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猫は世界樹に裏切られる。

ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援ありがとうございます!!

今後とも、ブクマ!ポイント評価★!リアクション!応援よろしくお願いします。


今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

 『獣人国専用窓口』の連絡会議の最後にまさかの、御用商人の話が持ち上がった。

 それも領主様と王家だ。

 御用商人となると、その貴族が商会の後ろ盾となる。

 この場合、領主様と言うより、王家が後ろ盾となる意味の方が強い。


「王家が後ろ盾なんて、なんか面倒な話だな。でも俺は商会長ではなく只の買い出し部隊長だ。会長に言ってくれ」

 そう、俺は買い出し部隊長であって、会長ではない。

「その買い出し先と買い出しがロイ殿だから問題なんだ」

 まさかの原因が俺だと言う!


「ロイ殿が仕入れ担当しているキャット商会ごと吸収し、傘下に入れようとする輩が増えると予想しての配慮だ。別に毎回王家に伺いに行く訳では無い。定期的に調味料を送るように言われるだけだろう。王家の御用商人となれば、うかうかと手は出せなくなる上に、とんでもなく箔が付くものだぞ。普通の商人なら喜ぶ事だがな」

 猫に普通の商人を求めないで欲しい。


「そんなに皆んなは調味料が欲しいのか?」

 胃袋を掴んでしまったのかも知れない。

「調味料も魅力的だが、それ以上に『獣人国専用窓口』以外でのグルン製品の確保や独占を考えているのだろう」

 説明されて納得する。納得するが、調味料を定期的に送るのも手間がかかりそうなので、お断りしたい案件だ。

 ただでさえ、人気で調味料の買い物が大変なのに、『王家御用商人』の店なんてなったら、毎日買い出し部隊長をしないといけなくなる。

 そんな事は是非とも、願い下げだ。

 買い出し部隊長に箔が付いても。


「もし、傘下に入れようとしたら、商会をやめればいい」

「子ども達が反対するのでは?商業ギルドとしましても、それは最終手段として残しておく方が良いかと」

 確かに、アイツら相当ゴネるだろうな。

「もし商会を潰すとなると、元商会従業員って事で、アイツらに迷惑な輩が近づいて来るだろうな。そうなると更に危険が及ぶ可能性も出てくるぞ」

 レフルドにそう言われて、少し悩む。

 だが、辞めるにしても会長判断になるから、俺の一存で決める事ではない。

 会長に丸投げ案件だな。うん、つくづく会長じゃなくて良かった。


 だが、確か、変な奴らに目を付けられるのはマズいな。

 最近どんどん商会の規模が拡大されていってるし、皆んなメチャクチャ張り切ってる。

 防御用のスキルのスクロールでも渡しておいた方が良いのかも。

「お前んトコの種族みたいに矢鱈めったらスクロールなんかで強化するなよ」

 残念。先にレフルドに釘を刺されてしまった。

「ダメか?」

「ダメに決まってるだろう!そんな事したら余計に狙われる事になるぞ!」

 なるほど、確かにな。


 だが、やはり買い出し部隊長としては、これ以上仕事を増やしたく無い。

 猫さんは『NO』が言える猫なのだ!

「だが買い出し部隊長としては、これ以上買い出し品が増えたら困る」

 断固拒否だ!


 そんかこんなで、話は平行線で進まない。

 そうしてる内に領主様んとこの執事さんが、キャット商会の会長カイトと、現場での業務上トップである管理担当のベルダを呼んで来た。

 二人は何事かと急ぎ、領主様宅にやって来た。

 急に領主様に呼ばれるんだ、二人ともアワアワしているが、俺が居たから少し安堵の表情を見せる。

 今回の話は俺は会長じゃ無いから権限は無い。なので二人に任せた。


 『王家の御用商人』何て面倒な事は、荷が重いとでも言って断ってくれると信じている。

 考えてみてほしい、実際キャット商会は『猫さんの御用商人』である()()メインの商会だ。

 そんな屋台メインの商会が『御領主の御用商人』や、ましてや『王家の御用商人』になるなんて、一足飛び過ぎでおかしく思えるし、無理がある内容だった。




 結論、思惑が外れた。

 失敗だ。猫生が染み付いてきてる所為か、人間は立場が上の者には刃向かえない、いやこっちの世界ではあり得ない事だと言うことを忘れていた。

 会長カイトは「無理です!王家の御用商人の店の会長なんて!会長辞めさせて下さい!」とずっと俺にしがみ付きながら泣いてる。

 管理担当ベルダは「喜んで!」と大喜びで俺に在庫補充量の増量を嬉々として計算をしだす。

 カオスだ。


「ロイ。お前が会長でカイトは秘書ぐらいにしてやれよ。見てて可哀想過ぎるぞ」

 レフルドがカイトを見てそう語る。

「そうですね。私どもから見てもロイさんが会長でカイト君が秘書。手腕的にベルダ君は副会長が良い役職だと思われます」

 商業ギルド長のグレンドルも俺を会長にさせたいようだ。

「世の中には名前だけの会長もいるからその方が良いかと思われますよ」

 薬師ギルド長のトイトルまで俺の会長案に賛同する。


 俺の味方してくれるヤツは誰も居ない!

 ベルダまでも「ロイさんが会長になって貰えたら皆んな喜びますよ」などと言う。

「猫の寿命は短い」と伝えたが。

「世界樹の実を食べれば大丈夫ですよ。何てったって『不老』の実ですから」

 何と!世界樹にまで裏切られた気分だ!

 あんなに毎日水やりをしてるのに〜!!


 結果、俺がキャット商会の会長になってしまった。


 勿論、会長になっても買い出し部隊長の任は継続する。

 カイトは秘書兼経理担当になった。

 キャット商会の実務的な運用は引き続きベルダを中心に相談して決める方法だ。

 だって俺の提案は皆んなに反対されるんだもん。


「規模を縮小化しよう!」と言ったら、

「拡大を抑えている分、十分に縮小してますよ」

 との返事が返ってきた。

 因みに、ベルダは管理担当兼副会長になった。


 会長と成ってしまったので、商会に心得を掲げる。

『楽しそうならやってみたら?だけどちゃんとお休みもしてね』


 皆んな守って楽しそうに仕事してるのに、誰もちゃんと休んでくれない。

 皆んなお仕事ハイの様で心配だ。

 猫さんを見習うように!って、そんな猫さん達もキラキラマント作成ハイが結構いるな。


 ウチの商会はブラックでは無いよ!と記憶の俺が切実に訴えている。

 どう対処したら良いのか、分からない。

 ちびっ子達までもお仕事ハイ状態だ。

 注意してお仕事を止めると隠れてお仕事するようになってしまった。

 怠けるより良いが、何でもやり過ぎは良くない。

 会長職も大変な仕事だ。



「ではロイさん。キャットハウスとレオハウスの入居者が増えましたので、街の方達のご要望でありました屋台の拡大と同時に、新メニューの開発を開始しています。新メニュー考案に皆んな張り切ってますよ」

「……………」

 敏腕管理担当兼副会長のベルダから、楽しそうに『とんでも活動報告』を受ける会長。


 サラリとベルダが言ってくるが、これは『会長』の俺がここでOKしたら、『買い出し部隊長』の俺の負担が増える流れなのでは!?ってか開発がすでに開始してるよね!?


 恐ろしい流れが出来てしまった。


 顔を青くする猫。だが毛に覆われてるから、見ても顔色が分からない。

 恐ろしや!恐ろしや!

引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★

 【更新スケジュール】 

 火曜日・木曜日・土曜日  21時

★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 17時30分に更新★

『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。

こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。

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