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猫は旅の準備をする。

ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!

今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。


今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

「スクロール出来たぞ」

「仕事が早いな」

 頼まれたスクロールは『回復魔術』『治癒魔術』『浄化魔術』『結界魔術』で、それぞれレベル3・4・5を手渡す。

 『蘇生魔術』も頼まれたが、薬師ギルド産の育毛剤の事を考え、通常依頼からは外した。

 どの道、グーデルンの街にはやらかし猫さんが転がっているから、頼めば良いので問題ないはずだ。

 それに使用出来るだけの魔力量を持つ人間は少ないので、『蘇生魔術』は『獣人国専用窓口』の判断で受注生産にすることにした。


 ちなみに、魔術士達が自分が取得した魔術以外を使用する場合には、『術式展開』のレベルを上げて魔法陣を解読する必要がある為、簡単には魔法陣のコピーは出来ず、スクロールの『魔術』を使用してのスクロールの制作、つまり高レベルのスクロールの複製は出来ない仕組みになっているようだ。


 魔術レベルで使用される魔力量が違うので、とりあえず3つのレベルを多めに作った。

 王様への手土産用として、レベル6の3種類のスクロールを1つずつ製作してあり、レベル3、4、5は『獣人国用窓口』へ出発前に大量に卸した。

 既に『辺境都市グーデルン』は『髪の聖地グーデルン』となりつつあるが、同時に『獣人国用窓口』の存在が知れ渡り『猫の街グーデルン』とも言われるようになる。




「そろそろ王都へ出発予定だが、準備は良いか」

「正直、困るんだが仕方ない」

 棲家を留守にするにはしたくないが、今回ばかりは仕方ないので条件付きで了承した。


 一つ、猫は人間の礼儀は知らない。その事での苦情は一切受け付けない。

 一つ、日中は同行するが、夜はグルンに帰る。

 一つ、日暮以降の顔合わせは一切しない。

 一つ、街に2日以上滞在時は別行動をさせてもらう。



「それにしても、グルン獣人国に毎回夜に帰るのか?」

「やる事が沢山あるからな、留守には出来ない」

 レン達を誤魔化す事は出来るが、買い出し部隊長の仕事があるので、呑気に異世界旅行を楽しんで王都に向かうことは、後で自分の首を絞める事になる。


 今回の王都行きのメンバーは、領主様ご家族と『獣人国専用窓口』の3つのギルド長達も一緒だ。


「俺よりか、ギルド長が抜けても良いのか?」

 暇なレフルドは良いが、他のギルド長は忙しいだろうに。

「どの道、本部がある王都に連絡する必要があるからな、領主様達と一緒に向かう方が安全だ」

 確かに、モンスターが存在する世界だ。纏まっての行動する方が、何かと都合が良いようだ。


「あっそうだ。野営の時に試したいモノがあるんだ」

 俺の言葉に嫌そうな顔をするレフルド。

「何するきだ!?」

「前にマジック袋に入れた家が使えるかだ」

「………ロイ。お前のマジック袋に家を入れてるのか?」

「テントより安全で快適なはずだ。まだ使ってないから分からんが」

 家入りのマジック袋を作ったが、いつも日帰りする俺には必要ないし、道端で寝るおっさん猫にも必要ない。



 俺は今、レフルドに小脇に抱えられて冒険者ギルドの裏の空き地に運ばれて来た。

 しばらくすると、領主様んとこの執事さんやらギルド長達が集まってきた。

「ロイ。マジック袋の家を出してくれ」

 レフルドに言われ土魔法で地面を平らにしてから、マジック袋から家を出した。

 入れておいたお家は人間サイズのモノと猫さんサイズのモノの二つ有るので、ちゃんと人間サイズのモノを出す。


「二階建ての建物か!中はどうなってる」

「レオハウス仕様だ。少し天井が低いかも知れない」

 皆んな吸い込まれるように扉を開いて家の中に入っていく。

「あっここで靴を脱いでこれに履き替えてくれ」

 【レディーメイド住宅】で、無意識に日本の住宅基準で建ててしまった家だ。

 すぐにスリッパを出し、履き替えてもらうと、各々自由に家の中を見学し始める。


「これは素晴らしいですな。野外でも問題ないクオリティーです」

「なんと、湯船までも装備されてますぞ」

 皆さんの反応は良い。

