ホークの腕前
エイト
「なあ…本当に2人でグランドドラゴンに勝てるのか?…少し心配なんだが。」
ホーク
「あ……俺の腕を心配したろ?これでも狙撃の腕は街1番なんだぜ。……合図したらちょっとコレを前に投げてみろよ」
ホークは馬車に積んでいた手のひら位の果実を渡してきた。……こんな小さいのを投げて当てるのか?馬車に乗ってるし微妙な振動もあるなかで。
ホーク
「大体その大きさがグランドドラゴンの急所の大きさだ。ほら…投げてみろよ」
俺は力いっぱい果実を投げた。山なりに飛んで行く果実にホークはボウガンを構えて打ち抜いた。……果実は空中でバラバラになり落ちていく。見事な腕前だ…投げた後に構えて撃ち抜くとは。
ホーク
「構えた状態で撃てばさらに精度は上がるぜ。今のは余興みたいなもんさ…どうだい?安心できる腕前だろ」
エイト
「いや……腕前は凄いが。俺が言いたいのは2人って言うとこだ。数が多い方がドラゴンを引きつけやすいし、ホークも狙いやすいだろ?」
ホーク
「いや…それだとドラゴンの首が色んな方向に向いて狙いにくい。1人が引きつけるのが1番いいんだ。グランドドラゴンの急所は獲物を追ってる時の興奮状態じゃないと矢が効かないしな」
なるほど…寝込みを襲って一撃…とはいかないわけね。それだったらホーク1人で仕留めてるか…
ホーク
「エイト…ドラゴンの炎対策は出来てるのか?あればっかりは避けきれないぜ。物理攻撃なら何とかなるかもしれないけどよ」
俺は馬車に積んであった(コカトリスの盾)を見せた。
ホーク
「おー!コカトリスの盾かー!これなら炎は弾けるな。さすがは相棒だぜ!用意がいいな」
……誰が相棒だ。誰が…
ホーク
「つかよ…昨日のスードリ肉は美味かったろ?え?相棒」
ニヤニヤしながらホークは肩を叩いてきた。
……!!!何故昨日の夕食をコイツが知ってる!まさか…見られていたのか!
ホーク
「あの子にスードリ肉を渡したのは俺なんだぜ~?相棒にいい肉食って貰おうとしてな。いや~領主の奴隷に手を出すとは…なかなかやるねぇ~」
エイト
「おい!何でお前が俺が彼女の家にいる事を知ってるんだ。……まさか…領主にバラしてないよな?」
ホーク
「お~怖い怖い…そんな顔で睨むなよー。大丈夫だって。俺だって相棒が彼女の家から出てきたのを偶然見たんだからよ。領主にバラしたら彼女だって無事じゃ済まない位わかってるさ」
……それは俺だって無事じゃ済まないからな。ホークはさらにニヤニヤしながら脇腹を突っついてくる。
ホーク
「…で…どうよ?悪くなかったろ?ダークエルフって奴もよ。アイツら積極的だからな~
体もたねぇだろ。2日も相手してたらな」
エイト
「……やましい事はしていない。そんな事をする為に彼女を助けた訳じゃないし…だいいち卑怯だろ?そんな理由でするのは」
ホークは口をあんぐり開けながら不思議な動物を見るかのように俺を見ている。
……そんなに不思議な事か?
ホーク
「お…おい!マジか?種族が違うとはいえ年頃の男と女が同じ空間で寝て何もしない?……そんな奇跡があるのか?」
エイト
「……お前と一緒にするな。たしかに彼女から誘ってはきたが…俺は何もしてない」
ホーク
「オイオイ…それじゃあ彼女が可哀想だろ。彼女だって領主にバレたら最悪殺されるかもしれないんだぜ?にも関わらず自分の家に泊めたんだ。愛してやるのがお返しだろ?」
……そうなのか?いや……コイツは(たらし)だ。俺は間違ってない…はずだ。
ホーク
「はぁ~豪傑と言われても子供だな~肝心なとこで決めなきゃ男じゃないぜ?相棒!……と…そろそろ巨人の岩場だな」
あれか!大きな岩山が草原にポツンとたっている。街から見た時は薄く陰っていたが…近くで見るとかなりの大きさだ。ドラゴンが住んでいるのも頷ける。
ホーク
「楽しいお喋りはここまでだ。ぶちかまそうぜ相棒!」
…オマエが1人で盛り上がってただけだろ




