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少女

魔導人形達がカークを先頭にハーフエルフの反応がある結界の中心へと動きだすのと同時に、ドーム状の結界に亀裂が入り結界は消滅する。


カーク

「…隊長! 結界が消えました!」


ソル

「………反応はどうなっている?」


ニック

「ハーフエルフは結界の中心の位置から動いていません」


ソル

「諦めて投降する意志を示したつもりなのか…? 警戒は怠るなよ」



反応があった場所へ進む魔導人形達…

そこにはハーフエルフの少女が目を閉じて立っていた。

少女に向かってカークは話しかける。


カーク

「膝をついて両手を頭の後ろで組め!…それ以外の動きを見せたら即座に攻撃をする。大人しく投降するなら手荒な真似はしない」


(………この子、俺と同い年位かな…噂には聞いていたけど…ハーフエルフって本当に人間と見た目は変わらないんだな)


カーク

「………聞こえているのか?」


「………」


言われた通りに少女は膝をつき両手を頭の後ろで組んだ。目を閉じながら行動する少女に、不思議そうにカークは問いかける。


カーク。

「どうして目を閉じているんだ?」


目を閉じている事を指摘されると、少女は少し困った表情をする。

何かを伝えようと口を動かしているが、声が聞こえない。


カーク

「??? オイ!いい加減に………」


ソル

「………! もうよせ!カーク! …その娘を連れて帰るぞ」


カーク

「は…はい! では捕獲用の…」


ソル

「それも必要無い…魔導人形の掌にでも乗せてやれ。ゆっくりとな」


言い終わるとソルの魔導人形は背を向けて王国の方角へと進み始めた。

カークはハーフエルフの娘を魔導人形の手で捕まえると、ゆっくりと掌に乗せてソルの後に続く…


アリーシャはソルの魔導人形に追いつくと皆に聞こえないようにソルに話しかけてきた。


アリーシャ

「あの娘…足の腱を斬られた痕があります。…あれはエルフがやったのでしょうか?」


ソル

「…逃げられない様にしたのだろうな。視覚や声帯も奪われているようだ」


アリーシャ 

「酷い事を…」


ソル

「酷い…か。あの娘を王国に連れて帰れば、我々はそれ以上に酷い事をする事になる。

…生きながら魔硝石を体内から取り出すのだからな」


アリーシャ

「………そう…ですね」


アリーシャとソルが話し終わるとカークの魔導人形が急に立ち止まった。


ソル

「どうした? カーク」


カーク

「さっきから何か言いたそうにコッチを見てくるんです。この子…声を出すことが出来ないようなんで…書く物を渡そうかと」


ソル

「………俺が渡そう」


ソルは魔導人形の胸の搭乗口を開き、カークの魔導人形へ近づいた。


掌に座りながら乗っている少女に書く物を渡す…少女は目を閉じながら受け取ると文字を書いた。

書かれた文字は、目を閉じて書いているために多少乱雑に書かれてはいたが…解読出来ない程ではない。

少女が書いた紙にはこう書かれていた。


(助けて頂いてありがとうございます。私はエミリアと申します。御礼を言いたいのですが…私は声を出す事が出来ません。筆談による会話の無礼を許して下さい)


ソル

「…1つ勘違いしている事がある。我々は君を助ける為に来たわけではない。むしろ君を捕らえに来たのだ…人間である我々がハーフエルフの君を捕らえにきた訳は解るな?」


少女は頷くと、紙に文字を書いてソルに見せてきた。


(全て解っています。私は貴方と会うのを夢の中でずっと見てきました。直接この目で貴方を見られないのが残念ですが)


ソル

「………? 夢の中だと? 一体何の事だ」


(全ては繋がっています…ここで私達が出会う事…その後に起きる事…その為なら喜んで私の魔硝石を貴方に捧げましょう。)


ソル

「君は…何なんだ? 何を知っている? これから起きる事とは…」


少女は紙を置くと、笑顔で答える。

動揺するソルにアリーシャが話しかけてきた


アリーシャ

「…隊長。どうなさったのです? その娘が何か?」


ソル

「いや…何でもない。 急いで王国へ戻るぞ…今から戻れば夕刻には帰れそうだからな」


搭乗口を閉めてソルの魔導人形は、再び王国へと動きだした。

少女はカークの魔導人形の掌で目を閉じて大人しく座っている…その様子をソルは横目で見ながら考える。


ソル

(全く…解らない事だらけだな。あの娘の話もそうだが…あのエルフ達もそうだ。あの規模の結界ならエルフが何十人といてもおかしくないのだが…結界内にいたのはたった2人…どう考えても妙だ)


考えこみながら移動を続けるソルにアリーシャが話しかける。


アリーシャ

「隊長。王国に戻り次第、アウゼン博士に今回の戦闘結果を報告しないといけませんね」


ソル

「ん…そうだな。」


アリーシャ

「あのエルフの魔法…なんだったのでしょうか? 魔導人形の装甲を簡単に切り裂く魔法とは…」


ソル

「解らん…そもそもアレは魔法では無いかもしれん。…憶測だがな。」



魔導人形達は急ぎ王国へと向かった。

エルフ達が王国の領地に侵入してきた事…ハーフエルフを捕らえた事…そしてエルフ達に対抗する為に作られた魔導人形の戦闘能力を上回るエルフがいた事を伝えるために。



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