い方がいい。先の戦闘では悪くない指揮をしていた。今回のような警備任務で、実際に指揮を取る事を学ばせた方が良いと団長は判断したのだろう。これからの戦いには実戦経験をつんだ者が必要だ」


サイフォン

「…あのバカ…今頃つけあがってんじゃねぇか?野郎が城壁の外でバカやった時は教えろよ。隊長としての心構えをみっちり叩きこんでやるからよ」


ソル

「…了解した。その時は頼む」


苦笑しながら答えたソルにアリーシャが近づき、ぎこちなく敬礼をする。


アリーシャ

「ソル隊長…今度の任務ではご迷惑をおかけすると思いますが…宜しくお願いします!」


ソル

「…ソルでいい。階級も同じになった事だし隊長職に就いているのだからな。敬語は使わなくていい」


アリーシャ

「え…?い…いや…それはそうですが。その…」


赤くなり照れているアリーシャの顔を見ながらソルは首を傾げていた。

アリーシャは深く頭を下げると、逃げるように会議室から立ち去っていく。


ソル

「…?サイフォン…俺は何か変な事を言ったか?」


サイフォン

「まぁ…俺はアリーシャの気持ちが分からんでもないがな」


ソル

「…?」


サイフォンは溜め息をつくとソルの肩に手を乗せて、面倒くさそうに話した。


サイフォン

「お前って…そういうとこ…ホントに鈍いのな」


なんの事か分からないソルの横顔を見ながら、サイフォンはアリーシャやアウゼン博士の苦労が分かったような気がした。

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