猫は楽しく踊り明かす。
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誤字報告ありがとうございます。
やはり気を付けてはいますが、自分だけの校正だと結構ありますね。反省
とうとう人間達により、小山開発の着工が始まってしまった。
既に小山に住んでいた猫さん達のお引越しは完了しているが、グルン獣人国に繋いでいる『黒いぐるぐる穴』の移動方法は結局、見つける事が出来なかった。
木々がどんどん倒されていく。
慣れ親しんだ集会場でもある小山に、大きな重機によって壊される様子をじっと観ている猫さん達もいる。
「では今夜から始めます」
「「「「「お〜!!」」」」」
今夜に行われる人間達を驚かせるイベントとは、以前レン達とテレビで観たジ●リ作品のタヌキ達のアピール作戦だ!
『猫の神様のお引越し』をイメージした演出となっている。
主に動くのはゴールド隊と、飛行魔法が使える地元の猫さん達によって行われる。
それ以外の猫さん達にはイベントの間は大合唱してもらう。
他にも野良さん達は俺達の後を付いてくような演出をお願いした。
予想外に準備に手間取った。
手間取った理由は、グルン獣人国用で作ったマントが地元の猫さん達の心を撃ち抜いてしまい、「自分達も欲しい!」と駄々を捏ねられた。
仕方ないので大急ぎでマントにワッペンや宝石類の取り付け作業をしていたら、
「ワッペン意外と目立から、ワッペン制作会社からバレない?」
とタカシから言われてマズイと気付き、予定変更となった。
今回仕様するステッカー無しのマントを新たに作る事となり、大急ぎでグーデルンの街に追加でマントを依頼をした。
今回使用するマントをゴールド隊に渡すと、皆んな張り切って宝石を散りばめたマントの制作に取り掛かる。
なので猫さん達は、取り付ける宝石を見つけるために張り切ってダンジョン攻略して行った。
特に26階層の幽霊船は大人気スポットで、順番待ち状態にまでなった。
他の島にも幽霊船が出るのではと、探索しだす猫さん達も現れる。
そんなこんなで、当初は普通に魔法の花火を打ち上げて『集団で猫達の引越し』をアピールだけで驚かせる予定だったが、飾り付けた派手なマントばかりに注目を浴びてしまう出来栄えとなってしまった。
当然のことながら、本来の目的であり注目ポイントである『お引越しアピール』が掠れてしまう。
ならば一層の事『猫の神様のお引越し』するイメージに演出を作り変えた。
神様設定だが、優美な羽衣を纏った女性ではなく、白い羽根が生えた幼児達でもなく、ド派手なマントをドヤ顔で自慢げに見せる猫だ。
どんどん演出を追加していったらサンバカーニバル並みにド派手な演出となり、神様感が全く感じ無い。
…仕方ない。猫の神様と言う事で細かい事は気にしないで進めることにした。
八百万の神が座する国だ。全く威厳がなくても大丈夫。
だって猫の神様だから。
と言っても、基本的に猫さん達は新たに追加したお神輿の周りで楽しそうに飛んでもらい、お神輿と一緒に行動するだけだ。
それ以外の細かい演出は俺が担当するので、出来栄えは俺次第となる。
魔法や現象がちゃんと見えたり画像に残るか心配だったので、小ちゃめに再現してスマホで魔法の映りを事前にチェックしてみる。(撮影係はタカシ)
「問題なく撮れてるよ。この猫の姿が変化するのは、イリュージョンみたいで凄いよ!」
「光彩魔法の【幻影】を使って、足元や周りを演出してみた。これなら良さそうだな。猫さん達も協力して【偽装魔法】持ちは、自分達で体の模様や色などを変えてもらう予定だ。まぁ、猫の顔変えても、人間には分からないからな」
こうして出来た内容は、お神輿担いでる猫さんの周りをキラキラマントを見せびらかしながら空を練り歩く猫の一団。空には魔法の花火を打ち上げ、足元には幻影魔法で作った光り輝く花畑を進んで行きながら、小山からボロ家の方に移動する計画だ。
