猫は兄妹で仲良くお出掛け中。その1
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
「ロイ!逃げちゃダメ」
「そっちにミミが行ったぞ!」
「も〜どうして今日に限って言う事聞いてくれないの?」
只今、俺とミミは飼い主さんから逃走しております。理由は、
「お泊まりになるから連れて行こうとしたのに、仕方ないは、餌を多めに出しておくから、置いていきましょう」
「「え〜やだ!」」
「仕方ないでしょう。行くの嫌がってるんだから」
「二匹はお留守番だな。外は寒いから出ないだろうから問題ないよ」
ようやくママさん達、諦めてくれたようだ。
スケジュールでは、年末の30日の今日から年明けの3日まで、元飼い主のお婆ちゃんの所にお泊まりする。
母上に会えないけど、元気だと聞いてるから問題ないだろう。
「皆んな出てったな。よし!出発だ」
だって今日は、俺はミミとロトと一緒に、久々に3匹で街に遊びに行くからだ。
まずは、猫さん定番の市場でのお買い物だ。
「この像すごいよね。なんか猫も勇者の仲間みたいで」
例のグーデルンの広場にある石像の前で立ち止まり、マジマジと見てミミが呟く。
猫がそう思うのだ、人間だったら絶対そう思ってるはずなのに、未だに移動されてない。わざとか?
「さらに追加されてるよ!コレって皆んなで踊った時のだね」
いつの間にか、さらに石像が追加されていた。ヲタ芸、ヒ●ダンスに安来節のを模した様な石像3体だ。
『勇者に指示を出す猫の周りで謎踊りを披露する3匹の猫』が完成している。
この位置に配置した意図を知りたい。
そんな像を見ながら、市場巡りを開始した。
「に〜たん!あそこで、おいたん猫捕まってるけど良いの?」
散策途中で、物陰から酒に釣られて路地に入っていく、おいたん猫を発見してミミが尋ねてくる。
「大丈夫。わざと捕まってお酒貰ってるだけだから。2、3日すると帰ってくる」
未だに同じおっさん猫達だと気付かれていないのだから不思議だ。
あのダンジョンに猫さん達を入れるだけで、下の方の階層の確認してないのかも知れないな。
まあそれならそれで、平和だから良しとしよう。
市場はかなり広い範囲で行われている。
そういえば最近、市場にも猫さん相手の商売人が増えたと聞いている。
どうやら、猫さん達に魅力的な品々が揃えられてあり、すぐ近くでは、その場でマントに縫いつけもしてくれる店もあり、猫さん達の人気スポットになっているエリアだ。
店に来るのは猫さんと近所の子ども達だ。とにかくキラキラしているからだろう。
金額は少しお高めだが、猫さん達は気にしない。ちゃんとギルドで貨幣のお勉強済みだが、人間とは価値が違う為、べらぼうに高額でない限り通報はされない。
近所の子ども達が来るのは、キラキラを見るのと、たまに猫さんがキラキラをプレゼントしてくれるからだ。
大人にしたら大した価値は無いが、子どもと猫さんにとっては大事なキラキラだ。
そんな屋台は、今日も猫さん達が店の前で眺め満員御礼状態だ。
この屋台の人気の商品は『蛇の脱皮した皮』『キラキラした魚の鱗』『鳥の羽根』だ。
申し訳ないが俺も猫だが、まだその魅力が分からない。理解出来る範囲は鳥の羽根までだ。
「この羽根キレイだね!」
「こっちの羽根かっこよくない?!」
二人とも楽しく選別している。
取り付け作業をしている店のおばあちゃん達も手慣れたもので、ササっと取り付けてくれた。
「あんた達のおかげで今年の冬はホクホクで暮らせれるよ」
とニコニコしながら話してた。
縫いつけの店を出店しているおばあちゃん達は、皆んなここらのご近所さん達で、小遣い稼ぎのつもりだったらしいが、今ではかなりの収入者になっていた。
最近、冒険者の一部も羽根などをフードやカバンに付ける人が増えてきた。『俺の奢りだ!』メンバーが原因だろう。
付けてると『俺の奢りだ!』メンバーが声を掛けて、飲みに誘ってくれるらしい。
子ども達も同じように、羽根をつけて市場に居ると猫さんが奢ってくれるようで、毎日市場は祭りの様な人集りとなっている。(主に飲食系屋台周辺のみ)
「に〜たん、貯まってた魔石を交換したいんだけど」
「あっ!ミミも!」
換金してもらいに一度、冒険者ギルドに向かう。
二人の換金用の魔石の量が中々の大量だったので、値崩れしないかと心配したが、どうやらそんな心配はなさそうだ。
「この都市だけでは、確実に値崩れしますが、周辺の街や王都では基本的に魔石不足ですので問題ありません」
なるほどね。聞いといて良かった。
「この近くの街とかダンジョンで面白いところある?」
ついでに受付のお姉さんに、聞いてみた。
「ダンジョンを面白かと表現するのは難しいですが、ビレンデルという街にあるダンジョンがキレイだと有名ですね。ちなみに市場で売られている羽根やキレイな石はそこのダンジョン産です。星は2です」
そうなのか、今度この周辺のダンジョンの事聞いてみよう。
「どのぐらいで行けれるの?」
「今の時期は、行商人の馬車ぐらいしか行き来したませんので、歩きになりますと4日ぐらいでしょうか」
「なるほど、ありがとう」
どの道、空を飛んで行くので問題無い。早速、明日にでも一緒に行ってみよう。
翌日、方角を聞いて【音速飛行】で移動した。
【3Dマッピング】で確認しておいたから間違いは無いはずだが、暇そうな門番に尋ねてみた。
「ここってビレンデルという街か?」
「おお猫の原獣人か!そうだビレンデルだ。もしかしてグーデルンからか?」
「そうだ。ダンジョンに入りたくて来た」
今回の目的を話す。
「そうか。ダンジョンは星2で向こうに有る。少し先に乗合馬車が出てるぞ。お前さん達のおかげで、うちのダンジョンの品がよく買ってもられるって若い冒険者達が喜んでいたぞ」
マントデコレーションも経済参加になっていた。良かった良かった。
「特に、ちび達が蛇の抜け殻が売れたって喜んでたぞ!」
はい、それ猫さん達に一番人気ですからね。
ダンジョンの場所を教えてもらい、早速『転移門』でミミとロトを呼び寄せてダンジョンに向う。
入り口は大きな木のうろだった。人間が並んで入れるサイズもあり、今までとは違って面白い。
中は常春の様な気候で、寒い冬には最高の場所だった。
通称『煌めきのダンジョン』ダンジョン内は森になっており、木漏れ日が心地よい。
遠くから川のせせらぎの音と風にそよぐ木の葉たち。
空からは優しい光の木漏れ日が降り注ぎ、青空では小鳥達の楽し囀っている。
そして、彼方此方から聞こえる…
「グギャギャギャ」
「そっちの一体を頼む!」
「ゲギャギャギャ」
「おりゃ!剣の錆にしてやる!」
「グギャ!」
ゴブリン達の声と冒険者の掛け声。
ここは、ダンジョンで間違いないな。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時
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★同日 17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。




