19話!
店が見えてきた。しかし、店先には人だかりができている。
「何であんなに人がいっぱいいるんだろ」
もしかして結構な人気店で行列ができているのだろうか。僕は少し早足で店に近づいた。
「人いっぱい、さすがに横入りする訳にいかないよね」
僕はおとなしく待つことにする。でも前に並んでいる人たちはなぜかカルウェッチばかりを購入していく。言うまでもなく嫌な予感をヒシヒシと感じる。やっとの思いで自分の番が回ってくると急いで店主のおじさんにカルウェッチを頼んだ。
「あっごめんねぇ! カルウェッチ品切れだよ……いやぁなぜか今日は大繁盛でさぁ、他のも品切れしそうだよ」
とても嬉しそうに店主のおじさんは言って笑った。またか。また食べられないのか。
「また昼には用意するからさ、朝は他のでかまんしてな!」
昼にはもうこの街にはいないよ。僕は心の中でそうごちると別のパンを自分とネピアに買って、東門に向かう。
「残念」
「しょうがないよ……次の機会にする」
自分を納得させるようにそう言ってネピアに微笑みかける。
「カルウェッチじゃないならネピアの分買わなくてもよかったのに」
「何言ってるの……食べ物の楽しみを覚えた方がいいよ」
少しの間、黙ったネピアがもそりとパンを口にする。それを見て少し、さっきの悔しさが紛れた僕はネピアの感想を待つ。
「甘くて美味しい」
「よかった」
ネピアに買ったのは砂糖がかかった甘いめ系のパンだ。なんとなく女子向けかなと思った。甘い物が苦手じゃなくてよかった。
「前にセルカたちが誘ってくれた甘味の食べ歩きあったでしょ?」
「あった……断った」
「ああいうの行っておいでね、魔道具じゃない人間としての楽しさを楽しんでほしいから」
「……うん」
無表情で返事をしたネピアがパンをパクパクと食べていく。何かを感じてくれたならそれで嬉しい。僕も自分で買ったパンを食べ始める。
「んー美味しい」
空腹にしみわたる美味しさ。二人は歩きながら完食してしまった。
「ついてから食べようと思ったのに食べてしまった」
「食べてしまった」
ちょうど食べ終わった頃、東門が見えてきた。なんだか人だかりができている。ワイワイガヤガヤと男たちが何かしているようだ。だんだん近づいてきて男たちの人着になんとなく見覚えを感じる。
「なんか……あれ」
僕はネピアを見る。ネピアの方も覚えがあるようだ。
「さっきの」
「さっきカルウェッチ買っていった人たち!」
1回目!




