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猫は王都でもお仕事をする。

ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!

今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。


今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

「すまぬのう。グルン獣人国の使者殿。家臣の無礼、誠にすまなかった」

 王様が誤ってる事が衝撃的だったのか、謁見の間がざわつく。

「気にしない。改めて、グルン獣人国の窓口をしているロイだ。敬語は使えない、ただの猫だ」

 すでに、敬語を使えない事は知られているので、俺の自己紹介に顔を引き攣らせる人間は居なかった。

「では改めて、メルーベン王国へ参られたご使者殿を歓迎する」


 こうして中断したグルン獣人国との国交に対する式典が始まり、長くて難しい挨拶が終わると、今後取引する品々や俺が持ってきたお土産が次々と王様の前に並べらるその中に、例のテカテカトカゲ3セットもあり、周りの度肝を抜いていた。

 ウチとの国交条件や取引条件と共に、今後取引される品々を読み上げられる。

 取引の品を読み上げる度に、貴族達の「お〜」っという野太い歓声が響く。

 その中で特に『世界樹の実』に皆さんの視線が集中していた。

 わかるぞ、世界樹の実は美味いからな!


 国交に関する公式な式典は終了し待合室に戻ると、宰相様だと判明したナイスミドルなイケオジのデルモア様が訪ねてきた。

「謁見の間での無礼を詫びます」

「別に気にしてない。宰相様がした事ではないから気にするな」

「感謝します。ところでロイ殿はグーデルンの隣に土地が欲しいとの事でしたが、どの様な目的なのですか?」

 事前に領主様から聞いていたのだろう。

「猫達の一部棲家と、調味料を作る為の材料を育てる場所が欲しい。猫は育てたり作るのは出来ないから、人間達にお金払って働いてもらう予定だ」


 

「なるほど、詫びという訳ではございませんが、国王陛下からは土地の使用許可をいただいております。詳しい場所などは、グーデルン伯爵殿とお決めください」

 すんなりとお隣の土地のを使用する事が決まった。本来の目的達成だ!


「では本題のスクロールの話ですが、出来れば王家仕様として特注で『回復魔術』『治癒魔術』『浄化魔術』『結界魔術』のそれぞれレベル6と7の品と『蘇生魔術』のレベル3と4と5の品をご用意いただけないでしょうか」

 隣に居た領主様を見ると頷く。すでに『獣人国専用窓口』と話ができているようだ。


 王都では、グランダス聖王国の治癒士達がグルン獣人国との国交に反対として、教会での治療をボイコットをしており、今回の表明により教会の治癒士達の撤退は明らかになると予想される。

 そんな中、頑張っているのが薬師ギルドだ。

 王都では薬師ギルド達が大量のポーション作りに追われていた。

 そこに、大量の世界樹の葉を持ったトイトルが王都に到着した事により、一気に生産量が増えた事でポーション不足は解消された。



 その後、王様との謁見で国交表明と同時に、大量の『回復魔術』『治癒魔術』『浄化魔術』のスクロールを薬師ギルドが購入。一気にポーションの質と数が増えた事と、今まで特権にされてた教会の治療の数々が、薬師ギルドでも行える事と王都中に知れ渡る。


 そうなると、グランダス聖王国系の教会がボイコットする意味が無くなってくる。と言うか教会での治癒行為の存在意義が無くなる。

 すると今度は薬師ギルドへの嫌がらせを始めるが、元々犬猿の仲だ。薬師ギルド側もこれ見よがしに適正価格を設定し、聖王国の教会のお得意だった『回復』『治癒』『浄化』をスクロールを使用しまくり、意気揚々と教会の権威を削りとる。


 教会には、グランダス聖王国に所属する治癒を中心とした教会と、主神を始め様々な神を祀り、孤児院などを運営する教会が存在する。

 グランダス聖王国は治癒士を派遣する代わりに教会の設立と独自の運営を各国に認めさせていたようだ。

 だが今回の出来事により、メルーベン王国全土から何かと問題が多かった、グランダス聖王国系の教会が撤収することが決定される。

 

