ドラゴン
巨人の岩場に着いた。岩山はかなりの大きさだが…岩山の真ん中が入口みたいに割れている。…あそこにドラゴンがいるのか。
ホーク
「…あの岩山の入口を入って進むとわかるが、奥に行く程広がっていてドラゴンが住んでいる岩山の中心には円形状になっている。
…その中心の上で俺はボウガンを構えて狙い撃つぜ。あとは相棒…頼むぜ」
ホークは自分の翼を広げると空へ飛んでいった。あれがウィングマン…飛翔の呪文で空に飛んで自分の翼で方向を決めて飛んでいる。
……凄いな。
俺はコカトリスの盾と剣を構えて岩山の割れ目に進んだ。正直、怖い……盾を構えている手は手汗でビッショリだ。
心臓がバクバク音をたてているのが分かる。
……割れ目に入った。まだ昼時なので視界は暗くない。割れ目から日が入っているからだ……ん?何だ?この臭いは。
……肉が腐った臭いがする。
エイト
「……食べ残しか…うぇ……」
見慣れた街の兵士の服を着た死体が転がっていた。半分白骨化しているが、まだ腐敗している。……こうはなりたくないな。
兵士以外も喰ってるようだな…村人の死体らしきものや馬の骨が転がっている。……行儀の悪いやつだ。少しは整理しとけ!気持ち悪くなるだろうが!
俺は中腰で盾を構えながら音を立てない様に進み…岩山の中心に着いた。
ホークの言った通り円形状の広い空間だ。真ん中に肌色の大きな塊が丸まって寝息をたてている。
……あれがドラゴン?全体的に丸い…背骨が皮膚からでているのだろうか。丸い爬虫類顔だが牙が2本下顎まで伸びている…腕は丸太位太いな…手には爪があるが、これまた丸く引っ掻く爪と言うより踏ん張る為にある感じだ。
……なる程。空を飛べないが陸上の動きに特化したドラゴンというわけか。たしかに羽は無い……しかし見るからに頑丈そうな体だ。
そういえばホークは?
上を見るとホークが吹き抜けの岩山の天井から俺に向かって手を振っている。
準備は出来た様だな……後はコイツをどう起こすか……あ…やべ…
ドラゴンは鼻をピクピクさせ目を開けた。肌色の皮膚と真っ赤な目は何とも気持ち悪さがある。ドラゴンは俺を見ると首をボキボキ鳴らして起き上がってきた。
……グオォォォーー!!!
下腹に響く叫びをあげて俺を見てくる。
オイオイ…デカいよ…デカい。声もデカいが体もデカいよ。
「また我を倒そうなどと夢見る阿呆がやってきたか…か弱き人間よ。何故そうまでして死にたがる?貴様らは寿命が短いくせに早死にする行動をとるのが我には理解が出来ぬ」
エイト
「おいおい…ドラゴンってのは言葉を喋るのか?聞いた話と違うな……知能があるとは知らなかったよ」
ドラゴンの動きが止まった。俺が奴の言葉を解した事に驚いているようだ。
「……!!!何故我らの言葉が解ったのだ。我らが竜言語を……しかも貴様の言葉は我の頭に直接流れ込んでくる。……何故そうなったのか我には理解出来ないが、会話が出来るとなれば話は早い。去れ!人間よ!」
エイト
「そうはいくかよ…散々人間を喰ってきたんだろ?いまさら命乞いとは情けないな」
「笑わせるな!貴様のようなひ弱な人間に命乞いなどするものか。我は腹は減ってはおらぬ…無益な殺生をしたくないだけだ。貴様は我を殺し何を得るのだ?富か名声か?…下らぬ…我は生きる為に食う。それ自体は自然界の掟に逆らっておらぬ」
……ドラゴンは続けて俺に話してきた。
「自然界の掟に逆らい自分達の欲の為に他者を殺す…貴様ら人間を哀れんでの事だ。何故これがわからぬ…貴様達はあまつさえ同種で殺しあっているではないか」
エイト
「お前が人間を食べるかぎり、俺達人間はドラゴンを敵とみなすだろう。種を守ると言う意味では、お前の言う通り自然界の掟に反していないと思うがな」
ドラゴンの瞳が一瞬妖しく輝いた。
「なるほど…種を守る為に戦う…と?ならば話は別だ。自然界の掟に従って我も戦うとしよう」
ドラゴンは再び叫ぶと俺に向かって走ってきた。
………くる!




