猫は現実逃避する。
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物語とは関係が無い話ですが、認証コードが上手く出来なくログイン出来なくてマジで焦りました。つながってよかったです。
こう言った作業って苦手なんですよね〜。
仕事で使っているのにアナログ人間の自分としてはプチパニックでした。
今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
「今後の下水道の浄化作業についてじゃが、何か良い案があれば現場を見たロイ殿の意見を聞きたくてのう」
俺がギルド室に呼ばれたのは、今後の下水道浄化の対策や国中のトイレ事情について、明日の会議の議題に載せようと思ったのだとフェラルド爺ちゃんが説明する。
「他の街は下水道じゃ無いと聞いてたが?」
確かスライムトイレか人が回収するタイプのボットンだと聞いていた。
「確かに下水道では無いんじゃが、大きな街では大なり小なり臭い問題はどこにでも有るのでのう。ロイ殿が卸してもらう『浄化スクロール』でかなり改善できる見通しができたんじゃがな」
そう言われてもなぁ、ただ浄化魔法をぶっ放しているだけで特に考えてもない。
「ロイのあの家に付いてるトイレとかは、どういう仕組みなんだ?」
レフルドが【レディーメイド住宅】で建てた家の話を持ち出す。
「俺もよく分からん謎の水源と謎の下水処理機能だ」
付いてるから使ってるが、気にした事がない。そういうものだと俺を含めて猫さんは皆んな納得する。
「それは例のマジック袋に入った家のことかのう」
「そうだ。解析したいなら渡すが、制作個数は各ギルドで5棟までの約束だ。それ以上は制作しない」
そう言って今回の旅で使用していたマジック袋を渡し、俺は予定していたヘドロスライム退治に向かう。
「ここが最後ですが、一番広くて複雑に入り組んでいる下水道です」
浄化作業は順調に進み、ラストの下水道に到着する。
一番古く複雑になっており、『王都の地下ダンジョン』だと揶揄されている。
「じゃあ、今までの方法だと倒し切れないかもしれないな」
【3Dマッピング】では半径10kmもカバーできるが、【遠距離攻撃】は精々2kmだ。直線で無い入り組んだ場所だと距離が足りなくなる。
「仕方ない。足りない所には別の方法を使う」
久々に『王冠』を利用し、『にゃん撃隊』を出してを出動させる。
「下水道内を進み汚れてる壁と通路、ヘドロスライムに対して浄化魔法を放て」
そう命令すると100匹の猫さんがライフルを持って現れ、一斉に飛び立って行った。
ライフルを持っているが、実際に飛び出すのは魔法だ。だがライフルの様に長距離が可能なので、使い勝手は良い。
「今のは!?」
驚いて質問する鼻炎のおっさん。
「ダンジョンで見つけた面白アイテムだ」
以前、試しにカイトに被らせて発動されたら、カイトに似たチビ『カイト』が1体現れた。
魔法を使わせてみるも大した威力は無く、レベル1ほどの魔法を放つとすぐに消えた。
どうやら、使用者の能力とレベルスキルに比例されるようだ。
『にゃん撃隊』のおかげで、隅々まで浄化が出来た。
外に出ると、王都に臭っていた悪臭は無くなっていた。
約束通り、案内人の鼻炎のおっさんの治療をして、依頼は終了した。
「ロイ殿!」
仕事を終えたので、一度冒険者ギルドに向かったら、フェラルド爺ちゃんにハグされた。
「素晴らしい品じゃ!是非あの技術を究明したい!」
【レディーメイド住宅】の謎の仕組みの事だろう。
「爺さん、あんまり抱きつくとロイが嫌がるぞ」
近くに居たレフルドが呆れ顔で止めに入る。
「感動を伝えてるだけじゃわい!」
王都の臭い問題で長いこと苦労していたからだろう。今回の仕事の成果についての感動も込められている。
王都では、悪臭が消えた事で何気に住民達は浮かれていた。
フェラルド爺ちゃんに抱きつかれて離してもらえない。
(爺ちゃんの髭は、なかなかの『もふもふ』だな)
すぐに現実逃避するのは猫だからかなのか?と考えてる時点で現実逃避なのかは不明だが、
