猫は敵を迎え撃つ。つもり
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
「王様!奴らが来ました!」
奴らが来た。そう、猫さん達を此処に置き去りにしたグランダス聖王国の奴らだ。
「大丈夫だ。しばらくは、塀の外へは外出禁止。ここは魔法で見えなくしてあるが、気が付かれて攻めて来たら、反撃開始。それまでは交代で見張だ」
ゴールド隊を中心に、一斉に指示を出す。
万が一の時の行動もすでに指示してある。
まずは、息を潜めて相手の出方を待つとしよう。
ーグデデの大森林の原獣人達の村跡地ー
「何!蛻の殻だと!」
原獣人達の村の跡地に到着し、村の様子を確認した部下からの報告を聞き焦る。
国からは原獣人達を連れて帰るよう指示が出されているのに、居ないとなると任務失敗となってしまう。
「はい。しばらく生活していた形跡がありますが、どうやら移動したように思われます」
「付近を捜索し、足取りを掴め!発見次第報告。残りの者は陣周辺の確認、防壁の建設に着手」
原獣人の村の跡地に陣を構え、辺りを捜索し始めた。
程なくすると、吉報が訪れた。だが、
「魔法で隠蔽した城壁が有るだと?!」
「はい、例のダンジョンの入り口近くに、城壁の様な壁を見つけました。どうやら、近づかなければ認知されない魔法が施されている様です」
「中は!中はどうなっている」
城壁より、猫達がいるのかが問題だ。
「かなりの高さが有る上に、魔法や物理的にも穴を開ける事が出来なく、上空も結界が掛けられており侵入は不可能です。覗く事も魔法で遮断されており、中の様子は全く確認が取れません。捜索隊の半分を戻し、只今城壁周辺の確認と突破方法を模索しております」
「そうか、では一度王都に報告し、解除に特化した者を送っていただける様ご対応を願おう」
早いな、もう場所がバレてしまった。
だが、魔法対策もしておいたから、解除するのには時間がかかるだろう。
使用しているのは【神域結界魔術】だ。
【防御魔術LV.10】で解放されたスキル【結界魔術】。【結界魔術LV.10】で解放されたスキル【聖域結界魔術】。
更に【聖域結界魔術LV.10】で解放されたスキル【神域結界魔術】を使用したのだ。神様だって簡単には入って来られないと、大袈裟な謳い文句の説明が表示されてるぐらいだ、大丈夫なはずだ。
少なくとも、解除されるにはかなり時間が掛かると予想ではいる。
勿論、その前に攻撃開始だが、万が一城内での戦闘になった場合、【聖域結界魔法】ならレベル3までならゴールド隊でも数匹使える。住民の避難時には活用できる。
ゴールド隊以外でも【防御魔法】【結界魔法】が使える猫さんは多い。逃げと守りのスキルは完璧だ。
後は、上手く迎え撃つ事が出来るかだ。
不安げに城壁を見つめる猫だが、本猫は知らない。
この世界の最高広域防衛魔法が【結界魔法LV.3】であり、魔術に至っては、国の極秘事項とまでされている。だがそれも【結界魔術LV.5】までだ。
更に言えば【聖域結界魔術】だの【神域結界魔術】は、誰も取得できない神スキルだという事を。
アンデット系への有効攻撃として知られている【浄化魔法】や、その最高位のスキルである【神聖魔法】を、未だにノミ除け魔法だと思っている猫達は、誰も気付いてないのであろう。
今や原獣人の猫は世界最強種に成っている事に気が付いていない。
本猫の周りの人間達も、余りに偏った嗜好と思考の猫達を観ているからであろう。誰もが『猫とはそういう生き物だ』と間違った刷り込みがなされ、その事には気付かない。いや、もしくは気付かない振りをしているのかも知れない。
そして、世界最強種までに昇らせた本猫に至っては、すでに神域に達しているスキルと魔法を保持している事に全く気付いていないのだ。
『見ぬは極楽、知らぬは仏』知らない事は幸せであり、平和である。
初めは、緊張していた猫さん達だが、数日を過ぎると緊張感が無くなり、日常の様な暮らしに戻りだした。
聖王国側も結界の解除の為に、魔術士らしき人物が数名やって来た。
最初は攻撃準備をしていたが、解除される気配が無い。あれら数日経った現在でも、未だに結界の解除はされておらず、見張は継続しているがこれと言って進展はない。
たまに、別口の部隊が壁に攻撃している様だが、傷一つつける事は出来ていない。
住人の猫さん達、特に仔猫達には注意しておく。
「城壁の外には出ちゃダメだからね」
「「「「「は〜い!」」」」」
外の監視役は交代でゴールドも参加させて、俺の居ない時のまとめ役のロトには結界に異変があったら、すぐに襲撃開始する様に伝えた。
勿論、こちらが劣勢と分かったら、すぐさま住民達を転移門でグーデルンへ移動指示を出すよう頼み、俺はしばらく滞っていた『買い出し部隊長』を復活させ、タカシと一緒に大型スーパーを巡る事にした。
タカシには、買い出し品が決まっているキャットフードや大型調味料は随時買い出しを頼んでいるが、グランダス聖王国の奴らが来てから、暫く受け取りが滞っていた。
しばらく来れない理由は説明してあるし、前金を増額しておいたので資金不足にはならないはずだが、調味料のストックも万が一の為、レオハウスには俺のアイテムBOXに有った予備ストックを解禁し、大量に入れておいたので俺のアイテムBOXの中は、ストックゼロ状態だ。
早めの段階で補充をしておきたい。すでにタカシとは連絡をつけておいた。
連絡方法。なんと今の俺は、スマホ持ちになった。
契約者は勿論タカシだが、これでいつでも連絡取れる上に、追加で購入数を増やしたい品をメールやラインで連絡する事が出来るのでとても便利だ。
魔法の世界にはない、画期的なものである。
「僕のスマホに入ってる番号自体、今はバイト先とトノちゃんぐらいだから、最近はトノちゃんとしか連絡してないや」
「安心しろタカシ。俺の連絡先はお前の電話番号しか無い」
タカシの肩を叩きながら、訳の分からない慰めをした。猫が何処かに電話する事があったらビックリだ。
タカシからのツッコミが無かったのでそのままスルーする。
他の猫さん達は、文字が打てないので残念ながらスマホは諦めた。
「それにしても王様って大変だね。皆んなを守ったり、買い出し等を定期的にしないといけないから」
「王様の仕事が大変なのか、買い出し部隊長の仕事が大変なのかは分からんが、今回みたいに向こうから攻めて来るんだから対応しないと仕方ない。非常食用のキャットフードも欲しかったから助かるよ」
今回の買い出しと、事前に追加依頼を出しておいた調味料やキャットフードも補充完了。急ぎグーデルンの街に向かう。
子ども達は、屋台の手伝いや買い出しなどでかハウスは留守だった。
俺は調味料倉庫に補充していく。
「マヨネーズとソースの減りが早いな」
そんな事を思いながら追加で補充していく。
補充完了。暫くグーデルンには顔を出していなかったが、子ども達にも事情を話しているし、番犬のレフルドが居るから安心だ。
「問題なさそうだな」
ふと、俺への言伝置き場にメモが置いてあるのが気付き手に取る。
「マヨネーズ大量追加 コショウ粗挽き大量追加 コンソメ大量追加 ソース大量追加 早急にお願いします。 ベルダ」
「…………」
こちらの方が手強いな。
【次の更新日】 7月16日 木曜日 21時
★同日17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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