 同様に他国にもスクロールの使用が広まり、傲慢だったグランダス聖王国教会の追い出しが、各国で始まったのは少し後の話になる。




「スクロールの素をくれれば、今から帰って王様に頼んでみる。注文リストに書き出してくれ。50個ぐらいだったら明日の朝には出来るだろうから持ってくる」

「そんなに早くですか!誠に感謝します。早速スクロールの準備とリストを作成させます」

 さすがだ、既に詳細は伝わっており、問題なく話がサクサクと進んで行く。

 仕事が出来る人間がそばにいると助かるよな。

 一瞬タカシの顔が横切った。感謝しています。


「ロイ殿のお持ちのプチケーキなる品は、卸す事は可能でしょうか」

 既に、昨日のお茶会の事まで知られている。情報通には誤魔化せない。

 仕事が出(・)来(・)す(・)ぎ(・)る(・)人間がそばにいると仕事が増えるな。

 一瞬ベルダの顔が横切った。内緒だ。


「今持っているのは出しても良いが、日持ちはしないからそれ以外は無理だ。元々は王様からのご褒美で貰ったものだ。大量には無い」

 そう伝えたが、今持っている分だけどもと言われ、仕方なく半分ほど納品した。

 今から、このまま王宮内で簡易的な昼食が振る舞われるそうで、

「既に噂になっているプチケーキをと希望者が多く。王子殿下も是非にと希望されておりまして」

 王子様ならもっと良いモノ食べてるだろうに!仕方ない。美味いモノは正義だ!

 ついでにキャット商会の調味料を納品しておく。


 ただの猫なのに、グルンの大使(王様)でキャット商会の商会長であり、買い出し部隊長で一人親方であり、時々猫さん達の取り締まり役で、加えて王宮への配送係にもなってしまった。

 他にもベルナドル家の呪いの解呪の話も知られており、新年のパーティー前には一度お願いしたいと、言われてしまった。

 後日には解呪士がプラスされる。

 肩書きが増えていく。


 人間も猫も肩書きが重くなると動けなくなる。

 おっさん猫達を見ろ!ゴールド隊という立派な肩書きあるから、尊敬の目で見ている仔猫達の前ではカッコよく見せたいからグルンではダンジョン以外では意外と大人しい。だから、その分グーデルンではっちゃけている。

 グーデルンでは『ゴールド隊』ではなくただの『おっさん猫』だ。

『おっさん猫』は最強だ!!

 迷走ランニング終了。 



 王様と会ったら俺だけ先に街に帰る事が出来なくなってしまった。

 まぁ、毎日帰ってるから余り変わらないが。気分的な問題だ。

 すでに追加での大量注文が発生していた。買い出し部隊長以外にも架空王様の仕事をしなければならない。

 まぁ、俺が本当の王様だから仕方ないが。


 誘われたが昼食会には参加しない。

 だって囲われるだけで、ご飯食べれないからだ。

 学習した。人間の『お茶会』は『呑気にお茶が飲めない会』で『昼食会』は『呑気に昼食が食べれない会』だと。

 スクロールはすぐに用意されたので、先に王宮をお暇する。

「これを門兵に見せれば、私の部屋まで案内するように手配しておきます」

 そう言って、懐中時計のようなモノを渡された。



 お城からは出たか、直ぐにグルンには帰れない。

 先日約束したシャンプーとトリートメント一式を大量にライステット公爵のお屋敷に届けないとならない。


「えっと先日頼まれた…」

 公爵の門で全て話す前に、門兵さんが俺を抱えて屋敷に走って向かう。

 屋敷の中では、ご婦人方が勢揃いしていた。

 どうやら、俺の品が待ちきれずに皆さん集まっていたようだ。

「急いでるから、品だけ渡したら直ぐに帰る。引き止める用事があるなら、後日荷物を届ける」

 先に言っておかないと、確実に引き止められるだろう。先手必勝!【危険回避】発動。


「そ、そうですか。仕方ありませんね。ではお時間がある時はごゆっくりお越しくださいませ」

 作戦成功。

 シャンプーとトリートメントを大量に置いて、俺はさっさと立ち去る。

 でないと、シャンプー以外にも何かと奪われそうな予感がした。【危険回避】継続発動中。


 モンスターより危険に感じた。

引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★

 【更新スケジュール】 

 火曜日・木曜日・土曜日  21時

★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 17時30分に更新★

『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。

こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。

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