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作戦

ドラゴンは大きく口を広げながら突進し、風の力を収束させた塊「ブレス」を連続して放ってくる…だが、零の型で迎撃する魔導人形達の魔導障壁には通用しなかった。

障壁に当たったブレスは次々に散り、魔導人形達の周囲に土煙を巻き上げる。


サイフォン

「芸のねぇ野郎だ…無駄だっていうのを分からねぇのか? …チッ!煙で前が見えねぇ……っ!?」


突進してきたドラゴンは、煙に巻かれた魔導人形達の手前で、体を半回転し捻った。

回転による遠心力で、白銀の尻尾が鞭のように、しなりながらサイフォン達に襲いかかる。

サイフォンとアリーシャは素早く反応し、迫りくる尻尾を剣で防御した。

2人のおかげで尻尾による薙ぎ払いの直撃は避けられたが、防御した2体の魔導人形は弾き飛ばされ、後列にいたニックとカークを巻き込みながら倒れてしまう。

魔導人形の上半身を起き上がらせながら、サイフォンはアリーシャに向かって話した。


サイフォン

「…いい反応だったな…アリーシャ。俺だけなら受け止めきれなかったかもしれねぇ…助かったぜ。…あの野郎…ワザとブレスを放って土煙を巻き起こして攻撃しやがった。俺が思った通りの単純な野郎じゃ無いようだな」


アリーシャ

「ええ…ですが、それ以上厄介なのが、奴の龍鱗です。隊長のクレイモア…私の魔導刀で、あの程度の傷とは」


ドラゴンの長い首の真ん中辺りに、アリーシャがつけた切り傷があったが、強固な龍麟が欠けただけで、血が出るほどまで深く切れてはいなかった。


サイフォン

「まったくだ。あれだけ硬い龍麟だとは思わなかったぜ…さて、どうするか…? 力押しじゃあ…しんどそうだな」


ドラゴンは目を細めながら、尻尾を地面に叩きつけ様子を伺っていた。


カーク

「…自分に考えがあるッス。多分…上手くいくかと」


恐る恐る話すカークにサイフォンは、少しイラつきながら答えた。


サイフォン

「なんだ? くだらねぇ案だったら、魔導人形ごと蹴っ飛ばすからな…慎重に発言しろよ」


カーク

「…多分ッスけど。自分の魔導砲を収束させれば効果があるかと」


アリーシャ

「収束?…一体どういう事だ?」


カークが答えようとした、その時にドラゴンは呪文の詠唱を始めた。龍言語を使用した詠唱の魔法は、見たことも無い複雑な魔方陣をドラゴンの周りに浮かび上がらせた。


サイフォン

「話は後だ!ドラゴンが魔法を使うなんて聞いてねぇ…効くか分からねぇが、ニック!対魔法だ!」


ニック

「り…了解!」


赤く輝く文字が高速回転する光の玉を、魔導人形の胸から発射するニック。

魔方陣に触れた光の玉は呆気なく飛び散ってしまった。

その間、魔方陣はさらに巨大になりドラゴンは最後の詠唱を終えようとしていた。


サイフォン

「全員!出力を最大にして魔導障壁を作れ!でかいのが来るぞ!」


「…スウォーム」


最後の詠唱を唱え終わった瞬間、魔方陣が眩しいほど緑色に輝き、ドラゴンを中心に円形状に衝撃波が巻き起こった。衝撃波は周りの物を粉々に砕きながら広がり、サイフォン達に襲いかかる。

強固な魔導障壁も衝撃波には耐えきれず、零の型で防御した魔導人形達を次々と吹き飛ばした…


吹き飛ばされ地面に叩きつけられる魔導人形…

悪態をつきながら最初に、立ち上がったのはサイフォンだった。


サイフォン

「チッ! 装甲材質は量産型と変わらねぇからな…両腕の動きが、おかしくなりやがった。オイ!オメーら生きてっか?」


後方に飛ばされた小隊の皆を見ながら話す。


ニック

「全く無事とはいえませんが…自分は何とか大丈夫そうです…特別機だからでしょうね。かなり頑丈です」


アリーシャ

「私もです。脚部に損傷が少し認められますが問題はありません」


カーク

「頭がフラフラするッス…なんで俺の魔導人形だけ回転して飛ばさるんスかね…まあ、機体は異常なしッス」


サイフォン

「…カーク。貴様の策を聞こうじゃねぇか… 手短に話せ」


ドラゴンは強力な魔方を使用した反動なのか、襲いかかりもせず、こちらをジッと見ている。

魔導人形達はサイフォンの元に集まり各々の武器を構える。


カーク

「簡単に言うと、魔導砲でアリーシャさんが傷をつけた場所を狙い撃ちして仕留めます」


アリーシャ

「馬鹿な事を言う…奴の龍麟の硬さは見ただろう? いかに魔導砲といえど弾き返されてしまうのが分からないのか」


カーク

「…たしかに普通に撃っただけじゃあ通用しねーッス。けど…同じ場所に、あと一撃加えてくれたら…こいつの本来の使い方で仕留められると思います。これで駄目なら、我々はオシマイでしょう」


ニック

「本来の?」


カーク

「…魔光石「魔導砲に入っている魔力」の力を全て収束させて撃ちます。…これを最初から、やらなかったのは……いや、なんでもないッス」


(暴発したら最悪死んでしまうかもしれないから、博士に止められてたんですけどね…こんな事言ったら止められちゃうし)


ドラゴンは首をグキグキっと鳴らして雄叫びをあげる。巨大な翼を広げると羽ばたき、中に舞う…サイフォン達を空中から見下ろしていた。


サイフォン

「…我々はオシマイときたか。フン…それほどまでに自信があるなら乗ってやろうじゃねぇか」


クレイモアを正面に構え、ドラゴンを迎え撃つ体勢をとった。


アリーシャ

「隊長!まさか…」


サイフォン

「剣が効かなきゃ俺達にはどうしようもねぇ。ここは1つ騙されたと思ってカークに協力してやろうぜ。ま…俺の勘だが、仕留められそうな気がしてな」


ドラゴンは魔導人形達の上空で旋回をしている。ニックはドラゴンを地上に落とす為に魔光を再度放った…




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