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猫は王都に向かう。02

ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!

今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。


先日、ブシロードワークス小説大賞の一次選考を通過いたしました!

とても嬉しいです。

ペンネームが投稿作品用ではなかったので、気が付くのが少し遅くなりました。


これからも頑張って執筆していきますので、今後ともお付き合いくださいませ。

 只今、馬車の中は凍りついてます。

 冬の寒さでという訳ではないぞ。先に言っておくが俺は何もしてない。無実だ!

 原因は領主様の愛娘であるエリーナ様が「ゴールド隊に入る」とトンデモ発言だ。


「ゴールド隊は、一流の魔法使いでないと入隊出来ない」

 ちゃんとお断りしておいた。俺は空気を読む事が出来る猫だ。

 おっさん猫だけではなく、普通の猫さんだと、安易に「いいよ〜」とでも返事をしてしまうだろう。


「え〜エリーナ凄い魔法士になるもん!」

「なったらな」

 軽く流して俺は目を瞑(つむ)る。

 だって領主様が凄い顔で俺を見るから、この話は終わりにしたい。


「エリーナは何故ゴールド隊に入りたいのですか?」

 母親であるクラベート夫人が娘に問う。

「だって猫さんのマント凄くキラキラしてて綺麗だったから、仔猫さんに聞いたの。そうしたらゴールド隊に入るともっと凄いマントが貰えるって教えてもらったから」

 動機を聞いて皆んなホッとする。


 兄妹は三男一女で末っ子の姫。家族全員から可愛がられており、特に父親の領主様は歯が浮くぐらい甘々である。

「ゴールド隊は国を守る兵士達だ。普段はグーデルンの街ではっちゃけてるが、いざとなった時には一般の猫さん達を守る。人間は洋服やら防具を身に付けるが、猫さん達のマントはその代わりだ。お洒落でもあるし、勲章でもあり、防具でもある」

