猫は過ぎ去った事は忘れる。
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未だにグランダス聖王国の奴らは帰らない。
入れ替わり、立ち替わりでやって来る。
城壁に攻撃はするものの、傷一つ付けられないでおる。
大技を繰り出すと、周辺のモンスター達も寄ってくるので、最近はぶっ放し系は無くなった様だが、正直しばらく動向を見てたが、どうする気なのか全く分からない。
ゴールド隊は3つに分けて『城壁監視』『ダンジョン食料補充』『本日自由タイム』を順番にローテーションしているが、そろそろ他の住民猫さん達も退屈し出している。
なので、ダンジョン食料補充はゴールド隊と住民猫さんと一緒に参加することにした。
ダンジョンの入り口も、グランダス聖王国の奴らが見張っているので奴らに見つからない様に、隠密系のスキル使用しながらグルンの猫さん達は皆んなで交代でダンジョンに遊びに出掛けた。
一応、様子を見ながら気をつけて出入りは集団行動をするようにしてもらう。
特に仔猫たちは危険だから特に注意する。
「やりすぎ注意。レベルの高い攻撃魔法はダンジョン以外は使用禁止」
仔猫達が攫われるのも注意だが、仔猫達が攫われた後、暴れるのも要注意案件だ。
なにせ、生まれた時から、俺が【神聖魔法】を使って毎日『光玉』を“てしてし”させてたから、既にゴールド隊以上の実力は兼ね備えている。
今では、ダンジョンで大技魔法をぶっ放して楽しんでいる仔猫達。
だが、ゴールド隊への入隊条件として『力のコントロール』が必要条件としているので、仔猫達はまだまだ入団できない。ゴールド隊は憧れの存在だ。
親父達がホッとした顔をする。
親父の威厳が保たれてるようだ。良かったな。
あれから、数週間ほど経つが、余りにも変化がないので、いつの間にか日常になりつつあるグルンだった。
「ロイ。グランダス聖王国はどうなんだ?」
久々に会った冒険者ギルド長のレフルドが尋ねるが、
「よく分からん。壁に何かの魔法を打ち込んだりしてる。でも、壁が壊れないから、皆んな普通の生活に戻ってしまった」
「壁が壊されてない?そうか、まだ帰ってないんだな」
何か、考え出すレフルドだが、まだ成功国が引き上げてない事を確認する。
「居る様だが、正直、攻め込んで来ないで外の壁に何かしてる」
「何してんだ?確か情報だと特殊部隊だったはずだが。よく分からないな」
「俺もよく分からない」
思ってた以上に何も起こらない。
結局、聖王国に反撃計画のプランは、前回の話し合いの時は頓挫したままだったので、そもまま放置状態になっている。
城壁の外側以外は普通の暮らしに戻ってしまい。グランダス聖王国の事を忘れそうだ。
いや、猫さん達はもう忘れてるかもしれない。
「ロイさん。会長役やめたいです」
「却下です」
久々にキャットハウスに顔を出すと、項垂れている『キャット商会』の会長であるカイトが辞任希望を出すが、却下する。
「問題無い。君なら出来る」
ポンポンっとカイトの肩を叩いて告げる。記憶の俺が一度してみたかった事らしい。
「ロイさん…。根拠無いですよね」
疑いの目を向けるカイト会長。
「根拠は有る。商業ギルド長も問題無いと言ってるから大丈夫だと言う根拠だ」
根拠も人任せだ。猫に任せてはいけない。
「安心しろ。借金してる訳ではないし、皆んなと話し合っての商会だから、ダメなら潰すか他の仕事を一からやればいい」
「潰すって!そんな!」
自分と弟が親から捨てられた理由が、店が潰れた事がきっかけだからか、少々力み過ぎのようだ。
「ただの弁当屋だ。自分達で好きなようにすればいい。あっ、だからと言ってメニュー増やすなよ。買い出し部隊長の俺が死ぬ」
本来、猫さん達のやらかし防止策の一つとして、子ども達に勧めてた屋台の開店だ。
屋台エリアでの猫さん達の付き添いや、見張役業務をお願いするつもりだった。(あの屋台エリアがやらかし率が高いと予測した)
だが、もうすでに猫さん達が各所でやらかしてるので、各ギルドが見張役や教育係として対応してくれたから、役割は少なくなった。
今では皆んな楽しんで仕事をしてるから、そのまま継続しているだけだ。
他の仕事に変更したければ、それでもいい。相談ぐらいには乗る。
以前も、人気になりすぎて他の飲食店から厳しい目で見られてるらしいと相談を受けた。
「一緒に商品出してみたら?」
と提案だけする。
「例えば、ウチは夜は営業しないから、代わりにウチのメニューをつまみとして出してもらったり、弁当売りの品を、店屋でも一部提供できる様にするとか」
提案だけな。
名前は『キャット商会』だが、皆んなの商会だ。やりたいようにすれば良い。
それで俺の『買い出し部隊長』の仕事が増えるんだけど…タカシのおかげで問題無く活動ができているので、協力は出来る。
「大丈夫だ。君なら出来る」
カイト会長の肩を叩く。ポンポン
「なんなら、みんなで毎月くじで会長を決めても良いぞ。面白そうだ」
「…………いやダメでしょう」
猫からの提案は却下された。
季節は本格的な夏になった。
一部の猫さん達は小山からボロ家に移動はしているが、なんせ夏がメインの心霊スポットだ。ボロ家は夜になると賑やかになる。
かなり五月蝿いらしく、夏が終わるまでしばらく小山に戻ってきている猫さんもいる。
困った事に、良いタイミングで黒いぐるぐる穴からスケルトンさんが手を出すもんだから、人気になってしまった。
同居(元)人さん達は特に何もしなく、立っているだけだ。
たまに、何が面白いのか笑い声が漏れてしまい、人間達に聞こえて大騒ぎになったりしてる。
偶に、一緒に記念撮影に写ったりして楽しんでいるようだ。
同居(元)人さん達は入れ替わりが激しい。人間に憑いてやって来て、また、別の人間に憑いて帰って行くので、増えたり減ったりする。
基本、どの同居(元)人さん達は、猫さん達がたまに挨拶すると反応するだけで特に害は無い。
レイスや黒い変なモノは、蓋をしてるグランダス聖王国のダンジョンからも出てくる。
仕方ないので、人間と一緒に憑いてったモノ以外は、人間達が帰ったら“てしてし”か【浄化魔法】で、住人の野良さん達に駆除してもらっている。
今いるメンバーはグルンには行けれるので、そちらで新生活を始めてる猫さんも何匹かいる。
こうして、小山からの移動は着々と準備開始されている。
「そろそろ買い出し部隊長以外やる事なくなって来たから、26階層攻略を考えよう!」
攻略途中だったのでそろそろ本腰入れて考えようと思う。
色々案を模索中だが、試しで少し海に潜ってみる事にした。
攻撃と防御の威力の検証をする為だ。別にボス以外はスルーしてもOKだから、無理してやっつける必要はない。
26階層攻略開始だ!
「で、グランダス聖王国はどうなったんだ?」
忘れてた。まだあそこに居たんだ。レフルドに言われて思い出した。
「忘れてた。今から行って見てくる。少し待っててくれ」
マントと靴の受け取りに来た冒険者ギルドで、レフルドに尋ねられて思い出した。
すぐにグルンに行き、様子を確認する。
マジでグランダス聖王国の事を忘れてた。
【次の更新日】 7月18日 土曜日 21時
★同日17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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