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猫はそんなに甘くない。

ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!

今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。


今回は少しだけシビアな展開になってます。

「じゃあ、三日後の朝には顔を出す」

 ベルナドルの街に夕暮れ間近に到着した。俺は約束通り、しばらく別行動をとらせてもらう。

 明日と明後日は、俺は買い出し部隊長の仕事をする。




「今日の買い出し頼むぞタカシ」

「いつも通りの業務用スーパー系で良いの?トノちゃん」

「追加でこの前見つけた生地を売ってる問屋も頼む」

 先日タカシが見つけてくれた生地を売ってる問屋だ。一般向けも扱ってる問屋なので、大量購入もバッチリだ。

 タカシはバイト先のパートさんから教えてもらったらしい。

「幼稚園の演劇や出し物の衣装や飾り付けに良く使ってる人が多いらしいよ」

 さすがは、主婦の皆様だ。地球でも異世界でも主婦ネットは侮れない。


 おそらく、また生地の催促が来ると思われる。(猫の勘)

 先に、準備しておいた方が間違いない。

 調味料系はタカシに頼んで大量ストックがあるが、ベルダ副会長がもっと増やして欲しいと、現場の声として上がってきている。


 だから今回、メルーベン王国の王様にお願いして、グーデルンの街の近くに工場と養鶏場を建てさせて欲しいとお願いするつもりだ。

 上手くいけば、マヨネーズとケチャップなどが現地で賄える可能性が出てくる。

 予想としては、王妃様がクラベート夫人に使われるスパンコール生地や、エリーナちゃんのドレスを見てすぐに食いつくだろう。


 今後増える猫さん達の住宅問題として、街の近くに猫さん専用の住宅タウンの建設許可のお願いする。

 交渉材料として使える物は出来るだけ確保しておきたい。


 そんな訳で、交渉に使えそうな品をタカシと二人で買い漁っている。

「よくラノベとかだとノートとかペン、マッチ、石鹸とかシャンプーとかがよく出てくるけど、それ系はどう?」

「あっそうだな。確かに、ノミ除け魔法で綺麗になってたから気にしなかったけど、人間だと使うかもしれないな」


 紙系は意外とまともな紙が存在するから必要ない。マッチも同様に魔法で事が足りてるから必要ない。

 そうなると石鹸系の品が良いだろう。

 レフルドも風呂が気に入ってるし、皆んなちゃんと石鹸で綺麗にしてるから、受付のお姉さんに「何を使ってるのか」と詰め寄られる事が多いと報告されていた。


「言っといて何だけど、どんどんトノちゃんが買う物が増えて行くね」

「…………」

 買い出し問題はまだまだ続く。


 既にケチャップとマヨネーズはネットで業務サイズを大量注文している。怪しいだろうが顔はバレないし、ちゃんと支払いはしているので問題ないと思っていたが、

「この前、大家さんに『最近届け物が多いみたいね』って言われちゃったよ」

 と、まさかの大家さんチェックが入った事により、ネットでの買い物回数を減らし、タカシにはこれまで通りスーパーでの買い物を主流にしてもらう。

 なかなか上手くはいかないものだ。


 困ったことに買い出し問題以外にも、発生している。

 猫さん同士でのトラブルだ。

 

トラブルの主な原因は三つある。


 一つ目は、大勢の猫さん達が街に移住してきた事。

 二つ目は、銅像辺りでの縄張り争いが激しくなった事。

 三つ目は、グルン内で格差が生まれてしまった事。


 一つ目は、『猫のパレード奇行』後の街の噂を聞いてやって来た猫さんと、今まで地元で暮らしていた猫さん達との縄張り争いだ。

 新参の猫さん達の一部には、ここのルールを無視する猫(もの)が居る。

 一つ目と二つ目の問題発生場所は、主に観光地となっている猫の石像周辺だ。


 石像の近くに居ると、奈良の大仏様の所の鹿さん状態で、人間達がこぞって猫さん達に餌を与えるらしく、他所から来た新参の猫さん達は石像周辺で餌を与えてくれるのを待っており、ご飯にありつこうとしている。