「へ〜そうなんだ」

 周りも納得している。


 何となく、それらしい事を言ってみただけだ。忘れないうちに、設定としてメモっておこう。


 それでもエリーナは諦める気配が無い。

「仕方ない、今度小っちゃい仔猫さん用のキラキラマント作るから、その時お揃いで作ってもらえればいい」

「え!お揃いのマント!」

 エリーナは喜び、目を輝かせる。

「ゴールド隊達のマントは魔石や宝石つけてるからかなり重い。だから体の小さい仔猫さん専用でキラキラマントを作ることになった」

「やった!」

 かなり嬉しいようで、馬車の中で座りながら跳ねている。


「お嬢様、はしたないですよ!」

 喜び過ぎてお付きの方に叱られたが、めげずに質問してくる。

「いつ作るの!」

「生地は揃えたが、忙しくてまだ注文はしてない」

「ロイ殿、生地はお持ちかね?」

 領主様も気になって尋ねてきた。

「ああ、だがロール状になっているから、馬車いっぱいになるから今は見せれない。馬車を降りた時に見せよう」


 タカシと生地を買いに行った時スパンコール生地を見つけ、猫さん達が好きそうだから糸とセットでいろんな色の生地をロール状で大量に購入済みだ。

 町内のお遊戯会の衣装に使うのだと俺が店員に話したら、微笑ましく対応してくれた上に、いろんな型紙見本をくれた。


 だが、「これで衣装作るとマ●ケ●サンバみたいだね」

 と、買ってからタカシにと言われてしまった。

 これ以上、猫さんにサンバ要素を増やしたくないと思う。

 少し前に、マ●ケ●サンバらしき踊りを踊っていた猫さんを発見したので、あえなくお蔵入りしていた。

 タカシよ。今度は買う前にそう言った事は教えて欲しい。


 だが今回は、ダンジョンにはまだ入れない仔猫達からも希望が出ていたので、仔猫達用にはキラキラで丁度いい感じなので制作する事になった。


 ハク達は腕輪などの一点物にこだわっているようで、ミスリルで作った腕輪を街で作ってもらい、サイズ調整をして装着している。

 どうやら猫さん達のマントのデコレーションには興味が無い様だ。

 勿論、ハク達にもこだわりはあり、海賊船からのお宝の中に気に入った物があえれば猫さん達はハク達にプレゼントしておるので、グルン内での両者の関係は良好である。



「娘の分も良いのかね」

「構わない。できれば制作してくれる人を紹介して欲しい」

「分かった。それはこちらで手配する」

 領主様から手配してもらえる事になった。


 途中休憩でスパンコール生地を見せたら、女性陣が凄い勢い飛びつく。

 制作前に一巻き分の生地をプレゼントする事と、余った生地と糸を渡す代わりにマント制作は夫人が受け持ってくれる事になった。

「これをドレスに付ければ…フフフフフフフ」

 オス達は誰も夫人には近づけなかった。

 俺は生地と一緒に渦中にいるので、逃げれない。


「お嬢様の衣装に使用されているような、薄手の生地はございますか?」

 侍女さんが質問してくる。

「あの生地もこれと一緒で特別製だから年に1本程度しか無理だと思う。今回は王様が特別に今まで貯めていた生地を俺にくれたからな」

 特別製は全て王様からですよ!

「何故、今まで貯めていたのでしょう?何かご事情でも?」

「単に猫さん達は服着ないし、作り手がいないだけだ」

 自慢の毛並みが隠れてしまうので、服は着ないのがデフォルトだ。決して裸族では無い。


 小休憩が終わり解放された。が、馬車からは解放されなかった。再び領主様ご家族と一緒の馬車だ。


「ゴールド隊はかなり強いのかね?ダンジョンの品を考えれば理解できるが。何というか、申し訳ないが街での様子しか知られておらず、余りにもチグハグすぎて疑問に感じているのだが…」

 分かる。猫になった俺でも思うのだ、生粋の人間ならそう思われるだろう。


「ああ見えて魔法レベルは5や6が多い。魔法特化した猫ばかりだし、特に連れ去られた事でゴールド隊以外にも取得する猫さんも増えて来た」

「なるほど、それは凄い戦力だな!」

 顎をさすりながら、領主様が頷く。


「だが猫だ。自分達のエリアと食べ物、後はキラキラ以外は興味は無い。グランダス聖王国は今だにグルンの城壁に攻撃してくるから守りで対処している。止めさせる方法があれば動くが、基本は動く気は無い」

 王様としては、猫さん達には健やかで楽しい猫生を送って欲しい。

 だから俺達を傷付ける事をする奴らが現れた時は、王様(俺)が責任とってそんな敵を殲滅する。

 グランダス聖王国に関しては、現状おっさん猫が酒欲しさで捕まっているだけだから放置している。


「冒険者ギルドからの報告にも、確かに凄い魔法だとされている。冒険者としての活動もしているようだが、我が領地で兵士になる者はいないかね」

 まさかの、領主様から兵士の勧誘だった。

「ん〜基本自由だから、成りたい猫さんがいるのなら止めはしないが、猫だから人間のルールの細かい規則は難しい」


 だって、お昼寝タイムを欲しがる猫さん達だ。人間の決まりをどこまで理解できるか解らない。

「冒険者としてギルドに登録しているが、まともに冒険者活動しているのは数匹しかいない。だが、皆んなグーデルンは気に入ってるから、何かあれば他の冒険者達と一緒に街を守ろうとするだろう」

 それを聞いて領主様はホッとした顔をした。

 人間の為政者という者は改めて大変だな思う。猫の為政者は買い物に忙しいだけだ。



 夕暮れとなり、野営の準備を始める。

 本来は、夕暮れになる前に野営の準備や食事の準備が必要となるが、俺のマジック袋入りハウスを利用しているので、かなり馬車を進める事ができる。


「料理長が喜んでおるぞ。かなり画期的な作りの調理場だが、明るく作業もしやすいと報告があった」

「快適に寝泊まり出来るから助かるな」

 護衛の冒険者達からも高評価だ。


「まさか野営で湯船に入れるとは思ってもいませんでした」

「特に旅のさなかは手水(トイレ)が一番困りますが、これはとても助かります」

 人間のメス達は大喜びだ。

 特に喜ばれたのは『結界魔術』を全ての建物に組み込んでいるので、家は勿論、厩舎も安全に囲われているところだ。

「オーガ程度なら問題無い」と伝えたら呆れていた。

 安全に越した事はない。


「じゃぁ、明日の朝来る」

 俺はいつも通りに棲家(日本)に帰る。

引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★

 【更新スケジュール】 

 火曜日・木曜日・土曜日  21時

★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 17時30分に更新★

『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。

こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。

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