猫は兄妹で仲良くお出掛け中。その2
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
残念な事に、今居る煌めきのダンジョンは星2である。星2とはゴブリンが出る確率が高いダンジョンを示す。
「少し先に綺麗な川が有るって言ってたけど行ってみるか?」
気を取り直して、川に向かう提案をしたが、失敗だった。先に探知しておけばと後悔する。
「に〜たん人ばかりだね」
「みんなキレイな石拾ってるよ」
川辺は人で溢れていた。
まるで一昔前の海水浴場だと、俺の記憶がそう呟く。
理由は…………語るまでもない。
下の階の方が人気だと聞いていたが、1階層でこれだ。相当混んでいるんだろう。
「どうせだから、下の階層も見てみようよ!」
ロトの提案でとりあえず、下の階層を覗いてみる。
やはりどこも変わらずの状態だったが、基本的にどの階層も景色は美しい。時折ゴブリンの声と冒険者の雄叫び以外を無視すれば美しい森だ。
途中で滝の裏に洞窟を発見したので中に入ってみると、ほのかに煌めく洞窟内はまるで夜空の様に美しく。見惚れてしまう。出て来たのはスライムだけだったが、若干だがスライムもキラキラ輝いていた。
洞窟の奥に宝箱を発見した。
中はキラキラ光る石のペンダントが3個入ってた。丁度いいので今回の記念としてそれぞれ3匹持つことにした。
お揃いのペンダントを着けて満足満足。
「今度は違うダンジョンに行ってみよう!」
本日のダンジョン巡りは終了し、後はグルンに戻ってご飯を食べてまったりと…
「王様!冒険者ギルドの人が探してたよ」
グルンに帰るとグーデルンの街に出かけていた猫さんから伝言を受けた。無視しようとしたが、
「急ぎだって言ってた」と言われて、渋々冒険者ギルドに向かう。
「「に〜たんがんばってね〜」」
ミミとロトに見送られ、本当に渋々だが冒険者ギルドに向かう。
「なんか用事?」
冒険者ギルドの窓口で不機嫌そうに言ってみる。
「あぁロイさん!丁度今から領主様の所に向かいますので、ギルド長と一緒に馬車にお乗りください」
俺の不機嫌なのが伝わらなかったのか、無視され上、抱えられ入り口に来た馬車に放り込まれた。
扱いが酷くない?!まるで猫扱いだ。猫だけど、猫だけどね…
「おう、丁度いいタイミングだったなロイ」
先に馬車に乗っていたギルド長のレフルドに、不機嫌いっぱいの顔をして返事をする。
「…ああ」
「呼ばれた内容なんだが…」
気が付かれない。猫は表情筋が死んでるのか?いやおっさん猫達は楽しそうなのが分かる…俺の表情筋が死んでるのか!?
「おい、ロイ聞いてるか?」
「いや、聞いてなかった。何で呼ばれたんだ?」
「もう一度初めから話すからちゃんと聞けよ!実は…」
原因はグランダス聖王国だった。
グルン獣人国に味方するのなら、全面的に教会の引き上げをすると脅してきた。
「俺には『どうぞ』と思うが、人間はダメなのか?あんな連中にいて欲しいのか?」
「別に教会の連中に関しては、お前と一緒で出て行って欲しいが、連中が担っていた怪我や病の治療などはある程度ポーションで賄えるだろう。だがそれは平時での話だ」
モンスターの氾濫があれば、確実にポーションだけでは数が足りなくなるのが現状のようだ。
「それに呪い系の解除には、多くの術師が所属している教会に頼っているのが現実だ。以前も話したが、同レベルの魔術なら呪いの解除は容易いだが、その呪いの解除が出来るレベルの多くは教会の人間だ」
何か凄く困ったと訴えてる内容でレフルドが話してるんだが…
「ん?なら。ウチの王様に頼んでスクロールで解呪系と治癒なんかの特化したスクロール大量に作って貰えばいいんじゃないか?」
「………お前んとこの王様って大概、何でもありだな…」
猫の一言で解決したようだ。
領主様には馬車での会話をしたら、呆れながら笑っていた。
商業ギルド長と薬師ギルド長は笑ってはいたが、目がロックオン状態だった。
後日、スクロールのランクなど細かく品質確認などを済ませ、年始の挨拶で王都に向かうまでは極秘となった。
急ぎ、商業ギルドでスクロールを大量に用意してもらう。
「そうだ思い出した。レフルド、以前頼まれてたスクロールだけど、王様から言われてたんだ」
以前、冒険者ギルドで頼まれてたのをすっかり忘れていおり、今思い出した。
「スクロールは攻撃種類はあげないけど、回復系や防衛系とかなら作っても良いって」
「そうか!で、どんな感じの物になる!?」
俺とレフルドの会話を、他の3人と執事さん達も興味津々で聞いている。
「それなんだが、使えるレベルじゃないと意味がないから、欲しい魔術とレベルを教えて欲しいって、頼まれてた」
「その言い方だと、とんでもないレベルの魔術が可能って事か?」
「多分…猫だからよく分からん」
こういう時は、猫の振りして誤魔化そう。猫だけど。
スクロールとは『魔術』専用アイテムで『付与』に近い機能がある。
なので通常作られた人工的な魔法アイテムは『付与』の下位である『定着』しか使用できず、回数や時間の制約がある使い捨てに近い。
『付与』のスキルを持っている俺は、『魔術』でなくても『魔法』、『スキル』でも『付与』で何でも作れてしまうが、しばらく内緒にしておこう。
仕事が増えるのは嫌だ。そしてこれは『架空の猫の王様』の仕事である!
ビバ『架空の猫の王様』!
「レベルの見本とかあるのか?」
「このマントには、回復と治癒、マッピングセットになってるからこれ基準で。後、防御系じゃないけど、猫さんが使うノミ除け魔術もOKだぞ」
マントは執事さんが受け取って見ている。
「ノミ除け魔術?そんなものがあるのか?種族特有の魔術か?」
「正式名は確か【浄化魔術】だ」
浄化と聞くや否や薬師ギルド長さん凄い勢いで話に飛びついた!
「是非、【浄化魔術】のスクロールを!我がギルドに!」
なので浄化系も追加の項目に入れた。
「だっ旦那様!」
今度は、珍しく執事さんが声を張り上げる。
「どうした?!」
「こっこのマントには『回復』、『治癒』、『3Dマッピング』全てレベル8の品です。更に、使用制約がありません!」
あっしまった。
『付与』のスキルを隠そうって思っていたのに、見本で『付与』したもの見せちゃった。ヤベエ。
あ〜でも大丈夫。だってそれはウチの王様が作ったのだがら。
全員が俺を見るが「ウチの王様が製作しました」を貫く。
「その様子だと気づいてないだろうから話すが、魔法や魔術の現在の確認されている最高位はレベル8までだ。回復と治癒なんかは聖女様のレベル7が最高位だぞ。レベル6クラスなら、王家のお抱え治癒士にもなれる」
レフルドが俺のとんでもない事を語る。
ななな何ですと!知らんかった!えっマジて!ウチの猫さん達、魔法だけなら普通に6や7レベルならいっぱいいるぞ。
「…冗談?」
「いや、常識だ」
この世界の常識に触れてしまった。
皆んなが俺を向ける視線が痛い。そして今の俺は、おっさん猫達と同じ『やらかし猫』に見られてると思うとショックが倍増した。
いや違う!やらかしてるのは『架空の猫の王様』で、俺じゃないので問題無し。
話は横に受け流そう。そうしよう。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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【更新スケジュール】
火曜日・木曜日・土曜日 21時
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★同日 17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。




