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報告

 ーー「魔導騎士団養成所 団長室」ーー


「我が国の領地内に侵入したエルフを2体撃破しハーフエルフを1体確保。損害は隊長機を含む2体の魔導人形が中破…搭乗員の魔導騎士は全員負傷無し。以上の報告に間違いは無いな? ソル・スティング1等魔導騎士」


ソル

「相違ありません」


机に座った男にソルは直立し敬礼をしつつ答えた。男は手にした書類を再度見つめると、椅子の背もたれに寄りかかりながら話した。


「ハーフエルフを捕獲したのは良かったが、肝心の戦闘結果がこれではな…魔導院の連中が騒ぎ立てる口実を作ったようなものだ…」


ソル

「…我々が魔導人形を開発したように、エルフも独自の技術を向上させています。捕虜のエルフには魔導人形の装甲を砕く能力はありませんでした。」


「それは戦闘報告にあった例の右手の事か?…それでも魔導人形の方が数が多かったにもかかわらず、エルフに苦戦してしまった事実は変わらん。」


ソル

「………」


男は手にした書類を机の上に置くと椅子から立ち上がり、背中を向けて話した。


「サイフォン小隊がエルフを見失った事は聞いているだろう? この事態に王国騎士団の半数以上がエルフの捜索任務に全力であたっている…勿論、我々魔導騎士団も自動操縦にした魔導人形を全て出撃させてはいるが…エルフを見失った我々の責任は重大だぞ」


ソル

「私の小隊が撃破した事でエルフ達は逃走したのではないでしょうか…?」 


「…それを確定出来る証拠は無いだろう。魔導院の探知魔法に反応しない結界を使用している以上、我々の王国内にいまだ侵入している可能性もありうる。」


男はソルに振り向いて話す。


「お前達にもすぐ出撃してもらいたかったのだが…」


ソル

「何か問題が?」


ソルが男に問いかけたのと同時に、団長室の扉が勢いよく開き、白衣を着た女性が入ってきた。


「オーッス!ソル隊長!…ゴメンね~アタシが団長にお願いしたんだ。エルフとの戦闘の事をもっと詳しく聞きたくてねぇ~」  


ソル

「アウゼン博士…戦闘記録の報告書は提出したはずですが…」


博士は指を左右に振りながらソルに近づいてくる。


アウゼン

「報告書? あー…いちおー読んだけどさ~やっぱ生の声が聞きたいってやつ? 文字じゃ伝わってこないんだなぁ~。つーことで団長! ソル君はお借りしまーす!…あ!お店は予約しておいたからね~心配しなくていいよ♪」


ソル&団長

「………」


「ア…アウゼン博士。我々は今、非常に危機的状況にあるのですが…」


アウゼン

「だ~か~ら~魔導人形の強化は急いでしないとヤバいっしょ? その為にソル君を借りるんだからね。え~と…カーク君・アリーシャちゃん・ニック君だっけ?みんなも連れてきてね~。アタシは先に店に行って飯食ってるから…あ!店はオーガハウスだかんね♪ヨロシクッ!」


ソル

「…り…了解です」


言いたい事を言ったアウゼン博士は敬礼の真似をすると、白衣を引きずりながら団長室を出ていった。

団長は咳払いをするとソルに話しかける。


「…命令だ。アウゼン博士のいる店に行ってこい」


ソル

「了解しました」


「………」


ソルは団長に敬礼し団長室を後にする。

団長は椅子に座るとぼそりと呟いた。



「こんな時に呑気に飯を食ってる場合じゃないと言うのに…まったく」


天井を見上げる団長はガックリと肩を落とした。

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