時間は、日の入りのタイミング、開発に来ている現場の人間達が帰る時間帯に結構することに決めた。
ぶっつけ本番だと猫さん達だから心配なので、グルン獣人国でちゃんとリハーサルをしている。
…リハーサルしておいてよかった。
大きな問題は無いが、なんか微妙だった。
総合的に見れば問題ない。
だが、マントを自慢げに見せながら空を飛んだりするのは良いのだが、想定してなかった猫さん達の謎の踊りが追加され、その踊りがマント以上に目立つ。
謎踊りは全く統一されておらず、皆んな見事にバラバラだ。
ヲタ芸にラジオ体操、安来節にひげダ●スまでミックスした様な謎の踊りが披露される。
リハーサルを見ていた猫さん達全員には大ウケだった。
インパクトが有り過ぎる。
逆にインパクトしか無いが…、まあ良しとしよう。
楽器は使えないから、みんなの鳴き声がバックミュージック代わりだ。
注意事項は
「お神輿から離れ過ぎないで、ちゃんと着いてくる様に」
猫さん達は皆んな楽しく踊り狂ってる。
調子に乗って踊ってるから、お神輿からどんどん離れて行く。
そして目的忘れて楽しそうに踊りなが、そのままどっかに行こうとした猫さんを数匹発見。直ちに回収。
あれ?城壁の外が騒がしいぞ?
「何か人間達が騒いでるよ!」
城壁上の見張役から連絡が入った。
しまった!聖王国の人間の事忘れてた。
上空で演出したから丸見えだった様だ。うっかり、うっかり。
「まだ、人間が外に居ますので森へ入る事は禁止です。今後も気を付けるように」
王様として、威厳を持って猫さん達に伝える。
「「「「「は〜い!」」」」」
うんうん、猫さんは素直でよろしい。
「では、明日の夕方開始します」
こうして、開発の小山のさよならイベントと、人間達を驚かし作戦は結構される。
夕暮れ時の街に猫の声が空に鳴り響く。
「にゃお〜ん」
その鳴き声と共に、街の空にキラキラした何かが、通称『小山』から現れた。
二本足で歩く猫達の集団だ。隊を組んで空に現れた。
煌びやかなマントを翻して、楽しそうに踊りながら空を舞う。
中心にはお神輿を担いだ猫がおり、その足元は光る花畑になって咲き誇る。
空には、花火の様に光の大輪が花開く。
街の猫達が一斉に鳴き出す。
野良猫達は空の猫達を追いかけて進んで行く。
キラキラ夜空を照らしながらの猫達の大行進は、山の方に向かって消えていった。
成功だ!踊りながら逸れる猫さんも居なく無事終了。
こうして、俺達の楽園のさよならイベントは終了した。
「あの石像を置いたのトノちゃん?」
翌日、タカシに人間達の反応を聞きに訪ねる。
「そうだ。向こうの世界の有名人が作った作品だ」
置き土産として、猫のクラーク風石像を『黒いぐるぐる穴』の前に置いておいた。
「謎っぽくて良いだろう!」
満足顔の猫。
「昨日の夜は皆んな大騒ぎだったよ。凄過ぎて、昨日の夜からテレビ局やら色んな人達がやって来ているよ。特にスマホに録画した人多いからね。で、最後に謎の猫の石像発見だ。作業員が帰った僅かな時間で、重機を使用せずどうやってあそこに運んで設置したのかって凄い騒動だよ」
よしよし、思ってた以上に上出来だ。
昨日の夕方は、レン達はお婆ちゃんの家に行ってたので、夕方に抜け出してもバレず、ミミも一緒に参加していた。
猫さん達も人間を驚かしてやったと、上機嫌だ。
ただ、余程楽しかったのか『またやりたい』と、猫さん達皆んなに言われてしまい、王様は少し困る。
【次の更新日】 7月30日 木曜日 21時
★同日17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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