 そうなると、他所から来た粋がった若い猫達が縄張りを主張しだし、以前から居る野良さん達と一悶着が起こる。

 一応俺が入ると喧嘩は収まるが、何とかしなければならない。


 三つ目の問題は、グーデルンやグルンでの生活で、街での貨幣を使って自分達でご飯やマントのデコレーションの購入する様になると、モンスターとの戦いが苦手でレベルアップしていないかったり、魔法が使えない【自動選択】になっている普通の猫さんとの格差が生まれてしまったのだ。


 解決策を考えた結果、普通の猫さん達にも仕事を与えて、グルンの中でも貨幣を使用する事にした。

 今まで通りに食事の配給以外はするが、グルンでお仕事した猫さんにはお金を支払う。

 例えば、見張り役や連絡係などだ。

 特に見張り役が増えた事で、ゴールド隊はダンジョンに潜る時間が増えたから皆んな大喜びだ。

 勿論、取り決めである街行きの条件は付いているが、不満はかなり解消されるだろう。


 既に、貰ったお金をタカシに渡して、100円均一なので購入してもらっている節約家の猫さんもいるようだ。

 タカシも猫さん達の好みを熟知しているようで、かなりウケがいい。

 だが、部屋の一部が『お店屋さんごっこ』の様に、猫さん好きそうなキラキラアイテムが並べられていたから笑えた。


 マントのデコレーションは、既に猫さん達のアイデンティティになっている。



「問題は石像周辺だな」

 王様権限で、かなり激しく主張する新参の若い猫達には、「そんなに揉めるんだったら石像片付けるぞ!」とは言っておいた。

 一部の新参の若者グループからは大ブーイングだが、それ以外の移住してきた大半の猫さん達は王様である俺に従う。

 以前からいる猫さん達は、『黒いぐるぐる穴』さえ使えればグルンに来れるので、そこでお食事してもらうので気にしておらず、どちらでも良いようだ。

 新たに仲間に加わった猫さん達にも、グルンに行けるようにして同じように餌を与える事にした。


「そんなのずるいぞ!」

 と縄張りを主張してきてる若者グループのが怒るが、

「お前がここを仕切りたいならそうすれば良い。だが、俺に従えないヤツには餌はやらん」

 俺もリーダーとして、仲間を守らなければならない。


 集団行動が難しい猫さん達だが、それでも一定のルールには従っている。

 人間社会だろうが、野生だろうが関係ない。

 群れを成すのなら必要な最低限のルールだ。

 そして、そのルールに外れるのなら、容赦無く切り捨てられる。

 人間社会よりシビアな世界だ。


 結果、縄張りを主張してきた若者グループは、俺のグループには入らなかった。


 石像はそのままにしておく代わりに、以前からいる猫さんや、新たに俺のグループに加わった新入りの猫さん達の『黒いぐるぐる穴』の通行を許可する事で話がまとまった。

「人間達が来ない時間帯の使用だけだぞ」

 と、新入り猫さんグループは勝ち誇ったように宣言してくる。


 それを聞いた古参の猫さん達は怒っていたが、

「あの石像付近だけの縄張りだ。街なんかの別エリアは俺やボス野良さん達の縄張りだ。その内、貰える餌の量で揉めるはずだ。関わらない方がいいよ」

 縄張り主張していた猫達は気付いていない。

 石像付近で貰える餌はおやつ程度であり、今まで新入りさん達の分の餌も、俺が定期的に用意をしていた事に。



 数日後、縄張りを主張したグループは、仲間同士で餌の取り合いの喧嘩をしてると報告があった。

 人間達もそんな様子を見て『猫に餌をあげないように』と張り紙が出される様になり、餌が貰えなくなる。


 そうなると、必然的に他のエリアに出向くが、そこには『光玉』を使って元々持っているスキルの強化をしたボス野良さん達の縄張りとなる。何もしてない普通の猫が敵(かな)うはずがない。


 案の定、今度は安易な考えで『黒いぐるぐる穴』に潜るが、未だ魔法取得されていない『ただの猫』がかなう相手はスライムぐらいだ。大した実入にはならない。

 周りの猫さん達に助けを求めるが、一度コミュニティーから出た猫(もの)を助ける事はしない。

 厳しいが、これは俺が生まれる前から存在する『猫さんルール』なのだ。



 数ヶ月後、彼らの姿は街から見えなくなる。

 以前住んでいた街に戻って行った。

引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★

 【更新スケジュール】 

 火曜日・木曜日・土曜日  21時

★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 17時30分に更新★

『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。

こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。

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