『現実逃避する前に、既に現実を見ていないのが猫である』
『考える事を考えるのが哲学である』みたいな感じで、なんかかっこいいかも知れない。
ちなみに、このフレーズは「俺は色々と考えているんだよ」とパパさんが酔っ払っている時よく俺に言ってくるセリフだ。
そんな事を考えてたが、一先ず現実に戻ろう。
「で、一棟欲しいと」
どうやらフェラルド爺ちゃん、【レディーメイド住宅】が大変お気に召したようで俺に一棟研究用に欲しいそうだ。
「そうじゃ、研究の為にと言ったんじゃが、レフルドが『帰りも使うからダメだ』と言って渡してくれんのじゃ」
確かに、一度味わってしまうと『帰りは無しで』はキツい。
「あの広さじゃない。水回りと一部屋だけの小屋タイプでよければ材料も足りそうだ。時間をくれれば1棟なら作ってもいいぞ」
今後も色々お世話になりそうな冒険者ギルドの王都ギルドに恩を売る作戦にした。
「それは助かる。出来れは邪魔にならない様に、『マジック袋』に入る様にして欲しんじゃが」
確かに、移動できないと邪魔だよな。
「袋はそっちで用意してくれ、王様に頼んで作ってもらうから」
「ふぉほほほ、いとも簡単に『マジック袋』が作れてしまうとは、グルン獣人国の王様は凄いのう」
「そうだ!王様は凄いんだ」
架空の王様アピールに抜かり無し。
「あとは、家を建てる場所が欲しいんだが」
「ならば城壁外にある演習場を使う事にしよう。あそこなら問題ない」
張り切って俺を抱えてこのまま向かおうとするフェラルド爺ちゃんを止める。
「今建ててもマジック袋が無いから建てっぱなしになるぞ」
「大丈夫じゃ。新年の祭りで誰も使っとらんし、ギルド長の権限でしばらく使用禁止にしておくから安心じゃ」
おお〜権限を発動したぞ!権力にモノを言わせるとは羨ましいな。
俺も以前、王様だから猫さん達に権力を発動させて命令する『王様は交代制で!』
結果……誰も相手にしてくれなかった。
仔猫達は『王様ごっこ』だと思い賛同してくれたが。
因みに『王様ごっこ』とは、どこかで拾ってきたり、タカシから買ったちょっと珍しいモノなどを皆んなに披露しながら仲間に配ってた。
猫の王様って…。
俺以外の猫の王様を知らない。猫の王様の本来の姿を知りたいと切実に思った。
そんな現実逃避中の俺は演習場に向かって移動中だ。
最近、皆んな俺を小脇に抱えて移動する。
歩幅が違い過ぎるのが原因なのと、俺がどこかにふらついて行かない様にと予防の為のようだ。
仕方ない。俺も猫さんだから気になるモノを発見してしまうと、ついつい寄り道をしてしまう。
以前、聖王国対策を兼ねての仔猫達の学習用として『赤ずきんちゃん』の本を読み聞かせてた。
攫われない為の対策としてだ。
「寄り道するなんて普通だよね〜。何が悪いの?そうだ、一人で行かせたお母さんが悪い」との意見で纏まる。
「オオカミは悪くないの?」
と仔猫達に質問すると
「自然の摂理だ」
と、身も蓋も無い答えが返された。
以降、の仔猫達への『赤ずきんちゃん』の読み聞かせは無くなった。
同様に、キャットハウスの子ども達に『シンデレラ』を読み聞かせをする。
耐え忍び美しい心でいれば、後に幸せがやってくると教えようとしたのだが。
「意地悪な継母と姉達が舞踏会に行っている留守の間に、家の物を持ち出して家出すれば良いんじゃないか!」
舞踏会に行かずに、家の金の持ち逃げを推奨する意見で纏まる。
こちらも以降、キャットハウスの子ども達への『シンデレラ』の読み聞かせは無くなった。
結局何が言いたいかと言えば、現実逃避と寄り道する事とは猫にとっては当たり前の行動だと言うことだ。
運搬されている最中の為、まだしばらく現実逃避絶賛開催中の猫であった。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
2026年12月までは土曜日 21時
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★同日 17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。




