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運命は変えるもの  作者: ひろぽんすけ
旅立つ者
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死者

俺達はモリス村に向かっている。街からは2日程かかるらしい…今の所、死者の姿は無く、ひたすら馬車で道を進んでいた。


エイト

「もう街を出て2日が過ぎたけど……道はコッチであってるよな?」


ローズ

「はい。この道を進めば着くはずです。…でも変ですね。もうモリス村がある森が見えてもおかしく無いのですが…」


森どころか周りを見渡しても草原だけ…道がひたすら続いてるだけだ。

前の方にうっすらと霧がかかっているが、とりわけ異常なものでもない。


アレス

「……何かいる」


霧の方を見ながらアレスは呟いた。

俺は全く見えないが、竜には見えるのだろうか。馬車を止めてボウガンの矢を装填し構える。


エイト

「…どこにいるんだ?前か?」


アレス

「ん…前…いや…ちがう右?」

 

構えながら右を見るが何もない。


エイト

「ローズ。何かいるか?」


ローズ

「誰もいません」


アレスの勘違いか?異常は無く、この草原は俺達しかいない。

緊張した構えを解いてボウガンを降ろした。


アレス

「囲まれている…肉の腐った臭いだ。」


エイト

「俺達以外に誰もいないぞ。周りは草原しか無いじゃないか。………ん?」

汚らしい服を着た人間達が突然、馬車の周りを取り囲む様にあらわれた。


ローズ 

「エ…エイトさん!これは…」


アレス

「…どうやら僕達は騙されたようだ。この景色は幻覚だ」


前にかかっていた霧が俺達を中心に回り始め、景色が歪んだ。

そして霧が無くなると周りの景色は深い森に変わっていった。


エイト

「……これは!?俺達はすでに森の中にいたのか」


アレス

「森の臭いは感じなかった。コイツらに関係しているのかも」


エイト

「考えるのは後だ!コイツらは人間じゃないぞ。」


周りを囲んでいる者達には生気が感じられなかった。皆、汚らしい服を着て髪はグシャグシャ…唸り声を上げてゆっくりと近づいてくる。そして首がとれかかっている者もいれば、腹から臓物が飛び出している者もいる。

目は黄色く濁っている…見えているのか分からないが、死者は俺達を凝視していた。


アレス

「……フン。こんな奴ら」

すかさず大剣を持ち死者の群れにアレスは斬り込んで行った。

アレスが大剣を右から薙払うと、死者は胴体が裂けて上半身が吹き飛んでいく。

並みの力では腐っているとはいえ、人間は吹き飛んだりしない。あの大剣と竜の力があってこそだろう。



アレスとは違い、ローズは力任せではなく、死者との距離を素早くつめて連撃を浴びせていた。死者はローズに掴みかかろうとするが、緩慢な動きの死者ではローズは捕まえられない。

捕まえようとする腕を、逆に引き寄せて肘を顔に打ち込み…よろけた隙に腕をひねり死者は地面に倒れる。トドメの踏みつけを顔面に喰らい、イヤな音を立てて死者の頭蓋が割れ完全に動かなくなった。

体術が得意で小回りのきく身体を利用した立ち回りだ。



そんな2人とは違い、俺は馬車の荷台からボウガンで狙い打ちをしている。

やろうと思えばクロムダイト鋼の剣で薙払う事はできたが……予想以上に死者が気持ち悪い。

肉弾戦で死者と戦うローズに尊敬を抱くほどだ。なるべく近寄りたくないので、ボウガンで狙う事にした。


エイト

「なるほど…たしかに頭が弱点のようだな」


頭に矢が刺さると死者は、なさけなく足から崩れ落ち動かなくなる。

アレスが上半身を吹き飛ばしているが、上半身のみでも死者はこちらに向かって近づいてくる事から、頭を狙わなければ意味がない。


エイト

「頭を狙え!剣を頭から垂直に振り下ろせ!」


アレス

「……うるさいなぁ!わかってるよ」


憎まれ口を叩きながら指示に従うアレス。

戦い方を薙払いから振り下ろしに変える、死者は頭から大剣を喰らい文字通り真っ二つになる。



死者達の数は瞬く間に少なくなる。

 


数は多かったが、緩慢な動きの死者達では相手にならない。


エイト

「……終わったな。2~30はいたか?チト驚いたが、大した相手ではないな」


アレス

「何言ってるんだ。荷台から撃って楽していたじゃないか」


ローズ

「そんな事ないですよ。私達が襲われそうになったら援護して下さいましたし」


エイト

「そう言うこと。役割は果たしてるんだな」


アレス

「……フン」


馬車の周りには動かなくなった死者の亡骸?が転がっている。

あの霧は悪魔の仕業と見て間違いないな。村に近づかせない様に仕掛けていたに違いない。

逆に言えば、それだけ村に近いと言ったところか。


エイト

「村は近いと思う。ローズは後ろを見張ってくれ。俺は前と左右を見る…アレスは臭いを感じたら、すぐ教えろ!」



何とかして夜までには村に着きたい…夜で視界が見にくくなったら、こちらが不利になるからだ。

再び馬車を動かし深い森の道を進んだ。





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