猫は王様兼買い出し部隊長です。
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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。
最近ハウスの食事が凄い事になっている。
特に新メニューの開発の為か、夕食はかなり豪華なようだ。
グーデルン側の世界では、メニューはそれほど多くはなく、焼いた肉、炒めた野菜、シンプルな薄塩のスープと硬いパンが定番で、通常の家庭ではパンとスープだけが多いらしい。
だがハウスでは、俺がたくさんの調味料を持ち込んでしまったので、スープだけでも野菜がいっぱい入っている濃厚で多様なスープとなっている。
そして、ハンバーグやミートソース、シチューに角煮など、いろいろとレシピを伝授(本屋で買った料理本)した事により、ほぼ毎日が新メニューとなった。
冒険者ギルド長の餌付けは仕方ないが、最近では商業ギルド長までも餌付けしてしまったらしく、たまにやって来ては食事をしていく。
勿論、代金は頂いている。
商業ギルド長のグレンドルは、俺がハウスに納めている調味料を狙っているが、
「採取できる量は少ないから、定期的に卸すことは出来ない」
と説明してお断りした。
ならば、屋台では無く本格的に店を構えてはと、商業ギルド長からの話が出た事がキッカケとなり、子ども達が俄然張り切りって開発しまくった結果、毎回が豪華な新メニューの試作品がそのまま皆んなの夕食となっている。
豪華と言っても、ありふれたメニューだが、こっちの世界基準の庶民料理ではかなり豪華と言える。
レフルドに言わせると
「貴族だって、こんな凄い飯は普段の夕食なんかには出て来ない」
と言ってたな。
貴族の晩餐でも果物が沢山テーブルに並んだり、肉の種類が増えたりするが味付けはさほど変わり映えはしないようだ。
作っては皆んなで食べて味やコスト、作業時間などを考えて次の屋台メニー、いや将来の店のメニューにと真剣に考えている。偉いぞ!
俺は頼まれて料理だけれは無く、甘味系のレシピを伝授(本屋で買った料理本)を頼まられた。
なので、材料購入の為、猫は買い出し部隊長としてスーパーを駆け回る。(継続中)
「ベルダは居るか?」
「あっロイさん!大丈夫でしたか?猫さん達の受け入れ準備は出来てますよ」
しばらくの間、聖王国関連と買い出し部隊長として、忙しく駆け回っていたので彼に会うのは久々だった。
「ありがとう、今のところは問題ない。そっちはどうだ?何か変わった事は?」
ベルダに近況を尋ねる。
ベルダは調理班のリーダーでもあり、レオハウスのまとめ役でもある。
16歳のキリッとした顔立ちの茶色い髪の男の子だ。
以前は、栄養不足で頼りなさそうに見えたが、栄養満点の食事に代わり、みるみる体付きや顔色も良くなってきた。
「特には。レフルドさんに頼まれて、冒険者ギルドへ毎日昼食の配達をしているぐらいですね」
なんと!番犬の分際で出前させてるだと!
