悪夢
「ソル隊長! エルフが市街地に侵入しました! 無人魔道人形隊は全滅…第3小隊は隊長機のみ稼働しています! 現在、白銀騎士団が…」
「…あとは頼んだ…死ぬなよ…ソル 」
ソル
「駄目だ! 行くんじゃない! 何か手はあるはず…」
「隊長……申し訳…ありません…あなたは…生きて…」
ソル
「 誰か…誰かいないのか! 医療班はどこに…」
「これで君だけになったわけだな? ソル隊長…もう虚しい抵抗は止めたまえ…いくらあがいても…」
ソル
「貴様だけは…必ず殺してやる! お前だけは絶対に…」
「それでは第2の切り札をお見せしようか。君の愛しい女性を…」
「ゴメン…ね……やっぱり……こうなる運命だ…ったんだよ…ソル兄さ…」
ソル
「…エミリア…力を貸せ! もうどうなっても構わん…俺には…もう守るべき者はいなくなった。ただ目の前の敵を殺す力が欲しい…」
ソル
「ハハハハハハ!!! どうだ? 苦しいか? もっと苦痛を与えてやる! 俺の部下や仲間が味わった痛みを味わせてやるぞ! ハーーハッハハハハ! 貴様の頭蓋を砕いて部屋中に…」
ソル
「お前達を全て駆逐してやる…女!老人!子供!赤子!皆殺しにしてやるぞ! クククク……泣き叫べ! 許しを乞え! それが死んだ仲間の供養になる。俺がお前達の全てを壊してやる…」
ソル
「そうだ! 逃げ回れクズども! アハハハハ! まるで虫ケラのようだ! エミリア!お前もそう思うだろう? 今日は何人狩れるか楽しみだ! フフフ…アーハハハハハ!」
ソル
「…やっと見つけたぞ! あの時のハイエルフめ! あのダークエルフと同様に… ん? なんだ貴様は!? 人間がエルフを助けるだと? いったい何のつもり…」
ソル
「バ…バカな! 俺が負けた?まだ…俺は部下や仲間の仇を…こんな所で…死ぬわけには……エミリア!なんとか …」
真っ白な空間に浮かんでいるソル。肉体は滅び…魂だけの存在になってしまった。
呆然と前を見ていると、エミリアが現れた。
エミリア
「これは1つの未来…数ある未来の中で最も陰惨な未来です」
ソル
「未来だと?何を言っている」
エミリア
「ソル隊長…憎しみにとらわれてはいけません。私の言った事を…どうか…忘れない…で」
エミリアは、そう言い残すと白い空間に消えていった。後には魂だけになったソルが残された。
無音の空間に音が鳴り響くと、突然白い空間からソルの部下と仲間が現れた。
彼等はソルにゆっくりと近づき、次々と怨みの言葉をかけてきた。
「隊長ぉ~何で死んじまったんすか? 俺たちの仇をとってくれるんじゃなかったんですかぁ~?」
「…お前に任せなければ良かったな。俺は何のために死んだんだか…」
「隊長…なんで死んでしまったのです…どうして」
「ソル…お前までこっちにきたら父と母が悲しむだろう?お前ともあろうものが…」
「やっぱり…アタシがいけないんだよね。ソル兄が使いこなせない魔道人形を作ったから」
ソル
「み…みんな…すまない…俺は」
「どーせ…仇なんて言っても、やる気なんか無かったんすよね?エルフを狩る事に夢中でしたし」
「そうなのか?…ソル…見損なったぞ」
ソル
「ち…違う…そんな事は」
「みーんな分かってますよ。隊長の心の中には暗い闇がある事に…クククク…アハハハハ 」
「そう…自分が魔道人間になれなかった怒り…憎しみ…嫉妬。家族である兄にも向けてたんでしょ?自分の闇を…フフフ」
ソル
「違う!…やめてくれ! そんなことは考えていない!」
「俺に? ソル…お前はそんな奴だったのか? お前だけは違うと…」
ソル
「やめろぉーーーー!!!」
叫び声と共に空間が割れて破壊される。
魂だけのソルは亀裂の中に消えていった。




