拾七章─先制攻撃─
健「なっ、何なんだ、お前等っ!!」
兵1「我は十守衛の精鋭隊 長、守衛・鎌!」
兵2「俺らァ副隊長の守衛・円盤。」
鎌「元隊長回収による強制移籍で、我々は『仁技体学団』の精鋭になった。」
兵3「奴は強かった。この俺、棍棒様の攻撃を何回受けても、ビクともしねぇ。」
兵4「だが、その奴も今や戦力外。数じゃ俺の造る機械兵団に勝てる奴はいないッ!」
円盤「んじゃ勝負スッかァ?」
聡「『拳楽譜』!」
棍棒「先制攻撃のつもりか?」
兵5「『盾壁』」
ガン
半球で敵全体を覆うようにできたその壁は、いとも容易く健の拳から敵を護る。
健「なっ…」
健は壁で滑り、空に向かって飛んでいく。
ズザアッ
円盤「アバヨ一号ォ♪」
機械「『一斉射撃』!」
聡「しまった!」
調「『速矢』ッ!」
健に向かい、調の矢が放たれる。
聡「何やってるんだ!敵はちが─」
健「『跳拳』!」
速矢を上から殴った健の拳は、驚異的な反動で上空へ。
それにつられて健の体も、天高く跳び上がる。
聡「仕方ないなぁ。」
円盤「『円盤騙し』」
健の周りに、幾つもの円盤が集まる。
円盤「さて問題。この中には、爆発効果付の円盤があります。さてどれでしょう。」
健は、ニヤリと微笑う。
円盤「答えは~ァ、」
円盤が指を鳴らす。
円盤「全部でしたァ!」
宙に浮かんだ円盤達は、一斉に爆発した。
私は、理想を求めて、腕を振る。
何故なら、彼は私の思っていたような奴ではなかったから。
あの人の言った、『理想の究極型』を、造り出すために。
だけどもう、頭は一杯だ。
もう自分の名前くらいしか、思い出せない。
その名前も自分の中では、そのうち漢字ではなくなって、そして忘れてゆくのだろう。
私は今、『搾り出すこと』を目的とする『人間』だ。
だけどそのうち、『搾り出す者』となり、最終的には『搾り出す物』となるだろう。
だが自由を失った私に、それを避ける手段など、存在しない─
準「─ったく、いつになったら尻尾見せるんだよ、津田健は!」
純「まぁまぁそう焦らないの。ホントに悪いことしてるんならぁ、そのうち出てくるってぇ。」
準「バーカ、出てきてからじゃ遅いんだっつの。」
悪い奴が表舞台に出る=悪事を働く。
純「それもそうか。」
昨日の南東海岸側で何も収穫がなかった準は、学校で純に対して愚痴っていた。
純はテヘッ、と、舌を出して笑ってみせる。
その表情に、準はごくり、と、唾を飲んだ。
その瞬間─
篝「キャアアアアアア!」
トイレの方から叫び声がした。
ざわ…
準「何だ?ゴキブリか?」
純「なんか怖い…」
篝「しっ…死んでるぅ!!」
準「ハハ、ゴキが死んでても騒ぐのかよ。まったく。─」
一「待て。まだわからない。」
菫「死んでると決めつけるのは、よろしくありませんわよ!」
女子1「大丈夫ですか、 城田先生!!」
準「!!」
純「城田…先生?」
準「着いてくるなよ?」
純「へっ?」
純が聞き返した次の瞬間─
準の姿は、消えていた。