「断ってもいいぞ」
「いえ、他のギルド職員の方からも注文も受けれますし、屋台とは別メニューですので、ちゃんと儲けてますから」
強かである。ならば問題無しだな。
「なので、調味料の補充とストックの増量をお願いしたいのですが」
俺には問題あったな。
だが、すでにアイテムBOX内に大量ストックがあるので、問題は無い。
「お弁当用に一口分入れたら、人気になっちゃったので、甘味用の白玉粉の粉も大量によろしくお願いします」
季節限定のおやつとしてあるので、継続では無いから追加だけで賄えそうなので、問題は無い。
メインの肉や野菜などは、ベルダ達が市場などで調達しているから安心だ。
「分かった。後で倉庫に卸しておく」
「ありがとうございます。ついでに、通常の調味料以外の品も追加でお願いします。特に配達のお弁当がことのほか人気になってしまい、器の回収が間に合わなくなってきてます。既にローテーションがキツくなってきてますので、早めの弁当用の器の追加をお願いします」
「…分かった」
弁当箱は日本製わっぱ弁当箱を使用している。本来は、子ども達用としたのだが、気が付けば宅配弁当に使用されていた。
それより、追加のわっぱ弁当箱とスプーンとフォーク、配達用のカゴ……
買い出し部隊長ピンチ!緊急出動状態だ!(タカシ道連れ決定)
異世界では、仕事や収入、庶民か貴族かで食事事情は大きく変わる。
庶民では一日の食事回数は2回〜3回だが、貧しいものは1回〜2回。更に極貧者は、ある時に食べるが基本だ。
ちなみに、貴族は5回〜6回らしい。メインの食事以外は軽いおやつ程度らしいが、食事回数が多いことが、富の象徴とされている。
弁当箱は使用していなかったが、子ども達はちゃんと3回きっちりと食事はとっているのようなので、一安心。
「まあ、無理しない程度で、やればいい」
今は良いが、俺が居なくなった事を考えて、出来るだけ現地の食材で調理するようにしているが、さすがに調味料だけはどうにもならないから、俺が支給している。
本来の作り方は教えてある。『レシピの奥義本』として料理本はベルダが厳重に保管してある。
料理本は俺が朗読し、こちらの言葉に書き直す作業は終えてあるので、完璧だ。
屋台の品や宅配お弁当は、こちらの原価を元にして付けた値段だったから、少しお高めになっている。
だが物珍しさも加わり、グーデルンの街で人気の品となっていた。
ちなみに、猫さん達は必ず購入しているらしい。
なんか、猫さん達が屋台に並ぶと、他の人も並び出すようで、まさしく『招き猫』状態の様だ。(食べ物限定)
「これを機に、今後は弁当売りを始めてみようかと、商業ギルド長のグレンドルさんと相談して進めていたんです」
「へ〜そうなんだ」
知らない間にどんどん話が進んでいってる。すごいな。
「商業ギルドで個人仕様のFランクを取得しておけば、朝市の場所代は半額になりますし、行商として昼間の弁当売りの許可が出来ます。今、計算の練習してるメンバーなら、弁当売りの仕事が回せますしね」
「へ〜なるほどね」
なんか凄い勢いで話が進んでいってるぞ。仲間の新たな仕事も見い出している。流石リーダーだな。
「更に商会扱いであるEランクにすれば、個別でFランクを取得しなくても、店の従業員として販売ができますし、弁当売りも市場の場所代半額もできるので、商会の立ち上げてEランクを取得する事にしました」
「へ〜すごい頑張ってるじゃないか!」
ベルダは頼れるリーダーだな。これからもベルダに全部任せよう!
「ですので商会の代表はロイさんでお願いします」
「……今何と言いた?」
「はい、商会の代表はロイさんでお願いしますと言いました」
さらりと今、とんでもない事言ったぞ!
「えぇぇぇぇ!それは猫だから無理です!ダメです!嫌です!」
応援はするが、そんな事はしたくない。もうリーダーであるベルダが会長で良いでしょう。
俺の役目は『猫の王様兼買い出し部隊長』だと既に決まっている。これ以上、仕事を増やしたくない。
俺だって、他の猫さん達と一緒に、自由でのんびり猫生を満喫したいから断固拒否だ。
「ベルダが会長で良いじゃないか!」
「自分は調理部関連のまとめ役です。これから大きくする商会長には向いてません」
商会を大きくする気なの!?と、ツッコミたかったが後回しにする。
あーだこーだと話した結果。
カイトが会長になってもらう。で話がまとまった。
ベルダも納得。
「ロイさんの秘書ですし、俺達の中では、一番数字に強いから、良い案ですね」
その夜、カイトの悲鳴のような叫び声がグーデルンの街にこだました。
【次の更新日】 7月14日 火曜日 21時
★同日17時30分に更新★
『只今、異世界潜伏中です。〜脱獄したら、王様にジョブチェンジ?!〜』(おっさん多め)も宜しければお楽しみくださいませ。
こちらの作品は猫さんより1ヶ月先輩の初作品です。
引き続き、お付き合いくださいませ。
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