猫はお屋敷見学ツアーに出発!
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
ベルナドル伯爵邸を見学しながら『呪い』の品を片っ端から浄化していく。
回数を重ねて行くと段々と【ノミ除け魔法】…元い【浄化魔法】で浄化しまくっていると、対象の『呪い』のレベルがわかるようになってきたので、既に俺は『呪い』のレベル当てクイズのようで楽しくなっている。
「この部屋は曰く付きの品が多く保管されております。浄化スキルを持つ者が交代で作業しておりますが、浄化作業が間に合っておらず現在放置状態です」
怪しさ満載の部屋だった。
「意外と貴族のお屋敷は『呪い』の品が多いんだな」
「我がベルナドル家は特殊な事情がございまして、このような品々を一時的に預かる事が多いのでございます」
「へ〜、そうなんだ。呪いの品を預かるなんて、貴族って大変だな〜」
そう言いながら、品を見ながら【浄化】していく。
まとめて浄化したいが、確認するのに【鑑定】スキル持ちの人が一つずつ鑑定するのに時間が掛かるので、どうせなら面白い物がないかと、一つずつ品を見ながら【浄化】をて、【浄化】した物は一緒に回ってる【鑑定】スキル持ちの方にどんどん渡していく。
途中から俺の【浄化】スピードに【鑑定】作業が追いつかなくなり、もう一人鑑定士が参加する。
『呪い』とは奥が深い。
一度履いたら脱げない赤い靴や、針に刺さると眠り続ける糸紡ぎ車などの一般的な呪いの品から、自分に都合がいいように見せる鏡、王冠を頭に乗せると一月ほどカエルになる物など、面白い品も多い。
「これも呪いなのか?」
どんな料理を乗せても、魚料理に変わるお皿。猫にとってはとても素敵な品なんだが。
「持ち主の方は、魚がお嫌いな方でして、嫌がらせの品として送られて来たそうです。自分の屋敷に置いておくと、いつの間にか使用されるようになっているので、当屋敷にお預けの品となりました」
皿を割ろうとしたが、割れなかったそうだ。
なかなかに面白いツアーだ。
その後も大小様々な『呪い』の品を見つけては【浄化】をしまくる。
途中、執事のクラストの顔色が悪くなって来ていた。
「大丈夫か?身近にこんなに沢山の呪いの品が有ると改めて驚くよな。人間達にも【浄化】しているが、浄化作業を一度やめて休憩するか?」
と尋ねたが、お構いなくドンドン浄化して欲しいと言われたので、言われた通りにドンドン浄化していく。
仕舞いには、宝物庫らしき所にも入らしてもらい【浄化】しまくった。
いろんなお宝が見れて、プレミアムで楽しい見学ツアーだ。
ラストは、地下にある厳重に鉄製の扉で塞がれていた部屋だった。
中を覗くと、これまで以上にすごい『呪い』の品だと理解できる。
特に、一番奥に鎮座する人間の両手に収まるほどの小さな古い宝箱が、他より強い『呪い』を発していた。
「これ、何かすごく動いてて、中から解除しようとしてるって言うか、既にかなり解除されてるぞ」
謎の小さな宝箱の中が気になり、目が入ったので先にクラストに伝える。
何か知らないが、変なものが箱の中で蠢いているのがわかる。
「誠ですか!因みにロイ様は【封印魔法】はお持ちでしょうか?」
「【封印魔法】は残念だが持ってないな。だけど、こんな物を残しておきたいのか?【浄化】で綺麗にした方が良いんじゃ無いのか?」
クラストに尋ねる。この部屋への同行者は執事のクラストだけだ。
「残念ながらこちらの品は【浄化】では、消えないのです」
なるほどな、【浄化】では消えないモノもあるんだな。勉強になる。
「とりあえず応急処置として、中のモノを目一杯の【浄化】掛けておくぞ。呪いなら少しは動きが鈍くなるはずだ」
「ありがとうございます。是非お願いします」
「じゃぁ〈神聖浄化〉」
「!!」
すごく光り輝いた。目一杯の【浄化】だったから、いつも以上に光り輝いた。
なので、周りに有った他の『呪い』の品も、一緒に浄化されて綺麗になっていく。
「あ!ヤバ!どうしよう。中にいたモノが消えちゃった。ごめんなさい」
何か動いていたモノが消えてしまった。もしかして、最後の悪足掻きで動いてたのかも知れない。
まさかのやらかしに、ドキドキしながらクラストに先に謝っておく。
「……………お気になさらす。後ほど、鑑定持ちに確認させます」
こうして、貴族様のお屋敷見学をしながら、浄化しまくって回ったツアーは終了となる。
後日談として、
この出来事は王都でも瞬く間に広がり、王都では王宮見学(王宮浄化)ツアーが開催され、王都から帰るとグーデルン邸宅内も浄化を頼まれたり、近隣の貴族の邸宅訪問が行われる事となる。
新たな仕事が増える事になるとは、まだこの時点では気付いていないロイであった。
合掌。
その夜、執務室でグラフィスとクラストの二人が今日の出来事を語っている。
「まさか、長年悩まされていた『グレゼルンの怒り』がああもあっさりと、解決するとは」
ベルナドルの領主であるグラフィス・ベルナドル伯爵が呟く。
「はい。数名に【鑑定】させましたが、間違いなく『呪い』が消えたと報告がありました」
執事であるクラストが報告を上げる。
『グレゼルンの怒り』とは、名持ちのモンスターであったドラゴン種のグレゼルンの魔石を使用した呪具であり、代々ベルナドル家が所有してきた負の遺産でもある。
「ロイ様は通常の【浄化魔法】ではなく、伝説と言われてます【神聖魔法】を使用されておられました」
「誠か!ならば、ロイ殿はかなり高レベルな【治癒】と【浄化】が使用できる魔法士で有る事は間違いないな!」
クラストの報告を聞き、思わず声を張り上げてしまう。
ベルナドル家は代々魔術を得意とする家系であり、特に『呪い』と『浄化』に特化した家柄である為、各地から解除不可の『呪い』の品が次々と依頼されて送られてくる。
強力な呪いは一族総出で数日かけて解除されるのだが、ここ数年の間、解除するペースより呪いの品が送られてくる事が多くなっていたのだ。
そこに、やたら【浄化】しまくる猫が現れる。
執事のクラストも、ついどの程度の【浄化】の力を持っているのか気になり、ついつい呪いの品を見せて回ってしまった。
そして見せた品を次々と浄化して行き、全て綺麗に浄化されてしまった。
一年分の呪いの品が次々と浄化されて行くのを見れば、流石に顔色を悪くするのも無理も無い。
グラフィスはしばし指を組み考える。
「なるほど、納得が出来たな。グランダス聖王国が躍起になり、死霊系ダンジョン攻略の為にグルンの獣人達を連れ去ってると報告が上がってるが、確かに浄化系に特化した者達の様だ」
「はい。屋敷の全ての呪いをたった1日で解除していただきました。その時、少々お話を致しまいてロイ様はグルン獣人国では王太子の立場だと判明しました」
何気ない会話から推測されていた。
「は〜、仕方ないが今回ばかりは、グーデルン家の派閥に加勢した方が良い様だな」
中立派であったベルナドル家ではあったが、今回の治癒の事と屋敷内にある呪いの浄化を考えても、グルン獣人国に友好的に接する派に属する事が得策だと考えた。
ベルナドル家の友好派の表明は、中立派にも大きな影響を及ぼす事となる。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時
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★同日 17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。