「ロイ様。これ以外にもご用意できますでしょうか?」

 執事さんが尋ねてくる。

「言われれば造るけど、間取りを描いて欲しい。似たタイプが既存に有れば造りやすい」

 さすが執事さんだ。何処からか紙とペンを出して早速、間取りと要望を書き出していく。

 ちなみに、この世界の紙はスクロールが出るダンジョンの産物である。意外とこの手のダンジョンは各地に多いらしく、少しお値段は高いが街の庶民も使われている。


 書き出された内容は、領主様ご家族達の家と、使用人や兵士さん達の分合計5棟分と厩舎。

 ギルド長達は、自分達と冒険者さんが泊まる家を1棟注文された。

 それとは別に、女性達も一緒だからサービスでトイレを多数ついた休憩用の東屋を追加で建てる。


「戻ってきましたら、是非追加でお願いしたいのですが」

 商業ギルド長のグレンドルに追加で頼まれた。

「販売用は出来ない。作るの大変だからギルドで使用する分だけだぞ」

 各ギルド、グーデルンに帰ってきたら5棟までなら制作する事にする。

 キャットハウスやレオハウス、仕舞いには冒険者ギルドの独身寮の改装を俺がしている事は知られているので、今回は架空の王様責任には出来ずに作成する。


 翌日から作業を開始する。

 どうせバレてるから、ちゃっちゃと建ててはマジック袋に入れていく事にした。

 家を入れる専用のマジック袋の袋は、昨日の内に用意して渡されている。

 みんな俺が用意した安っぽい巾着袋はお気に召さないようだ。


「お前、大変だと言っておいてサクサクと家を建ててるじゃないか」

 俺の建築速度に、横で見ていたレフルドがツッコミを入れる。

「見た目以上に魔力を使う。もし材料が足りなかったら、確保する為に時間がかかるからな」

 何となく、それっぽい事を言ってみた。

 簡単に建てれると思われ、追加注文されたら面倒だ。


 依頼内容は、どれも既存の間取りだったが、玄関やドアを広く大きくして天井は高めである事と、あとは靴履き使用である事だった。

 王都までの道中は、領主様ご家族でも街以外では、野営する事が多いと聞く。

 これなら、いつも以上に快適に過ごせるであろう。


 簡易的な机や椅子は備えておいたが、室内の調度品は各自でお願いする。(めんどくさいから)

 執事さんに一棟ずつ家と厩舎が入ったマジック袋を渡す。

 お代を言われたが、猫さん達の遣らかしに対する被害と、これからもあるであろう遣らかしに対する御詫び金替わりと伝えた。

 執事さんは察してくれたようだ。


 何度か定期的に遣らかしてるからなぁ、ウチの猫さん達。


 例えば、許可も無く花火の打ち上げとか、仲良しになった街の子ども達と一緒に空を飛んで遊んだり、加えて領主様のお嬢様もご一緒に空を飛んで遊んだりと、飛んてた本人達は大満足だったらしいが、周りの大人達はたまったもんじゃない。

 またある時は、物乞いするお爺さんの横にズラリと数十匹が道端に並び、同じように座って物乞いを始めて街の住人を困惑させたりと、数え切れないほどの遣らかしを大目に見てくれる領主様には感謝しかない。


 物乞い後は、集まった器の中身は全部お爺さんに上げて、全員が満足げな笑顔で「やり切った」と語っていた。

 一体何をだ?

 俺には全くわからない。猫生(人生)は奥が深い。




 こうして、数日の内に準備が整ったので、王都に向けて出発となった。


 護衛は、領主様の所の兵士さん達と冒険者ギルドから3組のチームが護衛として任務を受けていた。

 その中には、以前お世話になった『黒獅子』さん達がいた。

「あっロイ!お久しぶり!」

「元気そうだな、テラザも黒獅子のメンバーも」

「「「ロイのおやつが忘れられなくて!」」」

「…はい、ジャムパンな」

 のっけからおやつ係としての任務を開始する。

引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★

 【更新スケジュール】 

 火曜日・木曜日・土曜日  21時

★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 17時30分に更新★

『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。

こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。

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